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真田丸:傑作!仮装大会での秀吉没落/バカ演じ家康

大河ドラマ『真田丸』
 第26回「瓜売(うりうり)」作:三谷幸喜
【朝鮮攻めではなく仮装大会で秀吉没落を描いた斬新脚本!】
 時は天正19(1591)年、真田昌幸(草刈正雄)は数え年45歳、長男・信幸(大泉洋)26歳、次男・幸村こと信繁(堺雅人)は推定21(1571年生まれ説の場合。従来説は1567年生まれで+4歳)
 

8月、天下人になったばかりの豊臣秀吉(小日向文世)茶々(淀殿竹内結子)息子・鶴松がわずか3歳で病死。

12月、秀吉は関白職を甥(おい)の豊臣秀次(新納慎也)譲りました。秀次は当時24歳。秀吉は、関白を子(養子)に譲った者の称号である「太閤(たいこう)になったのでした。
 
年が明け、秀吉は(みん)国・朝鮮攻め、いわゆる「唐入(からい)り」を始めます。
その真意は、「人は仕事が無いとロクなことを考えない。だから、人に仕事を与える。太平を引っ繰り返そうなどと考える者はいなくなる!」
 一理あります。それに、当時の明国も朝鮮も、支配階層の硬直・劣化・腐敗が進んでいて、民心が離れ、打倒のチャンスでした。でも、秀吉は、日本国内戦の時のような戦略構想の明示や、緻密な工作活動を怠ってしまいました。
 
で、肥前国(今の佐賀県と長崎県のあたり)に築城された名護屋(なごや)にて、
「やつし比べ(仮装大会)」開催! 聞き慣れない言葉ですが、「身をやつす」の「やつし」なのでしょうね。歌舞伎では、わけあって没落した人や、実は金持ちの息子だったりする人物を、みすぼらしい姿で演ずることを「やつしごと」と言うそうです。
 
なんでも楽しむ昌幸は、「瓜売り」になりきり練習に励みますが、なんと、太閤殿下と出し物が重なってることが判明。しかも、昌幸のほうが数段上手…! 信繁の連絡で密かに視察にきた片桐且元(小林隆)は驚き、「太閤殿下に恥をかかせるだけだ…! 安房守殿、もっと下手にできませぬか!」※下の欄に徳川家康の場合を書いときました~
 
真田家のメンツをかけて昌幸は瓜売りに固執。ついに思い切って秀吉当人の前で瓜売りを演じてみせ、実力の違いを知らしめるという荒技に出ました! しかし、自分の力量を客観視できず、自信満々の秀吉…!
 信繁が父・昌幸につぶやく、「殿下は、己を見失っているようです…」
 
 秀吉の凋落(ちょうらく)を、朝鮮攻め失敗からではなく、仮装大会で笑い(と真田無念の涙もw)の中に描くとは()
歴代大河の中でも、こりゃレジェンドかも…!?
  次回放送は参院選挙の影響で午後7:10
 
 



 ドラマがもっと楽しくなる!
大河ファンのために(=^^=)
【バカを演じられる家康こそ本当の達人…!】
 「やつし比べ(仮装大会)」の話は私はまったく知りませんでした。
でも 似たような話を知っているので、それを書いておきます。能楽(猿楽)大会の話です。
いつのことなのか分からないのですが、聚楽第で開催されたらしく、天正15(1587)年から文禄4(1595)年の間のできごとです。
 
この話の主人公は、徳川家康です。そして、今回のドラマの真田昌幸とは、正反対の行動を採りました。
家康は、「船弁慶」という演目の源義経を演じたのですが、一般的な義経のイメージとまるで違って太っているし、動作もドタバタしていかにも素人っぽい。ほとんどの観客は大笑いして見ていました。
 
ところが、石田三成、加藤清正、黒田長政たちは、見抜いていました。
どうも家康は、本当はそれなりに上手に演じられるはずなのに、あえてヘタなふうに演じていたようなのです。しかも、わざとらしさを感じさせないヘタさが絶妙で、観客は笑いたくなってしまう。皆を笑わせようとして空気を読んでそうしているのか、秀吉にコビるためなのかは分からないが、とにかくこれほどバカをうまく演じるとは油断ならぬ…。
…と、そんな話です。
 
一方、同じ能楽大会で、信長次男の織田信雄や、信長の弟の織田有楽(うらく)はたいそう見事に演じたそうです。特に信雄は武将としての評価は極めて低いのですが、能楽は達人の域だったと言われております。信長の「舞い」の才能だけを継いでしまったんでしょう。
 
 
【秀吉がハマッて能楽復活!秀吉自ら演じる「太閤能」も創作】
 戦国時代は能楽(猿楽)の業界にとっても、非常に厳しい世の中だったらしいんですが、
秀吉がハマッてくれたお蔭で、一気に盛り返しました。
 
