FC2ブログ

記事一覧

「花燃ゆ」教育の情熱/木戸と憲法/西郷を懐かしむ

大河ドラマ『花燃ゆ』
 第44回「運命の糸つなげて」作:小松江里子
【教育の情熱/西南戦争】
 1876(明治9)年、久坂美和(井上真央)は数え年34歳、楫取素彦(大沢たかお)48歳。
群馬県令の楫取素彦は公教育を根づかせようと奮闘中ですが、勧業課長の阿久澤権蔵(江守徹)らは教育に無関心で、鉄道を引いて生糸輸送を加速しようとしています。美和も生糸工場の女工に文字を教えようとしていますが、阿久澤の妻・せい(三田佳子)に「道楽は困る」と釘をさされるありさま。
 
その年の暮れ、神奈川県令になった野村靖(大野拓朗)が訪ねてきました。吉田松陰の遺書である『留魂録』の原本の一つを、江戸伝馬町の牢名主だった沼崎吉五郎(佐藤二朗)から譲り受け、持ってきてくれたのでした。松陰の熱意を思う素彦と美和。
 
 年が明け、1877(明治10)年。
素彦は自らの足で実地調査を始め、美和は粘り強く女工への教育を呼びかけます。うまくいかない美和は、病床の姉・寿(ひさ 優香)を看病しつつ、こぼしました。「自分達は無理やって初めからあきらめて、母親達がそうやから…」すると、姉にたしなめられました。「そげな上からものを言うようなことを言うてはいけんよ」
 今までなぜか誰も言わなかったことを、ようやくお姉さんが言ってくれました()
そのお姉さん、東京に名医が見つかったとのことで、上京していきました。美和は介護しようとしてましたが、姉から「だんなさまをお願いします」と頼まれ、残ることに。
 
さて、女工のトメ(宮地雅子)がまた借金取りの証文にうっかり判を押してしまい、またもや阿久澤せいに助けられました。それを見て美和、「…このままで本当にえぇんですか。…言わせて戴きます。自分から何かを変えようとせん限り、だめなんです。…自分には無理やって勝手に決めつけんでつかぁさい! …誰でも夢見てえぇんです。でも、そのためには、学ばんと。学んで、考えることが大事です」
 
 その頃、明治政府は、西南戦争に直面していました。
  木戸孝允(東山紀之)「大概にせぃ、西郷!」
 5月21日、15国立銀行が開業し、最後の長州藩主だった毛利元徳(もとのり 三浦貴大)が頭取に就任。大蔵省はこの銀行から戦費を調達しています。
 
 



 ドラマがもっと楽しくなる!
大河ファンのために(=^^=)
【木戸の目標=憲法/西郷との過去を懐かしむ木戸】
 明治維新というと、強大な天皇制国家建設に向かって突き進んだ…というイメージがあるかもしれません。実際は、特にそういう具体的将来像があったわけではありません。ただ、政府要人の個々がそれぞれある程度の志向をもっていました。
 
大久保利通の場合は、官僚による統制国家、内治優先の殖産興業・開発国家。西郷隆盛の場合は、富国強兵・海外雄飛の外征国家です。板垣退助は、公議世論を重視して議会設立を目指しつつ外征も選択肢に入れる議会国家。山県有朋は、帝政ロシアのような軍事大国。人によっては、貿易中心の小国でいい、という考えもあったようです。
そんな中で、木戸孝允(たかよし)は、憲法制定を最大の国家目標に据えていました。木戸はその目標だけに固執することなく、必ずしも気の合わなかった大久保や西郷と、うまく歯車をかみ合わせることができました。
 
同じ長州出身で木戸が後押ししてきた伊藤博文は、維新後、大久保の果敢な決断力と権力掌握に惹かれて薩摩に接近してゆきます。木戸は苦々しく思っていたようです。後世の私達も感じるところですが、当時の人達にとっても、木戸はやや線が細い印象があったのかもしれません。しかし、木戸はなくてはならない人物でした。版籍奉還から廃藩置県の成功も木戸あってのことです。
 
西南戦争の勃発も、木戸は見越していたようです。1877(明治10)年2月の開戦直前、木戸は大久保のもとを訪れ、鹿児島県の不穏について怒りをあらわにし、7時間も激論したとのことです。木戸が日記に書き遺した内容によれば、長州は滅亡の危機を何度も経験し、士族の淘汰が進んだ。薩摩はそれほど危機に見舞われたことがなく、士族が淘汰されず傲慢になっている。西郷は大局を見誤ってしまった。そう書いた上で、木戸は西郷の忠実・少欲・果断を評価し、薩長連合成立の頃を懐かしみ、西郷を失うことを「実に語るに忍びざるなり」と悲しみました。木戸…、意外と人情味あったのです。
一般的には、「東京日日新聞」主筆の福地桜痴(ふくち おうち)の記述が流布しています。まだ西南戦争の激戦中、死の2日前である5月24日に病床にて「西郷、もぅ大抵にせんか」と叫んだという木戸の最期です。享年45
 
薩摩閥は、内治統制国家の大久保路線と外征国家の西郷路線に分裂し、あまりまとまりがなくなります。
一方の長州閥木戸の偉大な点は、その遺志である憲法制定を、後輩の伊藤博文たちが引き継いだことです。一時期は木戸離れした伊藤ですが、しっかり戻ってきたのでした。
 
