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「真田丸」敵対した家康陣営に…真田ら気まずい大名

大河ドラマ『真田丸』
 第18回「上洛」作:三谷幸喜
【信長を超えた秀吉を脅す…!】
 時は天正14(1586)年、真田昌幸(草刈正雄)は数え年40歳、長男・信幸(大泉洋)21歳、次男・幸村こと信繁(堺雅人)は推定16(1571年生まれ説の場合。従来説は1567年生まれで+4歳)
 
1219日、関白秀吉(小日向文世)太政大臣に補任され、豊臣の新姓を勅許されました。
ついに信長公を超えたんじゃ! …と表面上は大喜びの秀吉ですが、本心は「官位がなんじゃ。…信長公が果たせなかったことを引き継ぐ。望みはただそれだけ」なのでした。
 
年が明けて2月、ようやく真田昌幸・信幸の一行が大坂に来ました。
信繁が秀吉の偉大さを語ると、兄・信幸は、
「戦場で暴れまくる日はもう来ないのか。…我らは生まれてくるのがいささか遅過ぎたのかもしれんな」
 秀吉没後の動乱など予想だにできない当時の武将は、そんな感慨をもったのかもしれません。
 
さて、秀吉は真田の目通りの儀を、(おい)の秀次(新納慎也)に任せっきりで、まったく顔を見せませんでした。“ないがしろにされた”と憤る昌幸・信幸。
その怒りをもっともだと思った信繁は殿下を脅し、なんとか謁見を実現。
しかし、豊臣新体制のもと、真田は宿敵徳川家康(内野聖陽)の与力(よりき)になるよう命じられてしまったのです。
 
最後に、第6話で断崖絶壁から海へと落下し、すべてを忘れてしまった信繁の姉・松(木村佳乃)が、記憶を取り戻しました。家族の顔を見ても思い出話を聞いても何の記憶も蘇らなかったのに、かなりしょうもないことをきっかけに一気に回復()…。三谷作品らしい落ちでした~。
 
 



 ドラマがもっと楽しくなる!
大河ファンのために(=^^=)
【秀吉、味方についた信濃国衆を家康に押しつける】
 今回のドラマで、秀吉はようやく臣従してくれた真田を、徳川の与力(よりき=配下)大名にしてしまいました。真田と徳川は、丸一年ちょっと前に上田合戦で激戦を繰り広げたばかりで、それどころか再決戦を視野に、つい先日まで駆け引きしていた間柄です。
ドラマでは、労せずして真田を与力にしたと、家康が高笑いしていました。
 

実際もそうだったのかもしれませんが、しかし、“あの真田が本当に素直に与力として収まるのか…?”と不安になる…というほうが、ありそうな感じがします。

というのも、真田と一緒に、徳川の与力大名にされた信濃国衆がいたのです。
彼らの経歴を見ると、与力として信用できるのか、不安がよぎります。
具体的に名を出すと、木曾義昌小笠原貞慶(さだよし)です。
 
木曾義昌は今までに『真田丸』にも出てきました。信玄の娘を妻としながら最後に武田家を裏切り、そのあと家康に付いていた時期があったものの、小牧・長久手合戦にからんで秀吉の調略に応じ、家康を見限った…というクセ者です。
 
【流浪の日々から救ってくれた家康を裏切った小笠原】
 小笠原貞慶は、もと信濃守護・小笠原長時の嫡男です。実はこの人、あの石川数正の出奔に関わっています。貞慶の父・長時は武田信玄に敗れ、やがて上京して足利13代将軍義輝に弓や馬を教えていたらその将軍が攻め滅ぼされてしまい、さらに上洛してきた織田信長に敗れ、上杉謙信を頼るも謙信が亡くなったのでやむなく今度は会津の蘆名(あしな)を頼りましたが、哀れにも家臣に殺害されてしまった…という大変数奇な経歴の持ち主。
 
で、貞慶は家康のお蔭で悲願の旧領・松本城帰還を実現することができたのですが、天正の上田合戦で徳川軍が形勢不利になると秀吉の誘いに乗り、真田攻めに出陣中の保科(ほしな)正直の高遠城を襲撃(結果は敗戦)。これに動揺したのが、石川数正です。彼は小笠原の指南役も務めていたからです。ただでさえ秀吉との外交も任されて頭を悩ませていた時にまた一大事が勃発し、見方によっては、小笠原の謀反が決め手となって数正は出奔したとも考えられるのです。
 
【秀吉の狙い…気まずさと慣れない新領地で統治失敗…()
 このように、真田も木曾も小笠原も一クセ・二クセある面々で、味方にするには不安があります。三者とも絶妙な時期に家康と敵対した前科があり、しかも木曾と小笠原は、早めに家康に味方していた保科と険悪な仲なのです。
状勢によって主君を替えるのは戦国の常。しかし、そんなのを与力として従えるほうはたまったもんじゃありません。与力になるほうも、肝が据わったやつらとはいえ、多少は気まずさを感じていたことでしょう。
 
