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「八重の桜」離縁/クーデターなみの変転、廃藩置県

大河ドラマ『八重の桜』
 第31回「離縁のわけ」
【離縁続発】
 1871(明治4)年、八重(綾瀬はるか)は数え年27歳、兄・山本覚馬(かくま 西島秀俊)44歳。
北海道に行って交易を計画していた夫・川崎尚之助(長谷川博己)から、米沢で暮らす八重のもとに文(ふみ)が届きました。なんと、離縁状でした。理由は何も書いてありませんでしたが、実は尚之助は米取引を巡って詐欺事件に巻き込まれ、訴訟に発展していたのでした。
 
山川大蔵(玉山鉄二)は浩と改名し、困窮する斗南(となみ)藩の指揮に当たっていました。が、深刻な食糧不足で藩士の生活もままなりません。尚之助に米調達を託していましたが、訴訟となってしまい、これに負ければ藩は破綻です。苦渋の決断で、やむなく尚之助を見捨てることとなりました。何から何まで斗南移住は惨憺たるもので、「山川を斬る」という声も藩士から出ていたそうです。
 
7月、廃藩置県。斗南藩は斗南県となり、9月には青森県に吸収され消滅。。。
そんな最中、京の覚馬から文が…! 覚馬は無事で、八重たちを京に迎えたいとの内容でした。しかし、覚馬は時栄(谷村美月)との間に娘ができており、妻・うら(長谷川京子)は別れを決断。。。 新しい世になっても、まだ八重たちの苦労は絶えないようです。
10月、京都にて、八重たちは9年振りに覚馬と再会!
 
 


 
 
  歴史話☆彡
【あまり意味のなかった版籍奉還】
 明治当初、新政府は徳川幕府から接収した領土のうち、東京・京都・大阪などの大都市を「府」とし、その他を「県」としました。日本全国に274あった藩は、それまで通りでした。府藩県三治制です。この制度では、雄藩の影響が強く、新政府は思い通りの政治を行なえませんでした。雄藩とは具体的には主に薩長ですが、さすがの木戸孝允大久保利通自分の藩主(殿様)にはなかなかハッキリ物申せなかったのです。しかし、木戸孝允が主導する形で、1869(明治2)年6月、版籍奉還が断行されました。版籍というのは、版図(=土地)と戸籍(=人民)のことです。
 
ところが、藩主がそのまま長官(知藩事)となり、しかも徴税・軍事の権力を握ったままだったので、あまり変化はありませんでした。新政府の徴税力が800万石なのに対し、諸藩は合計2200万石も握っていました。諸藩の力をどう奪うかが、懸案でした。
 
【クーデターなみの大転換、廃藩置県】
 一方、その頃、諸藩では戊辰戦争時の借金が膨大な額になり、頭を抱えていました。鳥取藩の知藩事 池田慶徳(よしのり 徳川15代将軍慶喜の兄)は自藩だけでの藩政改革に限界を感じ、ついに1870(明治3)12月、新政府に廃藩案を建言しました。同じ時期に、尾張藩の徳川慶勝(松平容保の兄)、熊本藩の細川護久、徳島藩の蜂須賀茂韶(もちあき)が廃藩を建言。新政府にとっては渡りに船のはずです。が、肝心の薩長は、他の藩主や藩士の反発を恐れなかなか踏み切れません。
 
そうこうしてるうちに、1871(明治4)年4月、土佐藩大参事 板垣退助が四民平等・士族解体をもとにした議会開設を訴えるようになりました。薩長は焦ります。せっかく版籍奉還を実現したのに、このままでは板垣退助に主導権を奪われてしまいます。薩長は廃藩を真剣に検討。7月9日、東京 九段坂の木戸邸にて、木戸孝允・井上馨・山県有朋・西郷隆盛・大久保利通・大山巌・西郷従道の7名のみで密議。
 
そして、7月14日、電撃的に廃藩置県を宣言しました。突然のことで、ほとんどクーデターに近い荒技です。全国261となっていた藩は、3府72にされ、太政官が任命した府県知事が送り込まれました。新政府は反乱を恐れていましたが、意外なことに反発はありませんでした。諸藩も、藩という体制に限界を感じており、主に家柄で決まる封建的な藩体制より、実力・実績主義の近代的な中央集権体制が時代の趨勢だと悟っていたのです。
 
  英国公使ハリー・パークスの仰天の言葉
「欧州でこのような大変革を行なおうとすれば数年戦争が起こる。人の力ではない」
 
  ~主な参考文献~
あさくらゆう『川崎尚之助と八重 一途に生きた男の生涯』(知道出版)p.203~、215
星亮一『会津戦争全史』(講談社選書メチエ)p.235
吉海直人『カメラが撮らえた新島八重・山本覚馬・新島襄の幕末・明治』(中経出版)p.53
福田和也『教養としての歴史 日本の近代()(新潮新書)p.49
   ~参考映像~
NHK『その時 歴史が動いた』「さらば殿様 ~廃藩置県 激動の内幕~」
NHK『その時 歴史が動いた』「さらばサムライ ~西郷隆盛 徴兵制の決断~」
 
 


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コメント

No title

この回は 見応えがありました。

やっと 離縁のわけもわかり、人の世とは わからないものです。

時代の流れといってしまえば しかたないのかもしれませんが

なんとも 悲しい話でした^^

No title

☆サッチさん
ナイスポチありがとうございます(^-^)

視聴者には尚之助の苦境が分かったけども
八重は知らないようなので
気の毒でしたね。。
どの離縁も敗戦に翻弄されて
悲劇的なものでした。。

No title

八重ちゃんは事の真相がわかっても美談になりそうですが、
覚馬はだめです。

ドラマをちゃんと見てなくてしゅーまいさんの解説だけで流れを読んでますが京で他の女性との間に子ども作っちゃだめでしょー!

