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【片腕剣士がゆく】

 先日、実家に帰った時に、「クマくんが剣道を始めたよ」と父が言いました。
“何かの間違いだろう”と、僕は思いました。
クマくんは事故で右腕を失くしていたからです。
 しかし、「クマくんのお母さんから直接 聞いた」と、父は言うのです。

 そもそもクマは、
利き腕である右腕がまだあった頃、
中学1年から高校1年にかけて部活で剣道をやっていて初段を取りました。
 彼が右腕を失ったのは、高校卒業直後のことです(その経緯については、後で書きます)。

もう剣道はできないだろうと思ってたんですが、はたして……。
 僕はクマとは小・中学校の同級生ですが、
ここしばらく会ってなくて近況を知りませんでした。


 思い切ってケータイでクマ本人に訊くことにしました。
 すると、「本当だよ。半年くらい前に始めた」との答え!
それでもまだどうもピンときません。

 “剣道は片腕でも できるものなのか……”

 これは、自分の目で確かめるしかない…!
僕はクマの稽古を見に行くことにしたのです。


 千葉県の某道場。
「どーぅ」「おーっ」
張りのある気合とともに、20名ほどの剣士達が竹刀を振っています。

激しい踏み込みで道場の床が揺れ、こちらの体にも振動が伝わってきます。
ふだん運動しない僕にとって、久し振りに感じるこの振動、この響き。
その心地よさを味わいながらあたりを見まわしていると…、

 あっ、いました! クマです! 片腕の剣士が、立ち合いの順番を待っています(写真 左)。クマの順番が来ました。まずは、蹲踞(そんきょ)して一礼。そして立ち合いが始まりました(下の写真の中央がクマ)。

左手で持った竹刀で、クマが打ち込みます。

「よっしゃーッ」「よしゃーッ」
 力の籠もった気合。竹刀を落とすことなく、果敢に攻め込みます。
なかなか さまになってますね!
 1時間の練習でクマは存分に竹刀を振り、息を弾ませていました。

 左手で竹刀を持つ練習を始めてからまだ日が浅いので
力強さが足りない時も見受けられましたが、これからの成長が期待できそうです。


  練習とは別の日に時間をとってもらい、いろいろ訊きました。
「もとは右利きだったのに、左手で竹刀を持って、やりにくくないの」と訊くと、クマは言いました。
「もともと剣道では左手で持って、右手はそえるものなんだよ」

  ほほぅ、なるほど…。ただ、そうは言っても最初の頃はやはり、
「重くてぜんぜん振れなかった」とのことです。自宅でもほぼ毎日400回くらい竹刀を振り、
「今も必死に振って、ようやく続けている。目の前のことで一生懸命」

  なんだか大変そう…、と思いきや。

「部活の頃はなかば強制だったけれど、今は楽しくてしょうがない。
 限られた時間の中で考えながら稽古をやっているから、
 クリエイティブな感じがして、充実しているよ」

  いい感じですね、なかなか頼もしいです…!


 さて、そもそも半年前に剣道を再開したきっかけは何か、訊いてみました。
「フジテレビの『ザ・ベストハウス1・2・3』に高宮敏光さんという片腕の剣士が紹介されていて、
 それで自分にもできるのかなって思ったんだ」

 あとで「ユーチューブ」で見てみました。番組によると、
高宮敏光さんは1歳で右腕を失い、6歳で剣道を始めました。
 その後、剣道の名門・大阪体育大学に入学し、
2006年の日本武道館での全日本学生剣道選手大会に出場、大活躍したのです。
  クマが勇気を得たのもうなずけました。



 それにしても、クマが利き腕を失ったのは、青春まっただなかの頃です。
当然、かなりのショックだったでしょうが…、
当時 僕も見舞いに行ったので、次回そのことなどを書きたいと思います。

 明日、残りの全文を掲載する予定です、また見てくださると嬉しいです(^ ^ゞ

【写真説明】クマ(手前)が二刀流剣士と立ち合う。
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コメント

