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「軍師官兵衛」関白か将軍か三職推任/宇喜多の実力

大河ドラマ『軍師官兵衛』
 第25回「栄華の極み」
【怪しい公卿の動き ~ 長政元服】
 1581(天正9)年、黒田官兵衛(岡田准一)は数え年36歳。
官兵衛は明智光秀(春風亭小朝)邸を訪れた際、公卿の吉田兼和(兼見 かねみ 堀内正美)と出くわしました。兼見は「その信長様がつくろうとする新しき世に、我らの居場所は果たしてあるのかの…。もご案じあろう」 何やら怪しげな物言いでした。一方、もっとストレートに怪しい宇喜多直家(陣内孝則)ですが、もう死の床にありました。息子・八郎(後の宇喜多秀家)と未亡人(になる女)をこちらに托し、直家は「宇喜多家は秀吉殿にかける。それは、あの男がいずれ天下を狙える器だからじゃ。…織田の天下? 成るかのぅ。信長は、危うい」
 
その頃、織田信長(江口洋介)の気持ちは。
「新しい国づくりは(息子)信忠に任せる。わしは世界に出ていく。この小さな日の本から飛び出し、広い世界を見てみたいのだ」
 
1582(天正10)年、松寿丸が元服し長政(松坂桃李)となりました!
さて、目下のところ 羽柴秀吉(竹中直人)や官兵衛たちが対するは、毛利側武将の備中高松城主・清水宗治(むねはる 宇梶剛士)です…!
 
 


 
 
 大河がもっと楽しくなる!
歴史ファンのために(=^^=)
【関白か将軍か何になるのか!?三職推任】
 今回のドラマでは、1581(天正9)年3月の信長“左大臣推任”の場面が登場しました。この時、信長は「正親町(おおぎまち)誠仁(さねひと)親王譲位すれば、受任する」と答えました。帝・朝廷側は驚きました。帝は全廷臣を召集し、拒絶を決定。
誠仁親王は信長の旧邸である二条新御所に囲われており、もし譲位が実現すれば、帝も朝廷も信長の掌中に収まることとなります。とんでもないことです。帝・朝廷側としては、信長を何らかの官職に就かせることで名目上だけでも支配下に置き、秩序を保とうとしたものと思われます。また、官職をあてがえば、信長側からの莫大な献上金が期待できたでしょう。信長はそういった思惑を見抜いてか、左大臣推任を軽くあしらったのでした。
 
1582(天正10)年4月25日、今度は信長に“三職(さんしき)推任”という選択肢が示されました。太政大臣関白征夷大将軍のどれかに就いてみては…、というものです。信長は、これへの回答を保留。それから1カ月ちょっと経つ間に本能寺の変が勃発してしまい、信長の心中は分からずじまいに。。。 信長は三職のうち、どれを選ぼうとしていたのでしょうか?
 
三職の中で、太政大臣は当時、近衛前久(このえ さきひさ)が就いており、信長の意のままに操れる状況でした。それに、関白の方が格上なので、選ぶとすれば関白か征夷大将軍になりそうです。信長はどちらにもなれたでしょう。源氏の棟梁がなるというイメージの征夷大将軍については、織田家は平家の筋という話になっているものの、そんなのは信長の実力があればどうとでもできたと思われます。あるいは、信長自身は無位無官で、嫡男・信忠を受任させるつもりでいたのでは…という意見もあります。どうやら、ドラマもこの路線のようです。
いずれにしても、関白になって朝廷の制度を受容・利用した秀吉とは違い、信長はあまり妥協しない方法を取ったのではないか…。私としては、信長は無位無官のままで自由に行動し、息子達に関白・将軍を就任・独占させ、帝・朝廷を潰さないまでもほとんど手駒となしたのではないか…と思います。そして、その後は、対外国戦争での究極の調停役のようなもの、交渉の貴重なカードとして帝を使い尽くしたのではないでしょうか。想像でしかありませんが。
 
【朝廷を尊重した宇喜多家 その実力の源泉】
 戦国時代は実力が物を言うだけあって、帝や朝廷、公家に送るはずの年貢をその地域の大名が懐に入れてしまうなんてのはごく普通でしたが、宇喜多直家は備前国 鳥取荘の年貢を朝廷に納め続けていました。宇喜多家は経済的にゆとりがあり、直家晩年の1581(天正9)10月にも朝廷に銀子10枚を送っていたほどです。直家の息子・秀家の代になってからも朝廷へのこの銀子献上は続けられました。
 
なぜこのような経済力があったかと言うと、その地の利があります。宇喜多家の勢力範囲には、有名な備前長船(びぜん おさふね)がありました。刀の産地としてよく知られ、ここで当時の刃物の7~8割がつくられたそうです。当然、交易が盛んとなり、富が集まりました。また、ここの刀鍛冶はやがて鉄砲もつくるようになり、備前鉄砲として何千挺も製造され、それも宇喜多家が押さえていました。経済力・軍事力ともに強大となり、お蔭で織田と毛利を天秤にかけるような芸当が可能になったのです。
 
