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軍部下剋上の緊迫感伝える映画「日本の一番長い日」

 1945(昭和20)年、戦中最後の内閣成立(4月7日)から玉音放送(8月15)に至るまでを描いた映画『日本のいちばん長い日』を見てきました。
なぜ戦争終結に時間がかかったのか…。本作によって軍内部の下剋上のありさまがあばかれ、軍上層部や総理大臣でさえ終戦を言い出せなかった状況が再現されています。
 

原作:半藤一利『日本のいちばん長い日 決定版』
脚本・監督:原田眞人
音楽:富貴晴美
「The Emperor in August」
   2015日本作品

【登場人物:キャスト】
昭和天皇:本木雅弘
総理大臣 鈴木貫太郎:山努
陸軍大臣 阿南惟幾:役所広司
海軍大臣 米内光政:中村育二
内閣書記官長(今の官房長官)迫水久常:堤真一
元総理大臣 東條英機:中嶋しゅう
陸軍少佐 畑中健二:松坂桃李
 
【希望的観測と自縄自縛で終戦決断が遅れた日本、土壇場での“聖断”】
 物語は、終戦に踏み切る機会を模索中の昭和天皇(本木雅弘)鈴木貫太郎総理大臣(山努)阿南惟幾(あなみ これちか)陸軍大臣(役所広司)が主軸になっています。
鈴木貫太郎は日本海海戦の英雄で、侍従長として天皇のそば近く仕えた経験があり、それと同じ時期、阿南惟幾は侍従武官だったという、そんな深い関係にありました。さらに、鈴木の後妻は昭和天皇の乳母でしたので、天皇と鈴木は非常に親密でした。
 
1945(昭和20)年4月7日、天皇直々に懇願され、鈴木は77歳という高齢ながら総理大臣に就任。戦地で敗退が続き、日本中が空襲に見舞われ、もはや勝利の見込みは無いなか戦争終結の道を探ります。状況は悪化の一途をたどり、7月末には米英中3国がポツダム宣言の受諾を迫ってきました。8月には原爆投下、ソ連参戦…。
 
しかし、それでも軍部は本土決戦を主張しており、徹底抗戦のかまえを崩しません。特に若手将校の士気は高く、畑中健二陸軍少佐(松坂桃李)らは穏健派の上官がいると突き上げて戦争継続を訴えます。ついには軍事内閣を立ち上げるための決起案を練り始めました。阿南も天皇を守るため軍人の矜持(きょうじ)のためには本土決戦を辞さない覚悟でしたし、陸軍をまとめるためにも強硬主張を述べてきました。しかし、やがて天皇が“聖断”を下すと、命を賭して終戦への道を切り開いてゆきます。
 
ポツダム宣言の解釈や玉音(終戦の詔書)の内容について、決定まで一語一句に様々な議論が繰り広げられます。その間にも、続く戦争の惨禍。ようやく玉音を録音できたと思ったら、今度は畑中少佐らによる録音盤奪取の決起事件が…!
 
   お奨め度  3
   (5点が満点 5傑作 4見る価値充分 3興味深い 2いま一つ 1駄作)
 昭和天皇と阿南陸相に深い人間味を感じさせられました。昭和天皇を真正面から描いた作品は邦画としては初とのこと。閲兵の時に阿南が天皇のシャツのすそをズボンにギュッと入れるところなど、ちょっとした場面が印象に残りました。戦後天皇の象徴とも言える口グセの「あっ、そう」も出てきます。阿南は最後、切腹の決意をするのですが、酒を長々と飲んだり軍服を整理したりして、なかなか切らない。じらされました()
 
2時間半近い長さがあるんですが、それでもギュウギュウ詰めの内容で、出来事を羅列している感がぬぐえませんでした。
それなりに前(さき)の大戦のことを知っている人じゃないと話が分からなそう。。。
多くの視聴者を得るためにも、もう少し分かりやすさを重視していたら…と残念に思いました。それから、畑中少佐などの本土決戦派の心中・人間関係にもう少しスポットを当てて欲しかったです。
 
 

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コメント

No title

この手の映画はあまり得意ではありません。戦争映画が苦手。後からなら何でも言える。。つくれるからひとつのふぃくしょんとしてみないと・・9月号の文春にこの映画の表も出ていました。多くが戦後生まれの俳優さんがうんぬんでした。
私が以前見た硫黄島からの手紙、クリストイーストウッド監督のもの随分感激してみたけれど答辞のことをよく知る方から破壊旧称とかいろんな会計がでたらめで興ざめであったとききそんなものかと思ったことがあります。あくまでもふぃくしょんとしてみないといけないのですね。そんなことをおもいだしましたよ
ないす

No title

こんばんは。
この季節は戦争映画がたくさん特集されていて、ついつい観てしまいます。
内容が盛りだくさんとの事ですが、そうなると字面をたどるだけになりそうですね。

No title

先の大戦のことは知っているつもりでしたが
ほんとは全然知らないようです・・・。
知っていく途中であまりに悲惨すぎてやめてしまったんですね。
人生に迷ったら知覧に行けという本がありますが
それもまだ読めていません。
当時の教育とか間違っていると思っているので
戦争の映画は観られないです。