No title

勇気をいただきました・・

我が長女は左利きだったので 剣道を子供の頃からお稽古にかよいました・・
胴衣を着るのも 免をつけるの 片手ではどうする事も出来ない部分もあるとおもいますが
楽しい!というご本人の言葉の裏に 皆さんと同じように汗が流せる喜びを実感できるからなのでしょうね・・・うらやましいです
とても凛々しい姿に ポチ

No title

☆三叉路さん

ポチありがとうございます(^-^)
がんばっている友達の姿を見て、ぼくも元気になりました。
困難な状況でも前向きな姿勢って、勇気づけられますよね p(^ ^)q

No title

いったい、私の今の左手だけで、何ができるのだろう。手ぬぐいをつけること、防具をつけることも、400回の素振りも片手では、できません。足元にも及びません。
私は、中学3年間で2級までしか習得できず、長いブランクの後、大人になって始める時、それなりの勇気がいりました。でも、彼は違う意味で、もっと、勇気と覚悟が必要だったはず。でも、高宮さんの影響はすごいですよね。もちろんその後の努力で人は変われるはずなんですよね。負けてられません。
特に 「限られた時間の中で考えながら稽古をやっているから、
クリエイティブな感じがして、充実しているよ」
という言葉に刺激を受けました。
清水しゅーまいさん、取材してくれて、彼の存在を教えてくれて
ありがとう<(_ _)>
これからも、素敵な記事書いてください。

No title

☆mentamanさん

読んでくださり、ありがとうございます(^ ^)
勇気をもって新しい1歩を踏み出した友人を見ることができてぼくも嬉しいです。
そして 友人である自分にしか書けない記事を出せて
とても幸せです…!

No title

始めることでまたクマさんは未来への希望を持てたのでしょう。
彼がみた片腕の剣士の姿に「自分にも出来るかもしれない」って、勇気を貰えた。
今度は彼がまた誰かに勇気をあげる存在になって欲しいですね^^
後半も楽しみにしています・・・ポチっと☆

No title

かつて、少し苦い思い出となっている記事をトラバさせてもらいました。

No title

☆あみりんさん

そうですね、片腕剣士・高宮さんからクマ、そしてまた回りの人たちへ……、
ぼくもクマから書きたいという元気や使命感をもらいました。
この勇気をどんどん伝えてゆけたら嬉しいです…!

ポチとても嬉しいです☆彡
トラバもありがとうございます、のちほど熟読させて戴きます。

No title

はじめてコメントをします。
隻腕の方には、独特の気迫があり、その凛とした姿は言葉に表しようがありません。
うちの息子はまだまだですが、がんばって稽古をしてゆきたいと思います。

No title

☆隻腕剣士さん

ブログを拝見しましたよ!
小学生の隻腕剣士である息子さんの姿に、
きっとぼくの友人・クマもまた元気づけられると思います…!
いつか 息子さんとクマの対戦する日が来ることを、期待したいです(^ ^)

No title

ありがとうございます。
また、クマさんと、良い稽古ができるよう
親子共々、がんばりたいと思います。
クマさんにも、よろしくお伝えくださいませ。

No title

☆隻腕剣士さん

親子でがんばっておられる様子が
とてもよくわかって、感銘を受けました(^ ^)
クマにも伝えておきます(^-^)

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清水しゅーまい

Author:清水しゅーまい
ご訪問ありがとうございます(^-^)
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①大河ドラマや歴史の話題、②猫観察、③映画鑑賞、
④裁判傍聴、⑤日本酒など……という感じになっております。
その他、本やテレビ、お気楽な話題に時事問題、
そして、友情・人情・心意気です!

猫愛好家のフリーなライターです

清水しゅーまい
【著書】
『車猫が出てきた! ~ノラ猫の秘密~』2018年(東京図書出版)
『八っつぁんの落語一代記 噺家の来た道、日本の来た道』2015年(彩流社)
このブログを含めてcopyrightは清水しゅーまいです。
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