秀吉はそれらの事情をよく踏まえて、不穏分子として送り込んだのかもしれません。
また、信濃の国衆は、他国の国衆と比べてかなり規模が大きく、大名級の者が多い点も重要です。小田原合戦のあとの関東国替えの際、木曾も小笠原も保科も、信濃時代の規模を考慮されて大名になっています(同じ旧武田家臣でも、甲斐の国衆は規模が小さく、大名になれたのは一人もいません)。家康の立場からすると、まったくの新領地で彼らを操縦していくのは困難だったろうと思われます。
家康は器量が優れていたので、結果的に信濃出身大名の統率にも成功しましたが、
秀吉の狙いは徳川の内部崩壊にあったのではないでしょうか。。。
 
  ~主な参考文献~
平山優『真田信繁 幸村と呼ばれた男の真実』(角川選書)p.38~、4172~、81~、326
編:阿部猛・西村圭子『戦国人名事典 コンパクト版』(新人物往来社)
編:小林計一郎『[決定版]真田幸村と真田一族のすべて』(KADOKAWA)p.54
歴史群像シリーズ11号「徳川家康」(学習研究社)p.85
『ブリタニカ国際大百科事典(小項目電子辞書版)(Britannica)
 
 

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コメント

No title

自分は単純に秀吉の家康への嫌がらせだと思ってました。

こんな連中に与力されても獅子身中の虫になりそう(笑

ALL(*´∀`)ノ★ぽち

No title

こんばんは。
家康の与力となったのも、この後の展開のことを考えると、昌幸さんが家康に敵対する
お話の伏線にもなっていそうです。

No title

この時代のお話が面白いのはそーゆー大人の思慮遠謀が張り巡っされる。そして駆け引きがうまくいき台頭したかと思うと没落という物語性かもしれませんね
三谷脚本本領発揮というとこかな先週体調不良で見られなくて土曜日も見られなかったので録画してあります今日までに見ないといけないです。でも楽しみな1話ですね
今日も楽しそうですいつも解説ありがとうございますより理解が深まります、ナイス

No title

お久しぶりです。
「国衆」と「大名」は違う、という任認識が、世間一般の視聴者に浸透した成果がこのドラマかと想います。奥州の大名も、伊達、最上、南部、秋田以外は「国衆」レベルだったと思いますね。しかし国衆という表現を当時現場で使っていたかどうかは知りません。

No title

☆栞さん
ALLぽちどうもありがとうございます(=^▽^=)
秀吉はいろいろ
おだてたり、したてにでたり
うまいこと乗せておきながら
まんまと面倒事を仕込んできますよね(笑)
クセ者を与力として押しつけられても
家康、一度臣従を決してからは
耐えがたきを耐えたのが並々ならぬところですね(^-^)

No title

☆ハニー先輩さん
そうですね、
家康の与力として何かトラブルに巻き込まれたり
軋轢が生じるのでしょうかね…!?
徳川と真田、
そして真田親子の進む道が
どうなってゆくか期待ですね(=^▽^=)

No title

☆みっちゃんさん
武将の迫真の駆け引き、
特にこの時代は有力大名が対応を間違って
いきなり改易なんてことも出てくるので
本当に波乱の物語ですよね(^∇^)
みっちゃんさん、体調は回復なさったんでしょうか
無理なさらずに、お元気な時に見てくださいね(^ ^)

No title

☆kazunn2005さん
おぉ…、久々ですね!
そういや、このまえSさんに会ってきましたよ!
そのうちブログ記事にする予定です(^-^)

国衆という言葉も広まって、
大河もだんだんマニアックになってくるのでしょうかね~
国衆、国人、国侍、国民…
などと呼び方がいろいろあったらしいですが
ぼくはちゃんと史料を読むプロじゃないので
本当のところは分からないです。
実用されていた言葉かどうかってのは大変興味深いテーマですね
例えば、幕府という言葉は、
当時使用されていなかった…と聞いたことありますよ。

今度連絡します~(^ ^)

No title

さっき 今週分見ちゃいました…真田家見てきましたまだ
画像整理できないけど。。。NICE

No title

まさに昨日の敵は 今日の友って感じですよね~! 戦国の大名たちは一癖も二癖もありそうな強者揃いですから なかなか心底から信用はできなかったとは思いますが。

No title

「獅子身中の虫」とは、栞さん うまいこと言いますな…

No title

☆ぎいさん
NICEどうもありがとうございます(=^▽^=)
BSがあるんですね。
うちは質素倹約して見れないので残念です。
真田家をご覧になったのですか!
それはうらやましいです(^ ^)

No title

☆ばねぱんさん
まだまだ下剋上が続いているし
敵味方の入れかわりや立場の逆転が激しくて
なかなか心を許すことができなそうですよね。
そんな中で信繁がどんな武将に成長してゆくか
注目ですね(^-^)!

No title

☆Sophiaさん
獅子身中の虫…なかなかパッと出てこない言葉ですよね!
なんかかっこいい言葉ですね(^ ^)
寄生虫という言葉なら思い浮かぶんですが。。

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ご訪問ありがとうございます(^-^)
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①大河ドラマや歴史の話題、②猫観察、③映画鑑賞、
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そして、友情・人情・心意気です!

猫愛好家のフリーなライターです

清水しゅーまい
【著書】
『車猫が出てきた! ~ノラ猫の秘密~』2018年(東京図書出版)
『八っつぁんの落語一代記 噺家の来た道、日本の来た道』2015年(彩流社)
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