FC2ブログ

記事一覧

激動の戦中戦後を元気に生きる 映画「少年H」

 神戸に住むとある一家が、戦中戦後を明るく元気に生き抜く映画『少年H』を見てきました。
 

原作:妹尾河童「少年H」毎日出版文化賞特別賞受賞作
脚本:古沢良太(「ALWAYS 三丁目の夕日」シリーズ)
監督:降旗康男(「あなたへ」「鉄道員(ぽっぽや)」)
   日本作品

【登場人物:キャスト】
妹尾盛夫(父):水谷豊 妹尾敏子(母):伊藤蘭 妹尾肇(Hajime=H):吉岡竜輝
妹尾好子(妹):花田優里音 うどん屋の兄ちゃん:小栗旬 オトコ姉ちゃん:早乙女太一
田森教官:原田泰造 久門教官:佐々木蔵之介 吉村さん:國村隼 柴田さん:岸部一徳
 
【あの時代を元気に生き抜いた家族に共感】
 妹尾(せのお)家は洋服の仕立て屋を営んでいて外国人との付き合いも多く、しかも母親が熱心なクリスチャンという、ちょっとハイカラな一家です。小学生の妹尾肇(はじめ)はイニシャルのHを縫い込んだセーターを着せられていたため、「H」と呼ばれることになってしまったのでした。Hの回りには、オペラが好きで貴重な赤盤レコードを聴かせてくれる「うどん屋の兄ちゃん」や、元女形の映写技師「オトコ姉ちゃん」など、おもしろい人達でいっぱいです。
 
しかし、大東亜戦争(太平洋戦争)が始まり、街に外国人はいなくなり、うどん屋の兄ちゃんは特高(特別高等警察)に追われ、オトコ姉ちゃんは出征することとなり、不穏な空気が満ちてきます。Hはそんな世の中に疑問を抱きつつも、元気に生きていきます。
 
 (さき)の大戦を扱いながら、軽妙で明るい雰囲気の感じられる作品です。もちろん、学校に怖い軍事教官がいて殴られたり、家庭がハイカラなせいで学校の机に落書きされたり、ついには神戸が大空襲に見舞われたりと、悲劇も数多く起きます。しかし、Hの元気な生き様に、見ていて勇気づけられます。
 

 原作をだいぶ前に読んだのですが、かなりおもしろいなぁと思う一方、「当時の一少年が本当にこんなに戦争を批判的(現代的)に考えてたのか…? だいたい、なぜ一般少年がこんなに社会情勢や戦況に詳しいんだ」などと、現代的な視点で書かれ過ぎている点に違和感を持ちました。映画では、そのあたり、それほど気になりませんでした(でも、報道にウソが多いなどと、なぜそんなことが少年に分かるのか…という疑問はやっぱり感じました。大人でも敗戦後に知ったことですもんね)
 
 
細かい点はさておき、あの時代がただ暗いばかりではなく、人々が一生懸命、人間らしい生活を送っていたんだ…と、共感をもって見れる映画でした。
   お奨め度  4
   (5点が満点)
 

 
 


   ブログ村に参加してます~
  https://tv.blogmura.com/tv_jidai/ ←ブログ村「大河ドラマ」ランキング
 
   ブログラム ランキングはこちらです~(清水しゅーまいページ)
   ↓徳川家康、豊臣秀吉、会津若松、日本酒など
スポンサーサイト



コメント

No title

なるほどぉ~

夫婦で共演が話題になっていましたが ストーリーも原作がしっかりしてるので 見応えも あったのでしょうね

戦争があったという事実が 風化されないことを 祈って^^

No title

☆サッチさん
ナイスポチありがとうございます(^-^)

そうなんです、夫婦共演でも話題になっております(^ ^)
原作もとてもおもしろいです、
活き活きとした描写と軽妙なタッチが魅力です。
上下巻ですが、文字が大きめで、意外と速く読めます。

戦争は悲惨ですが、勃発する社会状況など分析し、
悲劇を繰り返さないためにこういう映画が見てもらえるといいなぁと思います。

No title

妹尾河童さんはイラスト作家ってイメージがあって。
河童ののぞいたヨーロッパだって?
すごい評判のいい旅行記をちらっと見たのか、真剣に見たのか…。
忘れちゃったんだけど(笑)

誰かに面白いよって言われてそれも誰だか忘れちゃって。
もうやだねww

河童さん小説?とか思いながら読んでなかったんですけど、河童さんの自身のお話なんだよね?

多分、その頃漠然と批判していた事が今の事実と重なって現代的な過去になったのかもしれませんね~!

お、うどん屋のおにいちゃんにおぐりん
オールポチ★でーす!