この業界には当時、観世(かんぜ)・宝生(ほうしょう)・金春(こんぱる)・金剛(こんごう)の、
「大和猿楽四座(やまとさるがくしざ)という4つの座があって、
特に金春座の暮松(くれまつ)新九郎という能役者が、大きな役割を果たすことに!
文禄2(1593)年2月、肥前の名護屋城太閤秀吉がヒマをもてあましていた時に、金春座の暮松が能の稽古を奨めたのです。
 
それまで、能を見たり興行したりの経験はあった秀吉ですが、きちんと稽古したことまではありませんでした。能の演目の中で最初に演じられることの多い「弓八幡(ゆみやわた)」の稽古を受けたところ、金春の暮松の指導がよかったのでしょう、秀吉は熱中してしまいました。
4月には名護屋城の本丸にて能会を開催、たっぷり稽古した「弓八幡」を披露。
のちに、大和猿楽四座それぞれに1000石の知行を与えました。
10月になると、調子に乗って今度は宮中で能会を開催! 後陽成(ごようぜい)帝も観覧するなか、秀吉は「弓八幡」から始め、新しく憶えた演目も含めて全12番を披露しました。
 
この会では、秀吉の他に家康織田信雄も出演したそうで、先に書いた家康「船弁慶」の話は、「聚楽第」と「宮中」の違いがありますが、もしかするとこの時の話なのかもしれません。
さらにまだまだ出演武将がいて、前田利家蒲生氏郷(がもう・うじさと)宇喜多秀家小早川秀秋(当時は豊臣秀俊)織田秀信(清洲会議の三法師)などが演じたとのことです。
 
能好きに拍車がかかった秀吉は、御伽(おとぎ)衆の大村由己(ゆうこ)に命じ、自分自身の一代記をテーマにした新作の謡曲「吉野(よしの)花見」「高野(こうや)参詣」「明智討ち」「柴田討ち」「北条」をつくらせました。これらは「太閤能」と呼ばれています。そして、秀吉は金春太夫(だゆう)から舞いの指導を受け、文禄3(1594)年3月15日、大坂城本丸で自ら演じたのです。
太閤殿下は、自己顕示欲が高く、こり性だったようですね。
 
  ~主な参考文献~
編:阿部猛・西村圭子『戦国人名事典 コンパクト版』(新人物往来社)
監:尾崎秀樹『戦国百人一話Ⅱ 豊臣秀吉をめぐる群像』(青人社)p.185
「週刊 再現日本史」織豊8(講談社)p.2930
 
 

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コメント

No title

ほんとにもう言い尽くされた部分はカットすばらしい三谷の演出は今日も健在。売りうりははらはらしましたね

ないす解説です
ないす

No title

「やつし比べ」は昭和では司馬遼太郎の小説で紹介されてるし、近年では「へうげもの」って漫画でも紹介されてます。
でも当時は「やつし比べ」と呼んでたのは知らなかったです^^

能は凄く流行ったみたいで、演じるだけでなくバックで演奏?する方も武将たちは嗜んでいたそうですよ。
秀吉の「太閤能」現代に内容が伝わっているのは極一部らしいです^^

それにしても瓜売をメインにもってくるとは、さすが三谷脚本ですね^^
いい意味で予想が毎回外れてますよ(笑

ALL(*´∀`)ノ★ぽち

No title

☆みっちゃんさん
ないすどうもありがとうございますp(^ ^)q
瓜売りってなんだろうと思って見始めましたが
ユーモアいっぱい、役者陣の表現力も豊かで
とても面白おかしかったですね(=^▽^=)
ありきたりな秀吉批判はほとんど無しで
潔さと
三谷脚本の強さを今回も確認できました♪

No title

☆栞さん
ALLぽちどうもありがとうございます(=^▽^=)
司馬遼太郎作品に出て来るくらいですと
信憑性ありますね(^-^)
貴重な情報ありがとうございます♪

能楽(猿楽)については
書き方がまずかったかもしれないです、
能楽はそれなり流行っていたんでしょうが
業界人がそれによって食べていけるかどうかは意外と別問題で
戦国時代・明治維新・太平洋戦争敗戦期の3時期が
能楽史上の3大危機だったらしいんです。
大内や北条、家康など、大パトロンもいるにはいましたけど
それでも恐らくは
トップの人しか食べていくのが難しかったってことかな?…と思ってます(^ ^)
記事に書いた秀吉による1000石認定があって、
ようやく生活安定したのでしょうね~(^∇^)

瓜売り、
なんかしょうもない息抜きの回?なんて想像して見始めたら
すごく面白かったですね(=^▽^=)!

