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『坂の上の雲』子規の執念 介護の心労/坂の上通信

まことに小さな国が、開化期を迎えようとしている。……
彼らは…、前をのみ見つめながら歩く。のぼってゆく坂の上の青い天に、もし一朶(いちだ)の白い雲が輝いているとすれば、それのみを見つめて坂を上ってゆくであろう。
 
 
 【子規の執念 介護の心労】
 第2部の2回目、「子規、逝く」
正岡子規(香川照之)はまだ30代なかばでしたが、余命は尽きようとしていました。
残りの力を振りしぼり、新聞「日本」の連載『病牀六尺』を書き続けています。
  子規「淳さん(真之)にとって世界は広い。あっし(わし)には深いんじゃ。……
     痛うて痛うて畳をのたうち回っても、あっしは俳句を詠む。
     まだまだえぇ句が浮かんできよるんじゃ」
 
その執筆にかける執念がすさまじかったですが、今回は、妹の律(菅野美穂)に感情移入して見たかたもいるのでは…。
 兄・子規の介護、部屋の整理、訪問者への対応、創作の清書まで…。
何から何まで「律、律」と用事を言いつけられ、律は兄の面倒を見続けなければいけません。病床で動けない子規が、手鏡を使って妹の動きを追い続け、鏡の中で妹の表情を確認する場面がありましたが…、これでは妹のほうが病気になってしまいそうです。律の心労が、この手鏡の場面によく表現されていました。
 
  律「うちは、いかん妹なんじゃ。
    兄さん、もう死んでもえぇよ、うち時々 心の中で そうつぶやくんじゃ。
    もう充分 苦しんだんじゃけん。
    兄さんの人生は短うても、とてつもなく濃い人生じゃったけん……」
 兄が亡くなると、律は遅ればせながら共立女子職業学校に入学し、自分自身の道を歩き始めたのでした。
 
今回登場した子規の随筆『仰臥漫録』での律の描写…
「律は理詰めの女なり。同感同情のなき木石のごとき女なり。強情なり。
人間に向かって冷淡なり。特に、男に向かってシャイなり。……」
 そして、律を詠んだ句……
  「妹の 帰り遅さよ 五日月」
  「母と二人 妹を待つ 夜寒かな」
     正岡子規1867(慶応3)~1902(明治35)年 満35歳で逝去
 
 
 
 【坂の上通信(各キャラ近況)
 
秋山真之(本木雅弘)1868慶応4~1918大正7
「海軍は一生の大道楽」と言うほど軍事にのめり込む海軍少佐。
愛敬も何もないだから人にこう言われる、天才だが人徳がない」とは、海軍大佐の八代六郎(片岡鶴太郎)の評。
海軍大学校の戦術講座 初代教官に就任し、アメリカ海軍で学んだ兵棋(へいぎ)演習を実施。兵棋演習は今で言うところの戦争シミュレーション ゲームのようなもので、これによって受講生は刻々と変化する海戦を仮想体験するのでした。
  真之「君らは戦史を読み、その結果だけで判断しとらんかったか?
     それでは単なる批評に過ぎない。
     実戦ともなれば、指揮官は身を切るような判断を次々と迫られる。…
     我々を信頼して死を顧みず働く部下達を、決して犬死にさせてはならんのであります」
 
 活人画の鑑賞会で、海軍大将に扮する宮内省御用掛の娘・稲生季子(石原さとみ)と出会いました。
過労が重なって胃腸を病んで入院した時には、季子がお見舞いに…。ちなみに、活人画とは、当時のコスプレみたいなもので、扮装してポーズをとり、有名人や名画などを表現するだし物です。

 


 
秋山好古(阿部寛)1859安政6~1930昭和5
陸軍大佐。天津の清国駐屯軍守備隊司令部(日本駐屯軍)司令官に就任。
英仏等の租界に比べて、日本の租界の整備が遅れているのを見て、自らツルハシ振るって道路工事に加わりました。天津駐在の欧州各国軍人や清国官民にも人気。直隷総督の袁世凱(薜勇)と痛飲、酔ったまま馬で競走します。
  袁世凱「秋山閣下のように酒が強くて馬が上手な日本人は初めてじゃ」

 


 
広瀬武夫(藤本隆宏)1868慶応4~1904明治37
海軍少佐。ロシア駐在武官の任務を解かれ、日本に帰国。真之の兵棋演習に参加し、ロシアの旅順艦隊・バルチック艦隊について語りました。戦艦朝日での艦隊勤務が決定。

 


 
 次回は、「日露開戦」です。
読んでくださったみなさん、だんだん\(^O^)
 
 
 
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コメント

No title

菅野美穂が律の役にピッタリですね あれほど 兄の面倒をみてきたのも その向こうに見える背中をおってきたのか・・・でもそれも・・

正岡子規・・早すぎましたね・・・ 香川子規・・迫力ありましたね ポチ

No title

こんばんは。
ほんとに子規さんが痛そうで、痛そうで・・・
観ていて辛かったです。
看病する方も大変でしたでしょうね。

No title

☆三叉路さん

随筆では妹のことを非難がましく書いている一方で、句では幼児のように妹にただ頼っている…。子規も律も、たいへんな葛藤を抱えていたと思います。今回のドラマは、子規の文学的葛藤という ある意味“きれいごと”だけで終わらせずに律の介護の苦悩も描いていた点が、よかったと思いました。
香川子規も菅野律も、熱演でした…!
ポチありがとうございまーす!(^ ^ゝ

