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「軍師官兵衛」有岡城攻防詳細~泣ける歌のやりとり

大河ドラマ『軍師官兵衛』
 第22回「有岡、最後の日」
【半兵衛逝く】
 1579(天正7)年、黒田官兵衛(岡田准一)は数え年34歳。
摂津 有岡城に幽閉されて半年以上が経ち、官兵衛は衰弱甚だしく、台詞がほとんどない体当たりの演技が見られました。そんな最中、6月13日、羽柴秀吉(竹中直人)の陣中において竹中半兵衛(谷原章介)が数え36歳の若さで病死。。 官兵衛との付き合いはたぶん3年程度と、意外と短い期間でしたが、濃密なものでした。
 
さて、かつての主君・織田信長(江口洋介)の軍勢に囲まれた有岡城主の荒木村重(田中哲司)は毛利の援軍を待ち切れなくなり、直談判しにいこうと9月2日 夜、城を脱出。客観的には、城主の逃亡です。気がおかしくなりかけている村重の演技にも鬼気迫るものがありました。
 
 


 
 
 大河がもっと楽しくなる!
歴史ファンのために(=^^=)
【壮絶! 有岡城攻防の詳細 切ない歌のやりとり】
 1579(天正7)年9月2日 夜、有岡城主荒木村重は城を脱出し、尼崎(あまがさき)城へと移動。残された有岡城に、織田軍の滝川一益(かずます)が調略をかけ、中西新八郎という者を味方につけました。さらにこの中西を使い、1015日、足軽隊長の星野・山脇・隠岐(おき)・宮脇を寝返らせ、滝川勢は一気に攻めかかりました。砦に立て籠もっていた渡辺勘大夫という者も混乱に乗じ織田に寝返ろうとしました。が、「事前に申し出なく不届きである」と、切腹するハメに。鵯塚(ひよどりづか)という場所で奮戦していた野村丹後(村重の妹婿)が降参・退去を申し出たものの、これも許されず切腹。織田軍は有岡城の四方を囲み、矢倉を築き、トンネルを掘ってまで攻撃を続行しました。城内から降伏の申し出があったのに、信長は許しませんでした。一方的で悲惨な戦闘が続きます。
 
1119日、荒木久左衛門など主立った武将達が、妻子を人質として有岡城に残し、村重を説得しに城外退去しました。織田側から「尼崎城と花熊城を明け渡せば、人質は助命する」との条件が出たからです。退去の時、荒木久左衛門は歌を詠みました。
 
  いくたびも 毛利を憑(たの)みに ありをかや けふ思ひたつ あまの羽衣
(いくたびも毛利の援軍到来を頼みにこの有岡にいたが、今日、尼崎へと、天の羽衣を着たつもりで出立する)
 
村重の妻ダシも歌を詠んでいます。これは村重に宛てたものです。
  霜がれに 残りて我は 八重むぐら 難波(なにわ)の浦の 底のみくづに
(わたしは霜に遭って枯れ残った八重むぐら(ツル草の一種)です。あとはもう難波の海の底に沈んで水屑になるだけです)
 
村重が律義にも返歌しています。
  思ひきや あまのかけ橋 ふみならし 難波の花も 夢ならんとは
(天への架け橋を踏み鳴らして難波の尼崎で奮戦してきたが、その思いも夢のようになろうとは…)
絶望の淵に立ってさえ歌を詠むとは、文化に造詣の深い荒木家らしいと言うべきでしょうか。。。
なお、「だし」というのは変な名前だなぁ…と思ったひとは、鋭いです。ダシは洗礼名で、Daxiを日本語読みしたものです。
 
12月1日頃、有岡城の人質警護をしていた3人の武将のうちの1人・池田和泉(いずみ)が、状況を悲観し、自害しています。ドラマでは戦闘の場面と一緒にされてましたが、銃で頭を撃ち抜き自害したのが、この池田和泉です。池田和泉も歌を遺しています。
  露の身の 消えても心 残りゆく 何とかならん みどり子の末
これはもうほとんど訳す必要も無いくらい、切実な歌です。気の毒な自害でしたが、自害したほうがまだよかったと思えるほどの事態が、人質たちを待ち受けているのでした。
 
  ~主な参考文献~
太田牛一/訳:中川太古『現代語訳 信長公記』新訂版 下(新人物往来社)p.102~、109
編:阿部猛・西村圭子『戦国人名事典 コンパクト版』(新人物往来社)
 
 