  ~主な参考文献~
「週刊 再現日本史」織豊4(講談社)p.16
編:阿部猛・西村圭子『戦国人名事典 コンパクト版』(新人物往来社)
渡邊大門『宇喜多直家・秀家』(ミネルヴァ新書)p.164
監:熱田公・編:播磨学研究所『播磨戦国史 群雄たちの興亡』(神戸新聞総合出版センター)p.92
 
 


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コメント

No title

こんにちは~~~
歴史解説ありがとうございます
なるほど宇喜多が織田&毛利の間を右往左往出来たのは経済力があったということですね。経済力があれば軍事力もUPする。
なかなかのやり手だったんですね。ALLポチ

No title

☆とん子さん
ALLポチどうもありがとうございます(=^▽^=)
宇喜多家はいい土地にあって豊かで
刃物→鉄砲の産地、そして直家の頭脳があれば
織田も毛利もそう簡単には敵対できないですね(^ ^)
なかなかしたたかな家…、
豊臣5大老になるだけのことはあったと思います~

No title

経済力に軍事力。
今の政治にも通じるところがありますね。

No title

☆Sophiaさん
やはり戦国の世でも経済力が大きくものを言いますね。
織田家と比べると、武田も上杉も毛利も、どうしても経済力で見劣りします。
結局は経済力≒軍事力で織田の圧倒ですね。
そんななか、宇喜多ふんだんな富の力を背景に
織田・毛利に割って入ってよく翻弄したものだなぁと思います(^ ^)

No title

戦国大名とはよく言ったものでそれなりの相当な実力がありしたたかでないと生き残れなかったのですね。
毛利の鉄、織田の水運からなる財力等など・も味方するのですね
。庶民には平和がありがたいけれど国には強いリーダーシップがあるほうがまとまるのかな。それは今の世にもいえますね。

ないす!

No title

見てました 三木の干殺し鳥取の餓え 殺し
有名ですものね、ナイス

No title

☆みっちゃんさん
ないすポチありがとうございます(^-^)
おもしろいもので、戦国時代が進んで強い大名が出てくると
世の中が治まって国境以外の国内は平和になります。
比較的公平な裁判が開かれたりもして、治安もよくなります。
おっしゃる通り、強いリーダー シップが
時代を切り開いてゆくのでしょうね(=^▽^=)

No title

☆eigekaiさん
ナイスポチありがとうございます(^-^)
三木の干殺しのほうは出てきましたが
鳥取の渇え殺しは省略されてしまいましたね(^ ^)

No title

信長の政権構想には「誰かに認めてもらう」は選択肢になくて、
オンリーワンを目指してたと・・・思いたいな^^/

長政役の俳優はお気に入り 川* ̄д ̄*川ポッ
ALL(*´∀`)ノ★ぽち

No title

☆栞さん
ALLぽちどうもありがとうございます(=^▽^=)
そうですね、信長はオンリー1であってナンバー1でもありますからね、すごいです!

松坂桃李がお気に入りですか!
ちょっとまえに映画『万能鑑定士Q』での熱演を見たばかりなので親しみ沸きます(^ ^)

No title

こんばんは。
宇喜多にはそんな資金源があったのですね。
今回の流れからすると、朝廷→明智って感じで本能寺になりそうですね。
黒田家は人が増えてきて、いよいよ長政登場です。
イノシシ武者の成長を楽しみに観たいです。

No title

☆ハニー先輩さん
宇喜多家はそうとう富裕な一族だったようです、
直家のような異才が出てきたのも偶然ではなさそうです(^ ^)

本能寺の変…、朝廷が暗躍しているように描かれてゆきそうでしたね。
注目したいです。
長政がどんなふうに成長してゆくのかも
とても楽しみですね…!

No title

こんにちは♪
やっぱりどうしても本能寺までは主役が信長になってしまいますね。
その後は秀吉が主役になるんですが(笑)。
クライマックス本能寺の変が、定説通りに描かれそうでちょっと残念です。
光秀はいつ天海に変身するのか・・・もう何年もそんなドラマを待ってるのに。
こちらからもTBさせてください♪

No title

☆風森湛さん
ナイスポチとTBどうもありがとうございます(=^▽^=)
本能寺の変は信長の独擅場でしょうが
中国大返しでは官兵衛にも冷静な軍師として
しっかり目立つ場面がありそうですね(^ ^)
今年の本能寺の変は朝廷黒幕説でしたね。必ずしも定説というわけでもないと思うので
まぁいい流れだったんじゃないでしょうか(^ ^ゞ
光秀→南光坊天海の説はフィクションでしょうから
大河ドラマで採用される日は来ないでしょう(笑)

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そして、友情・人情・心意気です!

猫愛好家のフリーなライターです

清水しゅーまい
【著書】
『車猫が出てきた! ~ノラ猫の秘密~』2018年(東京図書出版)
『八っつぁんの落語一代記 噺家の来た道、日本の来た道』2015年(彩流社)
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