FC2ブログ

記事一覧

「花燃ゆ」製糸場/松陰もからむ征韓論から萩の乱へ

大河ドラマ『花燃ゆ』
 第42回「世界に賭ける糸」作:小松江里子
【祝いの品は返却せよ/富岡製糸場を視察】
 1876(明治9)年、久坂美和(井上真央)は数え年34歳、楫取素彦(大沢たかお)48歳。

美和と姉・寿(ひさ優香)は、初代県令となった楫取の任地である群馬県前橋に着きました。勧業課長・阿久澤権蔵(江守徹)妻・せい(三田佳子)たちが歓待してくれて、上州名物の煮込み麺料理「おっきりこみ」と鯉料理と酒をご馳走になりました。

さて、素彦は着任祝いの品々をすべて返却してしまいます。現代じゃあるまいし、ワイロでもあるまいに当時本当にそんなことしたのかな…?
 
素彦は官営富岡製糸場を訪問。ちょうどその時、水沼村にて民間初の器械式製糸場(水沼製糸所)をつくった星野長太郎(大東駿介)が見学を頼み込んでいるのに出くわし、一緒に見学しました。星野は、外国商人に安く買い叩かれている生糸を世界で直販するための会社を、アメリカで立ち上げたいと言うのでした。素彦は県として支援しようと、県庁の会議にかけますが、「県の金で個人支援とは…」「他に優先事業が…」などと反対意見ばかりで勧業課長・阿久澤も乗ってきません。阿久澤は阿久澤商会の経営もしており、生糸の相場情報に精通している地元有力者。素彦は阿久澤の協力を得ようと、商会に乗り込みました!
星野長太郎とその弟・新井領一郎(細田善彦)、彼に松陰の形見の短刀が贈られたのはハル・松方・ライシャワー『絹と武士』に載っていて実話とのことです。贈り物は返却しないと…()。一方、阿久澤夫妻はどうやら架空の人物らしいです。本物の勧業課長はどんな人だったのか、気になります。
 
なお、今回は美和の弟・杉敏三郎(森永悠希)がカゼをこじらせ急死。聴覚障害のため手話を駆使する姿が印象的でしたが、今さらながら当時手話ってあったのかな…?
 
 



 ドラマがもっと楽しくなる!
大河ファンのために(=^^=)
【松陰もからむ「征韓論」から「萩の乱」へ】
 次回のドラマで「萩の乱」が勃発しますが、『花燃ゆ』ではその前提である「征韓論」問題がスッポリ脱けてるので、少しふれておきたいと思います。征韓論には、吉田松陰も間接的に関係しています。恐らく、『古事記』や『日本書紀』に神功(じんぐう)皇后による三韓(朝鮮)鎮定がフィクションとして描かれているため、松陰はそれを理想としたのではないかと思われます。実は、幕末の志士の間でごく一般的に、征韓論は語られていました。ただし、「征韓論」と言っても、征服の征の意味ではなくて、ペリー来航が日本遠征と呼ばれたような遠征の征の意味、強く言ってもまぁせいぜい砲艦外交のような意味合いだったようです。
 
岩倉使節団が欧米視察に出ていた1873(明治6)年、留守政府の西郷隆盛たちは、隣国・朝鮮に外交関係の締結を求めていました。しかし、その頃の朝鮮は鎖国政策をとっており、交渉を拒絶してきました。しかも、かなり無礼な態度であったようです。板垣退助らは強硬に出兵を主張し、太政大臣の三条実美(さねとみ)も日本人居留民の保護を目的に出兵すべきだと言いました。西郷は派兵に反対しましたが、自らを朝鮮使節として日朝交渉を行ないたいと語りました。西郷は暗殺される覚悟でした。それで交渉が決裂すれば、開戦の大義名分がととのう…とまで考えていたのです。8月、閣議で西郷派遣が決定
 