No title

☆Parlさん
オールポチどうもありがとうございます(=^▽^=)

そうですね、妹尾河童さんはイラストやエッセイ、
舞台美術のほうが本職ですね。

河童さんの自伝的な内容ですが
これは憶測ですけども、歴史の本を参考にして執筆しているうちに
当時の少年が知っているはずのないことも知っていたり
思わず軍国主義を過剰批判する少年像になったのだと思います。
でも、それはそれでおもしろかったです(^ ^)

うどん屋の兄ちゃん、おぐりん、
オペラ鼻歌交じりに自転車で出前して、なかなか粋でしたよ~

No title

戦中から報道が嘘だと気づいていた人は沢山居ます。何しろ新聞の内容が威勢がよい割りにあちこちで空爆はあるわ供出は厳しいわ。恩師のおじいさまとおばあさまがそうでした。わたしの父方の祖母は田舎出の平凡な主婦でしたが米国と開戦したときから「勝てるわけがない」と。父方の祖父とは縁がないのでわかりませんが。母方の祖父母も敗戦を認めるよりだいぶ前、ドイツが降伏するより少し前くらいには完全に悟ってました。

当時の便所の落書きや投書などには、この作品よりよほどきつい内容での戦争、侵略、政府、軍、天皇への批判、批判、批判が山とありました。悉く警察の捜査の対象になり多くのひとが引っ張られていったわけですが。年齢、地域、職業や階層性別は様々です。

なので口に出せたかどうかはともかく、考えたこと、思ったことにはリアリティがあります。昨今描かれた他の当時を舞台にしたほとんどの作品群よりは、よほど。

No title

すみません御挨拶もせず。記事とコメント興味深く拝読いたしました。←という一文が抜けているのに気がつきましたすみません。

それと、

正確さという点では、原作からして瑕疵は多かろうと思います。記憶で書くというのはそういうものですね。本人の中でも用語の使い方や時系列は曖昧な部分が多い。証言や手記の、宿命でしょうね。嘘ではないが客観的に全て正確というわけでもない。わたし自身も、子供のころにあった出来事を当時の知識と用語だけで正確に語れなどといわれても、そりゃ無理ですもの。

No title

☆pol**isan*moonさん

コメントありがとうございます。
当時の報道も一応、玉砕だとか、自国に不利な情報も伝えていた中で、どのあたりから“これはウソだ”と判断できたのかなぁ…というのが、戦後生まれの私の素朴な疑問なんです。空襲の被害がちゃんと載ってないとか、そういうところからなのでしょうかねぇ。。

政府批判は、現在でさえ少なからずの国で取り締まられますから、当時の日本ではある程度はやむをえなかったのかなぁ…という気もします。例えば、共産主義は暴力革命を目指していたし、そうなると取り締まらざるをえません。もちろん、拷問などはとんでもないし、当時の軍事警察国家の日本はあまりに行き過ぎていましたが。。

ところで、終戦でホッとしたという、今で言えば常識的な反応も、当時はやっぱり信じられず愕然とした人が多くて、その後数日して空襲が無いのでホッとした…と、当時を回顧する一文を読んだこともあります。
『少年H』でも、終戦で涙を流す友達の姿が印象的でした。細かい点は置いといて、よくあれほどのことを記憶して、活き活きとした作品に仕上げたなぁ…と感銘を受けました。

No title

夫婦共演でCMとか見ると素敵な雰囲気ですよね^^

この手の映画は終戦記念日になると地上波放映されるから、
それは待ちます^^

村ナイスヽ(*´∀`)ノ★ぽち

No title

☆栞さん
村・ナイスぽちどうもありがとうございます(=^▽^=)

夫婦共演でほのぼのしてましたよ(^∇^)
少年役の熱演も見所です…!

そうですね、来年か再来年の終戦記念日には
地上波放映ありそうですね(^ ^)
映画館で見ると、大空襲が大迫力です…!

No title

本は持っていて、子供が中学の1年のころ寝るときに読んであげていたのですが、だんだん話が戦争になってきて。。。寝る前には難しすぎるので断念、そのまま読んでいませんでした。

まさか、映画化されるとは思っていませんでしたが。。。

そもそも、どうして本を買ったかと言うと、妹尾さんがテレビで語った「ミジンコ」の話が面白かったから(笑)

家族で見てみたいですね~(だんなも子供もついてきそうにないけど。。。)

No title

☆えっぴさん

寝る時に読んであげていたんですか~
優しいえっぴお母さんですね(^ ^)
子供でも意外と戦争のこと心に残るものですよ

映画の内容、家族もテーマになっている気がするので
みんなで見るときっといいと思いますよ(^∇^)

コメントの投稿

非公開コメント

検索フォーム

プロフィール

清水しゅーまい

Author:清水しゅーまい
ご訪問ありがとうございます(^-^)
 このブログは、
①大河ドラマや歴史の話題、②猫観察、③映画鑑賞、
④裁判傍聴、⑤日本酒など……という感じになっております。
その他、本やテレビ、お気楽な話題に時事問題、
そして、友情・人情・心意気です!

猫愛好家のフリーなライターです

清水しゅーまい
【著書】
『車猫が出てきた! ~ノラ猫の秘密~』2018年(東京図書出版)
『八っつぁんの落語一代記 噺家の来た道、日本の来た道』2015年(彩流社)
このブログを含めてcopyrightは清水しゅーまいです。
 ご訪問のみなさまに幸あれ!
  私にそのおすそ分けあれ…!!

最新記事

カレンダー

11 | 2019/12 | 01
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31 - - - -

最新コメント

月別アーカイブ