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「八重の桜」新展開/岩倉使節団が受けた感銘と幻滅

大河ドラマ『八重の桜』
 第32回「兄の見取り図」
【知識を武器に新しい世界へ】
 1871(明治4)年 秋、八重(綾瀬はるか)は数え年27歳、兄・山本覚馬(かくま 西島秀俊)44歳。
9年振りに京都で再会した山本家の人々。「みなでそろって朝飯にすんべ」と覚馬が言うと、「みんなそろってなんかない!」 覚馬の娘みね(池田沙弥花)は部屋を飛び出してしまいました。覚馬が京女・時栄(谷村美月)との間に娘をつくり、みねの母・うら(長谷川京子)と離縁に至っていたからです。
 
そんななか、八重は覚馬の指導のもと『万国公法』を読んだり、元長州藩士で京都府大参事の槇村正直(嶋政宏)と会ったりしました。そして、覚馬は八重に女紅場(にょこうば=女子学校)の舎監(しゃかん=寄宿舎監督)を務めるよう命じました。みねやうら、会津の思いを忘れて長州者の言いなりになっているように見える覚馬に、八重は反発。すると、覚馬は「これは、俺の戦だ。…同じ国の者同士、銃を撃ち合って殺し合う戦はもうしてはなんねぇ」 続けて、自著『管見(かんけん=山本覚馬建白)を取り出し、「生き残った俺達が、やらねばなんねぇ。…学べ。新しい知識を、世界の文明を。これからは、学問がお前の武器だ」
 八重はみねが時栄になつきつつあるのも確認し、女紅場に行く決意をしました。
 
 さて、それと同じ頃、1872(明治5)年2月、米国首都ワシントン。岩倉使節団の通訳として、新島襄(オダギリジョー)が登場です。今までどうでもいい場面ばかりでしたが、ようやく重要シーンでの登場となりました! 山川浩(大蔵)の妹である捨松(水原希子)も、女子留学生として初登場。八重とはまた違った会津女性の魅力を見せてくれそうです。
 
 


 
 
  歴史話☆彡
【岩倉使節団 アメリカでの大歓迎と大失敗】
 1871(明治4)1112日、右大臣 岩倉具視を正使、参議 木戸孝允大蔵卿 大久保利通などを副使とする「岩倉使節団」が横浜を出発しました。総勢46人。平均年齢32歳と、けっこう若いです。各国に天皇の国書を渡し、文明や制度の実態を視察することが目的でした。この旅は結果的に1年10カ月、12カ国に渡るものとなります。廃藩置県をして中央集権国家となってからわずか4カ月の時期に、新政府の大物達がこんな大視察に出かけたというのは、かなり大胆な行動だったと言えるでしょう。新政府の本気度が感じられます。
 
岩倉使節団は横浜から23日間をかけてサン フランシスコに入港。そこから1カ月半をかけて大陸を横断し首都ワシントンに到着、大統領ユリシーズ・グラントに国書を手渡しました。使節団は各地で歓迎され、そのあまりの友好ムードに副使の一人、伊藤博文が自信を持ちました。そして、「不平等条約の改正」を提案します。「領事裁判権の撤廃」と「関税自主権の獲得」を目指したのです。しかし、使節団は、条約調印のための全権委任状を持っておらず、まともな交渉ができませんでした。初歩的な国際外交ルールをまだ知らなかったのです。伊藤博文と大久保利通がわざわざ帰国して天皇からの全権委任状を取ってきましたが、結局、実際の交渉となるとアメリカ側が自国の利益になる項目を押し付けようとするばかりで、何も進展しませんでした。使節団は、国際外交の厳しい現実を見せつけられたのでした。
  木戸孝允「五千里の海上、三千里の山陸を往来せしことも、みな水泡に属せり」
 
【岩倉使節団 イギリスでの大損害と大幻滅】
 1872(明治5)年7月3日に岩倉使節団はようやくアメリカをあとにします。ボストンからイギリスのリヴァプールへと大西洋を10日間で渡り、同月14日、ロンドンに到着しました。
日本と同じような島国がなぜ繁栄しているのか…? 探ってみると、蒸気機関を駆使した工場が各地にあり、原料を安く輸入し、工業製品から日用品・食品まで大量生産、加工・輸出していることが分かりました。資源小国の発展モデルを見出したのでした。
 