これを、明治天皇が心配し、岩倉具視(ともみ)の帰国を待ったほうがいいのではないか…と保留します。また、岩倉より先に帰国していた大久保利通木戸孝允揃って反対。その理由は、もし開戦となれば財政負担が大き過ぎるので内治を優先したほうがいい、というものです。9月に帰国した岩倉も、大反対です。しばらくの間、大変なドタバタが繰り広げられ、1022日になり岩倉邸に西郷さんや板垣、江藤新平たちが押しかけました。大圧力をかけますが、岩倉は意見を変えません。この時、西郷の同志で熊本鎮台司令官の桐野利秋(人斬り中村半次郎)も同席していて、イラ立ちのあまり、刀の鍔(つば)をカチンカチンと鳴らし無言の圧力を加えました。岩倉具視は屈することなく、
「それは何のまねだ。岩倉は目の黒いうちは所信を曲げん…!」
 と言ったとのことです。西郷は岩倉の度胸に感じ入ったそうです。
 
こうして、征韓論争は反対派が勝利。翌日、西郷は参議を辞職し、故郷の鹿児島へ帰ってしまいます。まもなく板垣と江藤、後藤象二郎、副島(そえじま)種臣の各参議も辞職。これを、「征韓論政変」とか「明治6年の政変」といいます。
この結果、この年のうちに大久保利通の独裁体制が固まります。そして、下野(げや)した有力者は、ある者は「自由民権運動」という名の政府批判や政党活動を始め、ある者は不平士族を糾合し反乱を起こします。反乱は1874(明治7)年の江藤新平らによる「佐賀の乱」を皮切りに、1876(明治9)年には「廃刀令」や華族・士族への「秩禄処分(現金支給廃止)を受けて「萩の乱」などが続発するに至ります。これら反乱続発の背景には、西郷隆盛もともに決起してくれるはずだという希望的観測がありました。
 
  ~主な参考文献~
半藤一利『幕末史』(新潮文庫)p.442
福田和也『教養としての歴史 日本の近代()』新潮新書p.72
『日本全史(ジャパン・クロニック)(講談社)
 
 

   ブログ村に参加してます~

 https://tv.blogmura.com/tv_jidai/ranking.html←ブログ村「大河ドラマ」ランキング

 

   ブログラム ランキングはこちらです~(清水しゅーまいページ)

   ↓徳川家康、豊臣秀吉、裁判傍聴、猫など


スポンサーサイト



コメント

No title

なんか 今までと 違った ドラマの展開で おもしろくみてます

No title

☆サッチさん
ナイスポチありがとうございます(^-^)
長州奥御殿から群馬県に活躍の場が移って、
なんか違うドラマのようですよね(^ ^)

No title

こんばんは。
安久澤さんは架空の方なのですね、ドラマとしては面白くなりそうです。
問題にぶつかりながらも今回の様に美和さんの活躍で乗り切るのかな。

征韓論はいったんみんなで押しとどめ、結果として西郷さんが鹿児島に帰って
西南戦争につながってしまうんですよね。
しかも結局はそのあとに朝鮮半島に出兵するんですから(><;

No title

☆ハニー先輩さん
阿久澤勧業課長…、
もしかするとモデルがいるのかもしれませんが
よく分かりませんでした(^ ^ゞ
阿久澤夫婦、存在感あるし期待できそうですね。

征韓論、何だかなぁという感じです。
変なことに、征韓論に反対した大久保利通が
佐賀の乱と同じ頃に台湾出兵しています。
そして確かに結局は韓国併合となりますね。
歴史の皮肉です。

No title

先週は又寝てしまいました丁寧な解説で分かりました

NICE

No title

☆ぎいさん
NICEありがとうございます(^-^)
お仕事大変ですね おつかれさまです(^ ^)

No title

まずはポチ。

御無沙汰いたしております。先々週はほとんど、先週も最後ちょっとでのコメ失礼します。

ストーリーは別として天下り?(民選は戦後ですが)に対する反抗は中央集権に対する反抗でよいと?かと思います。-お書きになった自由民権運動。

来週お膝元の元長州で萩の乱ですから。

実は高校まで群馬県(^_^;)

でも戦後まで赤線というのが残っていたのに、「廃娼」を県議会で議決させるなど民主的な県令です。-これは地元でもほとんど知られていない画期的なことです。





実は高校までは群馬県。

No title

☆konkonさん
ポチありがとうございます(^-^)
お元気でしたでしょうか…?