ぜんぶぽち☆

No title

興味はあったんだけど、この手の映画は終戦記念日近くに地上波でやりそうなんで^^

ほんとは前編後編にすれば良かったのかなぁと。
2時間半じゃ詰め込むだけ詰め込むので一杯なんじゃないでしょうか^^

ALL(*´∀`)ノ★ぽち

No title

☆みっちゃんさん
まぁ、戦争映画がフィクションだとして
何をもってノン フィクションとするか
難しいところですね。
階級章や背景が多少違ってたからと言って、
映画『硫黄島』2部作をけなすのは、
間違っていると思います。
それに、フィクションだから価値が落ちるというわけではありません。
現在進行形の事件でさえ、
ウソつき新聞や偏向報道があり、
それよりもフィクションを交えた作品のほうが遥かに多くの事実・
真実を伝えてくれる場合もあります。
確かに後出しジャンケンのようなものはシラケますが
そうでない戦争映画もありますよ。

No title

☆ハニー先輩さん
終戦70周年とあって
今夏は戦争特番だらけですね…!
この映画は力作ではあるのですが
内容ギュウ詰めなのに説明が少なく
誰が誰だかよく分からなかったり
日本語なのにせりふに追いつけなかったりしました(笑)

No title

☆つばきさん
ぜんぶぽちどうもありがとうございます('∀'●)
女性で戦争映画を進んで見たいという人は
あんまりいないでしょうね(゚∀゚;

大戦が間違っていたのは確かですが
開戦に至った経緯をたどると、
誰が悪かったのか、
疑問に思うところもあります。
なぜ大戦が勃発したのか知っておくことが
本当の平和につながると思いますので
もし機会あったら見てみてください(^-^)

No title

☆栞さん
ALLぽちどうもありがとうございます(=^▽^=)
来年か再来年の終戦記念日に放送しそうですね(^ ^)

戦争映画と言うのか、
戦闘場面はまったく無いのですが、
終戦に至る軍と政治の混迷が描写されていました。
内容ギュウ詰めで説明もなしに当時の政争が繰り広げられて、
恐らく『永遠の0』みたいな感動映画だとカン違いして来たと思われる人たちが
ポカーンとしていました(笑)

No title

終戦までの二転三転は今思えば1日でも早ければどんだけの人の命が救われただろうと思うのでなるべく知りたくないのが本音でしたけど。

先の天皇の料理番で昭和天皇のお人柄が描かれていて、その辺の所をちゃんと知ってもいいかな?と思っていた矢先なので気になっていた映画です。

阿南とか畑中とか登場人物は全然知らない人です(;´・ω・)

真実の羅列か話をドラマティックにするか難しいところかもしれませんね~

いち早い感想に感謝のオールポチです☆彡

No title

まさに「ギュウギュウ詰め」の感はぬぐえませんでした~、相当に戦時下の歴史や人物に詳しい人でないと、全く理解不能のように思います。私もエンドロールに「大西瀧治郎」と出て、「あれ? 出てたっけ?」てな感じでした。一方で松山ケンイチが暴れまわるシーンとか、全く意味不明で無駄な演出だったように思います
あれほどのキャストなのに実にもったいないです・・・ALL

No title

☆Parlさん
オールポチいつもありがとうございます('∀'●)
終戦が延び延びになってしまったのには
日本国内の事情はもちろん
米ソの駆け引きなんかもあるようで
まったく浅ましいことです。。

「天皇の料理番」、昭和天皇のお人柄も描かれていたのですね…!
それは本当にいいドラマを見ましたね(^ ^)

阿南陸軍大臣は自刃して果てたので
当時の軍人としては「かがみ」かもしれません。
そうそう、松山ケンイチが特別出演してましたよ
陸軍将校役で、
クーデター決起に乗じて官邸に火をつけてました(゚∀゚;

No title

☆越前屋平太さん
ALL☆どうもありがとうございます(=^▽^=)
脚本を読ませてもらわないと
理解困難だというくらいの内容でしたね(゚∀゚;
会議の面々とか、誰が誰だかよく分かりませんでした。
会話ペースもそうとう速いし、なかなかついてゆけませんよね。
大西瀧治郎、出ていたのですね。
松山ケンイチ、妙に目立ってましたね(笑)
分かりやすさを重視しもっと内容整理して
感情移入できるドラマに仕上げて欲しかったです~

No title

なかなかお邪魔できずご無礼しておりました。

新作を観て、宮城事件だけピックアップした旧作(1967年版)を観ると
理解が進むかも知れませんね。それに昭和天皇と鈴木貫太郎の関係も事前に知ってないと
それこそ「あっ、そう?」な感じですよね。松山ケンイチは蛇足でした。
佐々木警備隊長など描かなくてもいいのに・・・(こらこら!)。
TBさせてください♪

No title

☆風森湛さん
ナイス&TBどうもありがとうございます(=^▽^=)
旧作を見てないので言いにくいのですが
旧作のように終戦の丸一日だけを描くほうが劇的な感じがします。
いずれ見てみたいものです…!
今作はとにかく慌ただしいばかりで余韻がありませんでした。
それにしても 松山ケンイチ、ハリ切ってましたね~(笑)

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清水しゅーまい

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そして、友情・人情・心意気です!

猫愛好家のフリーなライターです

清水しゅーまい
【著書】
『車猫が出てきた! ~ノラ猫の秘密~』2018年(東京図書出版)
『八っつぁんの落語一代記 噺家の来た道、日本の来た道』2015年(彩流社)
このブログを含めてcopyrightは清水しゅーまいです。
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