No title

☆ハニー先輩さん

子規の苦しみがよく伝わってきましたね。。
子規の執念だけにスポットライトを当てると、「文学的 志のある男が逝った」という 偉人伝のようになると思うのですが、看病する妹のたいへんさも描いたことで、人間的な生々しさや身近さが感じられる 活きたドラマになってたように思います。

No title

明治時代に家事や看病、何から何までやっていたら、結婚する暇もないでしょうね。
最愛の兄さんを亡くし、でも「これからは自分のために生きる」と決心して学校に入る律さんにエールを送りながら見てました。
しゅーまいさんのブログを読んで、律と母の姿が重なり涙が・・・ポチ☆

「シャイなり」って本当に書いてあるんですね?
「アイ・ラブ・ユーぜよ」みたいな感じでちょっと笑えたんですけど(笑)

No title

☆chacoさん

あの頃に重病人の看護をしていたら、恐らくは それがすべてになってしまったでしょうね。だから 兄妹愛の美しい物語にあえてしないで、妹のストレートな思いも描いたのは、とてもよかったと思いました。
今は当時より介護の施設などは遥かに進んでると思いますが、その代わり大家族や地域社会での見守りが無くなっているので、かえって大変になったことも多いかもしれませんね。。
ポチどうもありがとうございます(*^-^*)

ところで…、「シャイなり」、いいご指摘です! これは間違いないです。
実は、広辞苑の「シャイ」の例文に、まさにこの部分が採用されているんです!
たぶんこの頃の文化人が使い始めた言葉なんでしょうね(^-^)

No title

晩年の子規は寝たきりでしたが、
それでも鬼気迫る力演の香川さんはすごかったですね。
その子規の存在感に負けなかった菅野さんの力演も見事でした。
律が看護に当たったことのみならず、
原作では出てこない律のその後をドラマでは丁寧に描いているのもよかったと思います。

番組を見て、レビューを書くにあたって改めて子規を読みなおしましたが、
私の持っている子規選集になぜか『仰臥漫録』がなく、
律に対する愚痴が書かれている部分を見つけられなかったのが残念でした。

No title

☆鉄平ちゃんさん

香川子規、熱演でした!
菅野律も、負けずによく応えていたなぁと、驚きました。
実はぼくは原作を読んでないのですが…、律のその後が原作にはないんですか…。どうも司馬遼太郎の小説は、登場人物がいきなり出てきたり いつの間にか消えてしまったりするところが、気になってしょうがありません(^ ^;)
子規の著書も読まれたのですね。私も見習って、読書に励みたいものです。。

No title

先週末やっとおいつきました!録画していた先週分を昼間みて
1時間半はやっぱり見ごたえありますね
弥太郎、いい演技しますよねぇ
剣岳見ましたか? それもサイコーでした。

あ、内容に全然触れてないや^^;

No title

☆ななおんさん

ついにご覧になりましたか!
週1回1時間半は、なかなか大変ですよね。ぼくは映画以外では1時間を超えるテレビ番組をめったに見ませんが、『坂の上』だけは見ております。女性ファンが少なそうなので、見てくださってると心強いです(^-^)

『剣岳』、まだ見てないんです(^ ^ゞ たしかちょうど日露戦争の頃の話でしたね。そのうち見てみます。

No title

今回は近代史のドラマなので、時間が合えば観ています。司馬遼太郎は本作のドラマ化にはすごく慎重だったようですね。
日本のドラマの誇れる点は、外国が関わる内容でも、決して自国を美化一辺倒せず、できるだけ史実に忠実に、そして、歴史的考証も携えていることです。この点が、他のアジア諸国のドラマではなしえないところだと感じてます。
来週は日露戦役のお話なので、203高地に行った私のとっては興味をそそるゾーンです。

No title

☆kazunnさん

『坂の上』ほどの大作になると、史実がどう再現されるのか、意図が正確に伝わるかどうか、司馬遼太郎も慎重になったのかも知れませんね。
日本で戦争を扱ったドラマは、いわゆる自虐史観になっていることも少なくないけれど、おおむね歴史考証は重視されているから とんでもなく偏った作品は少ないでしょうね。

203高地に行ったというのは、貴重な体験ですね! 203mというと山としてはたいした高さじゃないけれど、どれほどの戦略的要地だったのか 坂の上で見てしっかり実感したいです。人間ドラマにも注目です…!

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清水しゅーまい

Author:清水しゅーまい
ご訪問ありがとうございます(^-^)
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①大河ドラマや歴史の話題、②猫観察、③映画鑑賞、
④裁判傍聴、⑤日本酒など……という感じになっております。
その他、本やテレビ、お気楽な話題に時事問題、
そして、友情・人情・心意気です!

猫愛好家のフリーなライターです

清水しゅーまい
【著書】
『車猫が出てきた! ~ノラ猫の秘密~』2018年(東京図書出版)
『八っつぁんの落語一代記 噺家の来た道、日本の来た道』2015年(彩流社)
このブログを含めてcopyrightは清水しゅーまいです。
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