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コメント

No title

荒木村重の所作に毛利が来ないと言う現実を受け入れたくないと言う現実を認めたくないと言う狂気が見られ熱演でしたね
半兵衛の死は谷原さんのフアンとしては悲しい。
自害より怖い残されたものの処遇って?戦国のよを生き残るのは大変な運命だったのですね
ないす

No title

☆みっちゃんさん
ないすありがとうございます(^ ^)
荒木村重の熱演、よかったですよね!
半兵衛が早逝してしまったのは残念ですが次回の副題が「半兵衛の遺言」なのでまだ少し回想で登場するのかもしれませんね。

戦国時代と言ってもいつもいつも切腹や殺戮ばかりが繰り返されていたわけではないようなのですが、
ことこの頃の信長に関しては、その残虐さは信長ファンとしても目を背けたくなります。
怖いことです。

No title

こんな非常なときにも 歌を読む 優雅さを感じます

信じるものが救われないとは 悲しいですね

勘兵衛役の岡田くん 凄かった 目で演技してた^^v

それにしても

No title

こんばんは。
黒田官兵衛の物語なのに、すっかり荒木村重に感情移入ですよね。
来週は皆殺し~~的な展開が待っているかと思うと・・・だしも可愛そうですが、
それを知る事になる村重の悲哀も大きいですよね。

暗い展開が多そうなので、松寿丸が生きていて信長が安堵?するくだりに期待です。

No title

こんばんは~~~
だしというのは洗礼名だったのですね勉強になりました
次回はその信長の残虐性が見られるエピになりそうですね。
ALLポチ

No title

☆サッチさん
ナイスポチいつもありがとうございます(^-^)
籠城戦で攻め込まれている時に歌を詠むのは
気力が要りそうですね。
荒木村重本人はもうしょうがないにしても
信じてついていった人々が気の毒ですね。。
岡田官兵衛、迫真の演技で惹きつけられました…!

No title

☆ハニー先輩さん
荒木村重の形相が心理状態をよく表していて
見応えありましたね。
村重が逃走を続けるようですがどんなふうに描写されるのか見所ですね。
松寿丸の無事に信長がどう反応するか、演出や俳優の力量が分かる名場面かもしれません
どうなるか気になりますね…!

No title

☆とん子さん
ALLポチありがとうございます(^-^)
ダシ、20歳そこそこの若さだったようです。
夫・村重に対して、あるいは信長に対して
どんな態度でその時を迎えるのか気がかりですね。

No title

最近は荒木さんに好意を感じます。

過去の作品だと自分だけ城から落ちた残念な最後の人扱いだったから。
メガネが無くて諸々進まないです。(/ _ ; )
以前から欲しかった史料を、やっと買えたから、その入荷待ちもあり(⌒-⌒; )
何せ地元の図書館じゃ九州の図書館と提携なしで、ネットで凌ぐしかなかったです。
六年越しに、やっと念願の一次史料を入手したんで、遡ってオサライちゅう(大笑
そんなこんなで、訪問や更新が遅いですが、よろしくお願いします。m(_ _)m

No title

☆栞さん
ポチいつも戴きまして感謝しています(=^▽^=)
そうですね、荒木村重はたいてい無惨な終わりばかり強調されて
今年のように感情移入できる描かれ方は珍しいですよね。

もしめがね無かったらぼくは何もできないです(゚∀゚;
お察しします。。。
栞さんの研究レベルが深過ぎて一般の図書館じゃなかなか本が無いんでしょうね(^ ^)
遠国の歴史に関心が向いてしまったのも何か運命のイタズラを感じますね^ ^
一次史料入手、すごいことです。記事楽しみにしています…!

No title

竹中半兵衛のお墓におまいりしました。
ポックリ半兵衛繫がりで、TBさせて下さいね。ポチ☆

No title

☆マンサポさん
過去記事にTBとポチも
どうもありがとうございます(^-^)
竹中半兵衛の墓に…!
それは渋いお参りしましたね。
のちほどうかがいます~(^ ^)

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清水しゅーまい

Author:清水しゅーまい
ご訪問ありがとうございます(^-^)
 このブログは、
①大河ドラマや歴史の話題、②猫観察、③映画鑑賞、
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そして、友情・人情・心意気です!

猫愛好家のフリーなライターです

清水しゅーまい
【著書】
『車猫が出てきた! ~ノラ猫の秘密~』2018年(東京図書出版)
『八っつぁんの落語一代記 噺家の来た道、日本の来た道』2015年(彩流社)
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