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「真田丸」三成書状に昌幸怒~三成計画「関東仕置」

大河ドラマ『真田丸』
 第35回「犬伏(いぬぶし)」作:三谷幸喜
【執筆入魂 ~ それぞれの決断】
 時は慶長5(1600)年、真田昌幸(草刈正雄)は数え年54歳、長男・信幸(大泉洋)35歳、次男・幸村こと信繁(堺雅人)は推定30(1571年生まれ説の場合。従来説は1567年生まれで+4歳)
 
家康の上杉攻めに参加するため、進軍途中の大谷吉継(片岡愛之助)
そこに、石田三成(山本耕史)が訪ねてきて、対家康挙兵の計画を打ち明けました…!
  大谷「勝てると思っておるのか」
  三成「分かりませぬ、しかし、やらねばならぬのです」…
  大谷「兵を挙げるからには必ず勝つ、その気概無くしてどうする!」
 やがて、大坂に入城、諸将に表明。すぐに家康弾劾状(7月17日付)を書き、全国の大名へ…! さらに大谷と三成は、態度不明の諸大名に加勢を頼む書状を徹夜で執筆! 魂を籠めて! 脚本家三谷幸喜が執筆魂を注入…!
 
7月21日、下野国(今の栃木県)犬伏にて、真田親子だけで密議。
このドラマでは、親子3人そろって徳川対上杉の合戦中に割って入って家康を討つ…という手はずだったところに、石田・大谷挙兵の一報が! まだ徳川・上杉の実戦が始まる前だったので、計画が狂ってしまいました。
父・昌幸は2大勢力の長期対立が続くと見て、漁夫の利的な勢力拡大を狙いますが…。信繁「夢物語はもう終わりにしてください!」真田の親子会議、紛糾…!
 
 



 ドラマがもっと楽しくなる!
大河ファンのために(=^^=)
【のんびり家康、素早い毛利】
 徳川家康上杉攻めのために大坂城を出立したのは、慶長5(1600)年6月16日です。江戸城に着いたのが7月2日で、同月7日に城内に諸将を招いて饗応しています。この時、会津への出発予定日を7月21と決めました。まだ半月もあり、ずいぶんのんびりしてます。抵抗勢力よ、さぁ早く挙兵してくれ…という感じでしょうか。
 
石田三成のほうは、7月11日に挙兵。すると、淀殿(茶々)と豊臣奉行衆が動転し、毛利輝元や、家康にも上洛を求めました。安芸国の広島にいた輝元は、同月15日に船で出発し、翌16日に大坂城に着きました。この時にはもう奉行衆は三成の説得を受けて同心し、輝元もすぐに総大将を引き受けました。このあたり、慎重で腰が重い印象のある毛利家にしては、けっこう素早い対応に思えます。
 
【三成書状に昌幸怒る!】
 徳川家康に対し、7月17日付で、弾劾状が出されました。これが、「内府違いの条々」と題された書状です。「太閤様の置き目(遺言)に背いている」などと追及し、13カ条にわたって家康の非をとがめる内容でした。60人以上の大名にあてて出されました。真田親子にも出され、7月21日、下野国(今の栃木県)佐野の犬伏にて受け取り。
真田昌幸は返書を出し、挙兵の事前相談が無かったことを非難したそうです。挙兵そのものを非難したわけじゃないのが、いいですね()
 
【三成の大計画「関東仕置き」】
 怒りの返書が近江国(今の滋賀県)佐和山城の三成に届いたのが、7月27日。三成は同月30日付で、昌幸への謝罪と、現状について書き送っています。その中で三成は、上杉攻めに出た豊臣大名達が帰国に移りつつあるとし、これからその軍勢を尾張・美濃で足留めして「秀頼様に忠節を誓うかどうか」をそれぞれ確認した上で通す…と記しています。
 
どうも三成の当初の見通しはかなり甘かったようで、豊臣系大名が向かってくるのを、帰国嘆願・人質授受のためだと思っていたらしいです。
さらに、「関東御仕置」と称した家康討伐を実施する予定で、西国の大軍勢をまず近江に駐留させる、兵糧米手配も行なった…などと報告しています。
この時点では、三成は家康攻めの時期を、この年の暮れから来年明けだと想定していたようです。「関東仕置き」などと言っているところを見ると、秀吉による北条攻めの時のような、堂々たる大討伐を考えていたのかも…?
 