  ~主な参考文献~
山内昌之『幕末維新に学ぶ現在3』(中央公論新社)
福田和也『人間の器量』新潮新書p.84
半藤一利『幕末史』(新潮文庫)p.427~、483
『日本全史(ジャパン・クロニック)(講談社)
 
 

   ブログ村に参加してます~

 https://tv.blogmura.com/tv_jidai/ranking.html←ブログ村「大河ドラマ」ランキング

 

   ブログラム ランキングはこちらです~(清水しゅーまいページ)

   ↓徳川家康、豊臣秀吉、裁判傍聴、猫など


スポンサーサイト



コメント

No title

こんばんは~~~
昔「飛ぶが如く」でしゅーまいさんの指摘されたシーンがそのまま出てました。私あのドラマ大好きだったんだよね
原作が司馬さんだったのでしっかりとした骨太ドラマでしたけど、こっちは・・・
ALLポチ

No title

こんばんは。
あの借用書の場面で美和が活躍して、それで認められたら納得だったのですが、
なんか消化不良な和解でした(^^;

No title

この文字のシーンはもう2=3回前から予想は付いてましたそうなるんダロウなあって、そのとおりなってもね・・つまらないよね。
明治に激動のとき
それぞれががんばってるようすはよくかんじましたね
ないす
ないす

No title

上から目線。。。
若かりし頃のお姉さまも、妹相手になかなかのもんだったような気もしますが

No title

見てましたよ・いよいよ西南戦争ですね。N

No title

☆とん子さん
ALLポチどうもありがとうございます(=^▽^=)
「翔ぶが如く」の頃は、残念ながら幕末維新史に関心無くて
見逃してしまいました(^ ^ゞ
見応えあったんでしょうね。
今年も司馬遼太郎を原作にしたほうがずっとよかった気するけども
よく事情知りませんが
近頃はオリジナル脚本に片寄ってますよね~

No title

☆ハニー先輩さん
借金取りは何のお咎めもなしで
バクチ好きのだんなも変わらず
美和の説教にみんなが納得してしまうという
モヤモヤの残る結末でしたね~(^ ^ゞ

No title

☆みっちゃんさん
美和が大演説しみんなが納得してしまうという…。
何かもう少し具体的な成果を出して
スッキリした解決を見たかったですね。
意外性もなくて物足りなかったです。
本当に明治の激動を感じられるドラマを見たいですね…!

No title

☆Sophiaさん
優香姉さん、
若い頃は妹相手にかなりイラ立ちを見せてましたね(笑)
体が弱って性格が丸くなって
とうとうだんなを妹に譲る時が来るとは…ww

No title

☆ぎいさん
Nありがとうございます(^-^)
見てましたか(^ ^)!
西南戦争、なるべく詳しく見たいんですが
主人公達が群馬にいるので、難しそうです(^ ^ゞ

No title

そうそう、何故か美和は何時も偉そうなんですよね^^

何と言うか基本の立ち位置が「虎の威を借りてます」状態だからだと思う^^;

大河の主役ってハズレ脚本にあたると、その俳優も嫌いになる^^;
自分は、天地人のせいで暫く妻夫木さんの顔を見たくなくなりました^^;

ALL(*´∀`)ノ★ぽち

No title

☆栞さん
ALLぽちどうもありがとうございます(=^▽^=)
美和、上から目線ですよね(笑)
いつか栞さん書いてましたように
篤姫みたいにもともと身分高い人ならば
そんなもんなのかなぁと納得するかもしれませんが
美和は納得しにくいですねww

天地人、そんなにダメでしたか(笑)!
直江兼続がいつも理屈をこねて自己正当化するところ
嫌でした。でもあまり景勝・兼続のことを知らなくて詳しくなりたかったので
一応全部見ました(^ ^ゞ

No title

廃藩置県などということがどうして出来たのでしょうか。 明治の初めは 激動の時代ですね。 大久保利通の強引なやり方が すべてでしょうか。

No title

☆花やっこさん
「廃藩置県」の成功の背景には
諸藩の財政破綻などがあり、
さらに
木戸孝允の強い意志、
大久保利通の決断、
暴動を覚悟していた西郷隆盛…
と言うように維新元勲が一致して事に当たったことが挙げられると思います。

当ブログの書庫「大河ドラマ」に
「廃藩置県は世界史的クーデター」などと言った記事がありますので
もしよかったら
見てみてください~(^-^)

コメントの投稿

非公開コメント

検索フォーム

プロフィール

清水しゅーまい

Author:清水しゅーまい
ご訪問ありがとうございます(^-^)
 このブログは、
①大河ドラマや歴史の話題、②猫観察、③映画鑑賞、
④裁判傍聴、⑤日本酒など……という感じになっております。
その他、本やテレビ、お気楽な話題に時事問題、
そして、友情・人情・心意気です!

猫愛好家のフリーなライターです

清水しゅーまい
【著書】
『車猫が出てきた! ~ノラ猫の秘密~』2018年(東京図書出版)
『八っつぁんの落語一代記 噺家の来た道、日本の来た道』2015年(彩流社)
このブログを含めてcopyrightは清水しゅーまいです。
 ご訪問のみなさまに幸あれ!
  私にそのおすそ分けあれ…!!

最新記事

カレンダー

11 | 2019/12 | 01
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -

最新コメント

月別アーカイブ