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「花燃ゆ」再婚/毛利の殿様、日本初の私鉄に出資

大河ドラマ『花燃ゆ』
 第49回「二人の再婚」作:小松江里子
【ようやく初恋成就 ~ 鉄道建設&鹿鳴館外交】
 1883(明治16)年、久坂美和(井上真央)は数え年41歳、楫取素彦(大沢たかお)55歳。
美和は山口県萩に一時帰郷しました。実家である杉家の門前で、辰路(たつじ 鈴木杏)秀次郎(大八木凱斗)母子と合流。辰路は、美和の亡き夫・久坂玄瑞が京都で世話になった女性です。その辰路と玄瑞の間に生まれたのが秀次郎で、このたび彼が正式に久坂家を継ぐことになり、一連の報告・挨拶を杉家の人々にしたのでした。
かつての美和は辰路に複雑な思いを抱いてましたが、
今回は「ありがとあんした。久坂の子を遺してくれて…」と礼を言えるまでに。。

そして、美和は懸案の素彦との関係について、母・滝(檀ふみ)に相談しました。強く背中を押された美和…ですが、気にかけていることがありました。前橋に戻り、亡き夫とやりとりした手紙を密かに燃やそうとしていると、ちょうどそこへ素彦が!「…私が寿(ひさ=前妻)を忘れんように、おまえも久坂のことを忘れられるわけはない…。これは、ずっと持っておればえぇ」そんで求婚、5月に再婚となりました! 実に長大な初恋成就の物語なのでした(^ ^
 
さて、楫取素彦たち群馬県庁の人々は、前橋までの鉄道建設をどう進めるかで頭を悩ましていました。政府は建設許可を出したものの、西南戦争での大出費でいまだに苦しんでおり、国庫負担を断わってきたのです。素彦は、かつての自分の主君で現在は第15国立銀行の頭取を務めている毛利元徳(もとのり 三浦貴大)に支援を仰ぎました。
やがて、元徳のつてで、政府の社交場「鹿鳴館」から楫取夫婦に招待状が届きました。
「夜会に参加する有力者達に掛け合って、鉄道建設を支援してもらえ」という、元徳の計らいです。
こうして、美和は素彦と、夫婦揃って鹿鳴館デビューすることに♪
 
次回、大団円へ、
とうとう最終回です!
 
 



 ドラマがもっと楽しくなる!
大河ファンのために(=^^=)
【毛利の殿様、日本初の私鉄に出資】
 今回、鉄道の話が出てきたので、時代背景を書いておきたいと思います。

明治新政府は当初、華族・士族のために、生活費となる秩禄(ちつろく)を支給していました。秩禄は政府財政に重くのしかかっていました。そこで、政府は段階的に「秩禄処分(支給縮小~廃止)」を進めたのです。
1876(明治9)年には秩禄処分の最終段階として、最後の現金(一時金)・公債(こうさい)支給が実施されました。こうして、華族・士族は、自活していかなければならなくなりました。これは、その後の生活を不安視した不平士族による「萩の乱」や「西南戦争」の大きなきっかけとなります。
不平士族は内乱時に鎮圧されたり、あるいは「自由民権運動」という名のもと反政府活動を続けたりしました。
 
一方で、明治の世に適応しようとした華族・士族ももちろんいて、裕福な場合は国立銀行や鉄道会社に投資して、実業家へと華麗な転身を遂げたのです。ただ、そううまくいった例はあんまり多くなく、たいていは不慣れな経営で「士族の商法」と呼ばれ、失敗に終わってます。そもそも、士族のうちでも裕福ではない人々は、投資などできず自分が労働者になるしかありませんでした。
 
さて、ドラマに出ている最後の長州藩主・毛利元徳(もとのり)は、幸運にも最も裕福な華族でした。1877(明治10)年には15国立銀行の頭取に就任して、その年に勃発した西南戦争で明治政府の戦費調達に大きな役割を果たしました。そして、1881(明治14)年、日本最初の民営鉄道会社(私鉄)と言われる日本鉄道会社の設立にあたって、毛利元徳と第15国立銀行は豊富な資金を提供したのです。同社は元 徳島藩主・蜂須賀茂韶(もちあき)の呼びかけによって立ち上げられたもので、毛利の他に、元 尾張藩主・徳川慶勝や元 越前藩主・松平春嶽(しゅんがく)、元 伊予 宇和島藩主・伊達宗城(むねなり)なども協力者として名を連ねています。彼らは秩禄処分時の公債を活用し、出資したのです。
 