No title

ああー一周見そびれました・・北条滅亡しか見て無くてNICE

No title

☆ぎいさん
NICEどうもありがとうございます(=^▽^=)
北条滅亡はご覧になりましたか(^-^)!
その後、パッとしない暗い話になるかと思いきや…、
面白路線を進撃中ですよ…!
もしまた見る機会ありましたら、ぜひどうぞ(^∇^)

No title

今回は本当に傑作でしたよね~! このところシリアスな回が続いてたのですが ガラッと雰囲気かえてましたし。仮装大会のエピソード掘り起こして使うセンスは三谷幸喜脚本ならではでしたよね~!

No title

☆ばねぱんさん
面白かったですね~!
秀吉の晩年に入ってきて、重苦しくなってきたら残念だなぁ
と思ってたら、すごく面白おかしい展開でしたね…!
B級エピソードを工夫して、あえて後半の第1回にもってきたのは
三谷脚本の強みと独自性を感じる構成でした(=^▽^=)!

No title

こんばんは。
能って秀吉さんのおかげで盛り返したのですね、知りませんでした。

一般のイメージだとおかしくなった秀吉が海外出兵をしたって感じですが、
今回は秀吉はしっかり理解してるところが新鮮でよいですね。
戦がなくなると駄目だというし、また海外での苦戦が知らされると
もう既に味方の士気が落ちているのも気づいている場面とか良かったです。

あと今週もおばば様が亡くなる番でしたが、ばば様も見せ場たっぷりに亡くなりましたね。

No title

☆ハニー先輩さん
能楽師は足利幕府が強い頃は安泰だったんですが
戦国乱世で業界トップでさえ食べていくのが難しくなって、
大内やら北条やら、京の都からは遠いけども
それなりの大名のもとへ移動したそうです。
秀吉が強力な中央政権作りに成功し、
能にハマッたお蔭で
能楽師は安定収入を得られるようになりました(=^▽^=)

おっしゃるように 秀吉が目的をもった上で出兵し
形勢悪化や士気低下を認識していて
それを性格の明るさで払拭しようというのは
見応えあるし説得力感じましたね…!
ばばさま、ずいぶん元気なまんま亡くなって
うらやましいくらいの逝き方でしたね!

No title

☆2016/7/7(木)午後2:27さん
見れませんでしたか!残念ですね(*_*)

リンクをクリックしたら
猫が出てくるかと思いきや
別の生き物だったので
ちょっと驚いたんです(笑)

No title

しゅーまいさんがこんなに褒めるのは珍しいですね(笑)

しかし、重くなりそうになる所であの親父ギャグ的な真田親子3人が雰囲気をぶち壊してめっちゃ面白い!

しかも昌幸のうーりうりは本当に上手でしたね~
噴き出しました(笑)

名護屋城って昔の名古屋城のことだと思ってました。
思い込みは恐ろしい(~_~;)

オールポチです☆

No title

☆Parlさん
オールポチどうもありがとうございます(=^▽^=)
いちおう、誉めてイチャモンもつけて…というのを基本方針にしてます(笑)
でも実際、『真田丸』は
心情の描き方や人間関係の構図が
丁寧だったり多面的だったり
とても刺激的だと思います(^-^)
笑いどころ、ギャグはもう、お手のものの三谷脚本だし
ますます面白さに磨きかかってる感じですね…!
瓜売り演技のうまさなどの
ドラマの本質と特に関係無い部分も手を脱かない脚本と役者魂、
見ものですね(笑)

名護屋、Parlさん、鋭いですよ!
愛知県の名古屋も、一時期は名護屋と書かれた時代があって
もっと古くは那古野だったんですよ(^ ^)
まぎらわしいので、朝鮮攻めのほうの名護屋を言う時は
たいてい「肥前名護屋」と言われてます^ ^

No title

瓜売りのくだりは漫画『へうげもの』では秀吉晩年の大きなポイントとして出てきますね。大好きな「瓜畑あそび」を終えて亡くなるというストーリーだったのですが、『真田丸』でも瓜畑あそびを一つの転機として描いていることに興味を覚えました。三谷さんも『へうげもの』を参考にしたところがあったかもしれませんね。ナイス!

No title

☆越前屋平太さん
ナイス!どうもありがとうございます(=^▽^=)
『へうげもの』、
瓜売りをそんな重要な場面にしているんですね!
それは驚きです。
まんが、昔は大好きだったのですけども
たいてい何十巻も続くので
集中力と財力がもたなくて
ほとんど読まなくなってしまいました(^ ^ゞ

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清水しゅーまい
【著書】
『車猫が出てきた! ~ノラ猫の秘密~』2018年(東京図書出版)
『八っつぁんの落語一代記 噺家の来た道、日本の来た道』2015年(彩流社)
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