【昌幸、恩賞つり上げる!】
 書状のやりとりは続き、まもなく恩賞が話題になりました。三成が出した8月5日付の書状では、真田家に小諸(こもろ)・深志(ふかし)・川中島・諏方(すわ)を一任する…となっていて実質信濃1国を提示していました。が、すれ違いで届いた昌幸からの書状には、信濃だけでなく甲斐1国をも要求する趣旨が! しかも、もう確定していた長男・信幸の徳川軍参加は、まだ伏せてありました。三成が挙兵の事前相談をしなかった時は怒ったくせに、自分の都合の悪いことになるとギリギリまで伏せるという、昌幸のしたたかさがよく分かります。
 
まもなく昌幸は信幸の件を明かしましたが、大垣城(岐阜県)に入った8月10日付の三成からの書状には…。真田家による信濃・甲斐2カ国の「御仕置」を、毛利輝元などの主要面々も承認した…という、めでたい知らせが記されていたのでした。
 
さて、徳川方の軍勢は、福島正則の居城である清洲城(愛知県)集まりつつありました(8月14日集結)。しかし、家康は8月いっぱい、江戸を動きません。
なお、徳川方についた大名が90なのに対し、石田・毛利方は109家…!
意外と拮抗…、石田方が優勢のようにも見えます…!
 
  ~主な参考文献~
編:阿部猛・西村圭子『戦国人名事典 コンパクト版』(新人物往来社)
平山優『真田信繁 幸村と呼ばれた男の真実』(角川選書)p.110~、118~、121125129
編:小林計一郎『[決定版]真田幸村と真田一族のすべて』(KADOKAWA)p.64~、280303
本郷和人『戦国武将の明暗』(新潮新書)p.27
「週刊 再現日本史」織豊10(講談社)
「歴史人」No.692016年9月号(KKベストセラーズ)p.54
 
 

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コメント

No title

天下分け目の決戦に着々と布石が打たれてますね。

犬伏の別れの親子3人のシーンは素晴らしかったです。
くじを一瞬だけ見せる演出とか うまいですよね^^

No title

親子3人のシーンは圧巻でしたね^^

ドラマで家臣に何を投げたのかが気になる^^

ALL(*´∀`)ノ★ぽち

No title

こんばんは。
親子三人の話し合いは濃かったですし、とても良いシーンになりましたね。
ドラマ的には上田城での戦いがメインで描かれると嬉しいです。

No title

☆ばねぱんさん
ナイス!もどうもありがとうございます(=^▽^=)
天下分け目、それぞれの大名が何を思って敵・味方に分かれることもあるのか、緊張の犬伏のシーンでしたね(^ ^)

ぼくはその前の、大谷吉継の執筆魂に心を奪われてしまいました(^-^) 大谷は言わば官僚タイプだけど、筆一つでかなり状況を変化させることができるかもしれない…その覚悟を見せてもらえたようで熱いものを感じました…!

くじのやりとりとか、ほんと、今までのネタをうま~く引っ張って緊迫したシーンに混ぜ込み小出しにするのがうまいですね(^∇^)

No title

☆栞さん
ALLぽちどうもありがとうございます(=^▽^=)
真田一家、ついに腹の底から今後の見通しを含め論戦! 当時でもなかなかなさそうな状況のように思えるので、余計エキサイトしました…!

のぞいた家臣…、
かなり高速でぶつけられてたのでよく分かりませんでしたが、竹筒のようなもの(?)に見えたような気もしました。でも全然違うかも(^ ^ゞ

No title

☆ハニー先輩さん
真田家の犬伏の密議、濃密でしたね…!
そうですね、ドラマではきっと上田合戦が中心になって、本戦は要所しか出てこないかもしれませんね。
期待大です…!

No title

挙兵のタイミングで毛利輝元が秀頼を奉じて上洛し、帝を押さえて西軍の後詰として出張っていれば、歴史は大きく変わっていたでしょうね。ここ一番で日和った豊臣家が、自らの滅亡を決定づけたという皮肉、歴史とは不思議なものですね。ALLポチ☆

No title

☆越前屋平太さん
ALLポチどうもありがとうございます(=^▽^=)
毛利家の動向は、本当に残念なところがありますね。
一般的に輝元に野望が無かったとか才気がたりなかったとか言われますけども
総大将を引き受けておいて、
家康に許されるとほんとに思っていたのかどうも不思議ですね。
吉川広家と小早川秀秋…、なんとも哀しい両川の戦後です。
豊臣家はただもう家臣同士の争いだから
勝手にやってろ とでも思ってたんでしょうかね(笑)

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ご訪問ありがとうございます(^-^)
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①大河ドラマや歴史の話題、②猫観察、③映画鑑賞、
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そして、友情・人情・心意気です!

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清水しゅーまい
【著書】
『車猫が出てきた! ~ノラ猫の秘密~』2018年(東京図書出版)
『八っつぁんの落語一代記 噺家の来た道、日本の来た道』2015年(彩流社)
このブログを含めてcopyrightは清水しゅーまいです。
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