日本鉄道会社は1883(明治16)年、最初の営業路線として上野(東京)~熊谷(埼玉)間を完成させ、営業スタート翌年には、高崎(群馬)~前橋(群馬)まで路線を延ばしています。ドラマで群馬県令・楫取素彦たちが語っていた生糸輸送にも大きく貢献。その後も、1891(明治24)年に青森まで開通するなど、順調に発展してゆきました。
同社の成功によって、民間鉄道への投資熱が高まり、商人や地主などが競うように鉄道会社を設立。まもなく民営が営業キロ数で国営を上回るほどになりました。
しかし、日露戦争戦勝の翌年、1906(明治39)年、当時の第1次西園寺内閣が軍事面を考慮し、主要鉄道会社を買収し全面国有化してしまったのでした。
 
  ~主な参考文献~
福田和也『教養としての歴史 日本の近代()』新潮新書p.60
『日本全史(ジャパン・クロニック)(講談社)
『広辞苑 第5版』(岩波書店) 秩禄処分の項

『ブリタニカ国際大百科事典(小項目電子辞書版)(Britannica)秩禄処分の項

 
 

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コメント

No title

先週は夕食をゆっくり取りすぎ僕も妻も入浴などで見逃してしまいました。

現高崎線毛利氏のおかげなんですね。勉強になりました。ポチ。

美和が女性版松下村塾みたいのを開いてましたが、群馬県は今でも伝統高校は男女別学です。-女子も男子も学校で異性に気を遣わないで良いと今でも不満はないようです。

我が母校は県内で唯一毎年文化祭を行っており、10年近く1万5千人位を集客?しています。東京の小さな大学より多いかも。なんせ高崎駅から送迎バスが運行されます。

No title

こんばんは。
なるほど、鉄道の歴史はそうなってゆくのですね。
国有化→国鉄ですね!

No title

補足 群馬県は普通高校は「○○こう」ではなく、例えば前橋高校は「マエタカ」母校高崎高校は「タカタカ」と呼び、工業高校を「マエコウ」「タカコウ」と呼んでいます。

ちなみに女子校は前橋女子高校なら「マエジョ」高崎女子高校なら「タカジョ」です。

No title

先週も見そびれました
分かり易く説明ありがとうございましたN

No title

毛利家は 明治に入って 高輪に屋敷を持っていましたね。
今は 品川プリンスホテルですね。
長州の皆様は 明治に入っても かなり いい生活が保障されましたね。 それに引き換え、幕府側の方々は、北海道開拓など大変な苦労しています。 これも みな大久保の独裁でしょうか。 ちょっと落差があり過ぎですね。 歴史は残酷です。

No title

こんにちわー
拠らさせていただきました

日向路、快晴ですが下り坂の天候ー予報ー
晴後曇 18℃[-1]~ 7℃[+2]

佳き一日を!

「村」応援お願いで周っております

ぽち×3

No title

☆konkonさん
ポチどうもありがとうございます(^-^)
西の毛利が東日本の鉄道建設に出資していたというのは
おもしろいですよね。

群馬県の伝統高校、今も男女別学ですか、なるほど~。
高校の文化祭で1万5000人の集客数はすごいですね…!
駅から送迎バスまで!
それは盛り上がりますね。ぼくの通っていた都立高は貧弱だったのでうらやましいです(^ ^ゞ

No title

☆ハニー先輩さん
そうなんです、
のちの国鉄となる路線なんです(=^▽^=)
ただ 国鉄と呼ばれるようになるのは
太平洋戦争後に公社化されて日本国有鉄道となってからで、
それまでは鉄道省の経営路線ということで
「省線」という呼び名でした(^ ^)

No title

☆konkonさん
高崎高校がタカタカ…!
それはおもしろいですね。
普通科と工業科で略し方がそれぞれ決まっているのですね。
これを知っているかどうかで
群馬の人かどうか分かりますね(笑)

No title

☆ぎいさん
Nいつもありがとうございます(^-^)
来週はいよいよ最終回なんですよ~(^ ^)

No title

☆花やっこさん
ナイス!ありがとうございます(^-^)
毛利邸が品川プリンスホテルになったんですか
知りませんでした。
やっぱり長州は最高の勝ち組とあって
幅をきかせていたのですね。
幕府側は大変苦労しましたか。。
まったく歴史には残酷な面がありますね…!

No title

☆sekiyaさん
ぽちありがとうございます(^-^)
先ほどブログ拝見させて戴きました(^ ^)

No title

実にくだらい一年間でした。

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清水しゅーまい

Author:清水しゅーまい
ご訪問ありがとうございます(^-^)
 このブログは、
①大河ドラマや歴史の話題、②猫観察、③映画鑑賞、
④裁判傍聴、⑤日本酒など……という感じになっております。
その他、本やテレビ、お気楽な話題に時事問題、
そして、友情・人情・心意気です!

猫愛好家のフリーなライターです

清水しゅーまい
【著書】
『車猫が出てきた! ~ノラ猫の秘密~』2018年(東京図書出版)
『八っつぁんの落語一代記 噺家の来た道、日本の来た道』2015年(彩流社)
このブログを含めてcopyrightは清水しゅーまいです。
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