そんなある日、使節団はイギリスの銀行関係者の勧めを受け、総額で現在の5億円にもなる金を銀行に預けました。が、その銀行が資金繰り悪化で破綻し、大金を失うという手痛い打撃を受けたのでした。また、大久保利通と木戸孝允は、ロンドンの下町で貧しい労働者があふれ返って治安悪化している状況を目撃しました。使節団は、国際政治経済の厳しい現実を見せつけられたのでした。それは、搾取で成り立っている資本主義のいびつな格差社会でした。
  大久保利通「我々はこんな進歩の世には適しない。文明社会には、まったく辟易する」
 
 岩倉使節団はアメリカとイギリスで最先端の文物を見聞し驚くと同時に、大きな幻滅も味わったのでした。では、日本はどのような道を歩めばいいのか…? 摸索の旅は続きます。
そして、意外な国で、インスパイアされることになります。
 
  ~主な参考文献~
『日本全史(ジャパン・クロニック)(講談社)
『読める年表 幕末維新明治』(自由国民社)
   ~参考映像~
NHK『その時 歴史が動いた』「岩倉使節団世界一周の旅 ~明治日本・西洋と出会う~」
 
 


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コメント

No title

いままで 関心を示さなかった おかあさまが

この回から おもしろくなってみたねと・・・

やっと 戦争シーンから 現代につながる話になってきたからかもしれません

わたしも おもいしろかったし いつものしゅーまいさんの解説

ありがたいです^^

No title

☆サッチさん
ナイスポチありがとうございます(^∇^)

おかあさまが関心を示してくださいましたか…!
それはよかったです(^ ^)
これから恋愛話も出てくるし
ぼくも知らないこと多いので
いろいろ楽しみです!

No title

こんばんは。
やっと新島さんが役付きで出てきましたね。
ここからどのような経緯で八重さんに出会うのか楽しみ。

今回の解説も大変興味深く読ませて頂きました。
どこの国にインスパイアされるのか、続きが気になります。

No title

全半は山本覚馬が主役のような扱いでしたが
八重が主役に踊りでそうです
会津の田舎娘から時代をリードするハイカラなお嬢さんに変身するかな?

大山捨松(水原希子)は津田梅子と岩倉使節団に随行してましたが
八重の桜では出てこないのか?
津田梅子を出したら八重がかすむか
水原希子ベッピンさですね

No title

新島の出番が減らされたって噂を聞いたんですが、
いつ八重と夫婦になるのか、それが気になってます(*´pq`)クスッ

捨松って山川さんの妹だったんですか?( ゚д゚)シランカッタ

村ナイスヽ(*´∀`)ノ★ぽち

No title

☆ハニー先輩さん

新島襄がいきなり通訳になって出てきたので、ちょっと驚きました。
どういうふうに日本に来て八重さんに出会うのか、期待ですね!

解説まで読んで戴きまして
どうもありがとうございます(=^▽^=)
使節団の人々、意外な国で感銘を受けることになります、
楽しみにしていてください~(^ ^)

No title

☆reo-310さん

主役級だった兄・覚馬、すっかり体が衰えてしまいましたね。
志はまだまだ衰えてないようですが、おんぶ移動がちょっと痛ましいですね。
八重がどんなふうにハイカラ娘になってゆくのか、楽しみです!

女子留学生の中では津田梅子が一番有名な気がしますが
気配もありませんでしたね(笑)
会津娘の捨松を目立たせるためには、
残念ながら津田梅子の登場はないのかもしれません。

No title

☆栞さん
村・ナイスぽちどうもありがとうございます(=^▽^=)

新島襄、これからという時に出番減らされてしまいましたか!
それは気の毒ですね。
なんか、オダギリジョーは視聴率に恵まれてないらしいですね。

捨松、山川浩の妹でした(^ ^)
もともとは咲子という名前だったのに、
捨松にされてしまい、ちょっとかわいそうです。
山川家は旧会津藩士の希望です…!

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清水しゅーまい

Author:清水しゅーまい
ご訪問ありがとうございます(^-^)
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①大河ドラマや歴史の話題、②猫観察、③映画鑑賞、
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そして、友情・人情・心意気です!

猫愛好家のフリーなライターです

清水しゅーまい
【著書】
『車猫が出てきた! ~ノラ猫の秘密~』2018年(東京図書出版)
『八っつぁんの落語一代記 噺家の来た道、日本の来た道』2015年(彩流社)
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