萩の乱、西南戦争の蔭に隠れて
あまり知らないので
どう描かれるのか期待しています。
konkonさんは群馬県出身ですか…!
それはこれからのドラマが地元展開で楽しみですね。
楫取素彦、「廃娼」を議決させたのですか!
明治の時代に、それは本当に画期的な経歴ですね。
ドラマでもその話が出て来るか、気になります。

No title

再コメ失礼します。

是非取り上げて欲しい話ですね。

お付き合いで5月に元県議会の議長さんが作った「楫取素彦物語」という映画の記念上映会(アメリカのドキュメンタリー映画を対象とする賞を取ったとのこと)に参加しそれが出てました。

久々につまらん記事を更新しました。よろしかったら御笑覧ください。

No title

☆konkonさん
楫取素彦の物語が映画化されたのですか!
しかもドキュメンタリーの映画賞を受賞したとは…!
それは目出たいことですね(=^▽^=)

これから記事拝見します~

No title

明治のこの頃は鎖国も終わって夢を叶えるために外国に行こうと活気がある感じがしますね。

その後の戦争の事を考えてしまって、このまま頑張ったら辛い事も少なったんだろうにとついつい思ってしまいます。

萩の乱はお風呂入って気持ちを伝えてスルーかと思いきや、予告に!!

やるんだ!!って(笑)

いつの時代も朝鮮出兵に挑戦して、でも結局うまくいかないですね。

後味が悪い感じ。

でも西郷さん、暗殺される覚悟だったなんて知りませんでした。

関わらなくてよかったですね(^^)

オールポチ☆彡です~

No title

☆Parlさん
オールポチどうもありがとうございます(=^▽^=)
そうですね、この頃の外国行きは
まさに夢のようだし気合いも違ったでしょうね…!

萩の乱…、てっきりフンドシ締めたままで
一っ風呂浴びてもうおしまいかと思ってましたね(笑)
入浴効果は無かったのかなぁww

最後まで読んで戴きまして嬉しいです(^-^)
西郷さん…、暗殺覚悟で乗り込もうとしましたが止められちゃいました。
結局西南戦争で祭り上げられちゃうので
どっちがよかったか微妙かも…(゚∀゚;
朝鮮も中国も、反日運動ものすごく過激で
罪の無い一般日本人がけっこう虐殺されてるんですよね~
まったく後味悪いですね(*_*)
今も解決できないなんて情けないことです!

コメントの投稿

非公開コメント

検索フォーム

プロフィール

清水しゅーまい

Author:清水しゅーまい
ご訪問ありがとうございます(^-^)
 このブログは、
①大河ドラマや歴史の話題、②猫観察、③映画鑑賞、
④裁判傍聴、⑤日本酒など……という感じになっております。
その他、本やテレビ、お気楽な話題に時事問題、
そして、友情・人情・心意気です!

猫愛好家のフリーなライターです

清水しゅーまい
【著書】
『車猫が出てきた! ~ノラ猫の秘密~』2018年(東京図書出版)
『八っつぁんの落語一代記 噺家の来た道、日本の来た道』2015年(彩流社)
このブログを含めてcopyrightは清水しゅーまいです。
 ご訪問のみなさまに幸あれ!
  私にそのおすそ分けあれ…!!

最新記事

カレンダー

11 | 2019/12 | 01
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -

最新コメント

月別アーカイブ