廃藩置県はみんないっぱいいっぱいの末の結末だったんですね。
いつも分かり易い解説ありがとう!

おーるポチ★です。

No title

こんばんは~~~~
そういえば「飛ぶが如く」で板垣退助が先回りして、薩長らが警戒してた場面が出てたような・・・(記憶ない)
江戸時代では地方分権でしたけど、廃藩置県とはいわゆる中央集権のことですよね。そしてその名残がず~~と現代に続いてるんですけど・・・
明治維新というのは廃藩だけじゃなくて、学校とか郵便ポストとか、今に通じるものがたくさんありますね。
オールポチ

No title

☆Parlさん
おーるポチどうもありがとうございます(=^▽^=)

覚馬は何しろ9年間も単身赴任で重責もあって
悶々としてしまったようです(゚∀゚;
京にはきれいで華やかな女性がいっぱいいるだろうし
一線を越えてしまいました…!

廃藩置県は本当に、今でいうと
財政破綻している全国の自治体をどうするかという大問題だったので、
クーデターまがいの過激な解決に至りました…!
廃藩置県なんて言葉だけ聞くと難しくてつまらないけども
実際はわくわくするような出来事が起きています(^∇^)

No title

☆とん子さん
オールポチどうもありがとうございます(=^▽^=)

板垣退助はこれから自由民権運動とかやったりしますけども
この頃が一番冴えていたような気がしますね。

地方分権、一時期だいぶ話題になりましたけども、今どうなってるんでしょうね。道州制というやつがいいのでしょうかねぇ。

中央集権は標準語を強いたり全国一律化を進めたりもしましたが
強い日本を形づくりましたね。ずっと先、田中角栄の頃なんかは地方が強過ぎたようですけれど、バランスが大切ですね(^ ^)

No title

こんばんは。
廃藩置県の事をすっかり忘れていたので、斗南藩がなくなるのに気が付きませんでした。
これはショックだったでしょうね。

八重さん達は京都で覚馬さんと再会、なにはともあれ良かったです。
来週からは八重さんの猛勉強が始まりそうですね。

No title

☆ハニー先輩さん

斗南という地名、一所懸命考えていたようだったのに、
あっさり消されてしまって気の毒でしたね。。
いちおう、下北半島の別称が今も斗南半島と言うらしいんですが、
あまり聞いたことないです。

舞台が京都に移って
話が変わってゆきそうですね…!

No title

尚之助の離縁のわけはわかりましたが
八重は相変わらずマイペースですね、この性格はなおらないのか??


覚馬の隠し子はいただけないな
ドラマでは殆ど病人扱いで子作りするとは(笑)

隠し子が発覚して
うらが覚馬からプレゼントされた櫛を
水鏡で確認していたのは刹那く悲しいシーンでした

別れたくて別れたわけではないですが
うらが言った「女の意地です」

娘と離れたくない。しかし生活の面で厳しいから娘のことを考えて覚馬に託す
赤い櫛をみねに渡すシーンは泣けた

今回は泣けるシーンが多く涙が止まりませんでした
長谷川京子も見納めですね
個人的には10年ほど前に色紙を書いていただいいるので。。。。。

No title

☆reo-310さん

尚之助から離縁状を突きつけられても八重はけっこう威勢よかったですね。
銃で戦うくらいだからメンタル面も強いのかもしれませんね。

覚馬、視力が衰えてよろよろしていたけれど精力は大丈夫なようです!
同情的に見ると、
9年間の単身赴任に耐えられなかったということになりそうですね。

うらの櫛は、本当に象徴的で物悲しかったです。
会津女性の意地がしっかり伝わってきました。
長谷川京子の色紙をもらったのですか、
それはうらやましいです(^ ^)

No title

今回は切ない回でしたね。

覚馬が身の回りの世話する下女に手をつけるのは、当時では普通の感覚だと思うんですけど。
生まれたのは女の子でしょ?
それなら本妻が遠慮することなんて、全然っ!なしです(`・ω・´)キリッ
(自分なら本妻の権利は捨てません(`・ω・´)フン!)
とはいえ、そのへんは複雑な女心なんでしょう・・・

廃藩置県・・・殿様にすれば、お金もらって生活する方が楽ですもんね^^;
揉めたのは鹿児島ぐらいかな?

村ナイスヽ(*´∀`)ノ★ぽち

No title

☆栞さん
村・ナイスぽちどうもありがとうございます(=^▽^=)

離縁続発で切なかったですね。。
たしかに当時はお手付きはよくあることだったのでしょうね。。
覚馬の単身赴任生活が長過ぎて、
敗戦のゴタゴタもあって、心が離れてしまったんでしょうかね。。
気の毒なことです

廃藩置県は島津の殿様はさすがにおかんむりだったようですね。
たぶん島津幕府のようなものを開く野心があっただろうから
激怒でしょうね。
維新主導組の殿様にとっては納得いかない部分があったと思いますね。
おとなしい長州の殿様も
この時ばかりはあまりいい顔しなかったみたいです(^ ^)

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清水しゅーまい
【著書】
『車猫が出てきた! ~ノラ猫の秘密~』2018年(東京図書出版)
『八っつぁんの落語一代記 噺家の来た道、日本の来た道』2015年(彩流社)
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