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「いだてん」おもしろいこと/フジヤマのトビウオ

大河ドラマ『いだてん 東京オリムピック噺』
 第39~40回「懐かしの満州~バック・トゥ・ザ・フューチャー」脚本:宮藤官九郎

【満州での危機】
 昭和20年(1945年)3月、まだ若い(と言っても54歳の)五代目・古今亭志ん生(ここんてい・しんしょう/森山未來)は、三遊亭圓生(さんゆうてい・えんしょう/中村七之助)とともに慰問演芸会のために満州へと渡りました。
現地で出会ったのが、学徒出陣した小松勝(仲野太賀)です。五りん(神木隆之介)の父親です。

「富久(とみきゅう)」を演じた名人・志ん生。たいこもちの久蔵が火事場を走り回る噺です。それを見た小松勝は楽屋を訪れ、「ガッチャガチャしとって聞きづらか! そもそも、あぎゃん走り方では一里も走れんばい! …呼吸法もなっとらん」 志ん生は激怒しましたが、小松勝が「距離ば延ばしたら…、浅草から日本橋ってせいぜい4~5キロばい、あぎゃん大騒ぎしながら走るとならせめて10キロは走らんと…芝まで走ったらどぎゃんですか!?」
 志ん生が次の席で思い切ってそのように演じたら、おおいにウケたのでした。一カ月ほどの予定だった慰問は、戦争末期~敗戦後のドタバタで帰国できず、難民のような生活に陥ります。そのドタバタの間に小松勝はソ連兵に撃たれて死亡。志ん生はなんとか昭和22年(1947年)2月に帰京。その月のうちに寄席に復帰したのです。
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【おもしろいことをやる!】
 さて、昭和34年(1959年)、NHK15分番組の解説委員で女性に人気の平沢和重(星野源)は、東京オリンピックに反対しています。スポーツ教育の遅れや人材不足、交通・宿泊施設の不備など、要は時期尚早ということ。それに対し、戦後スポーツ復興に尽力してきた田畑政治(たばた・まさじ/阿部サダヲ)は、戦後オリンピック噺を披露し説得! 水泳の古橋廣之進(北島康介)の活躍や、田畑政治本人の衆院選挙落選体験、IOC(国際オリンピック委員会)委員で同志の東龍太郎(あずま・りょうたろう/松重豊)都知事就任などを語ったのでした。田畑は「アジア各地でひどいことしてきた、俺達日本人は。(だからこれからは)おもしろいことやんなきゃいけないんだよ!」
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「スピーチに必要なのは90%の分かりやすさと10%の驚き」と考えていたという平沢和重。


 ドラマがもっと楽しくなる!史実の妙味☆彡
大河ファンのために(=^▽^=)/

【フジヤマのトビウオ】
 昭和24年(1949年)、敗戦から立ち直ろうとしていた日本の人々を勇気づけたのが、文化文明の分野では、日本人初のノーベル賞(物理学賞)受賞者になった京大教授・湯川秀樹博士。そして、スポーツの分野では、ロサンゼルスの全米水上選手権大会で世界新記録をたたき出した古橋廣之進(ふるはし・ひろのしん)です。

前年、日本人は戦争責任を問われて第14回オリンピック、イギリスのロンドン大会に参加できませんでした。その代わり、田畑政治の尽力でロンドン大会と日程・時刻を合わせて全日本水上選手権大会を開催。田畑の言葉「ロンドン大会の記録を上回るものであるならば、ワールド・チャンピオンはオリンピック優勝者にあらずして、全日本選手権大会の優勝者である」
 人々の期待に応え、古橋廣之進が400m自由形と1500m自由形でロンドン大会優勝タイムにぶっちぎりの差をつけて勝利しました。しかし、世界からは「日本のプールは短いのだろう」「時計を間違えたのではないか」などと疑惑をもたれます。

そんな疑惑を自ら打ち払ったのが、ロス全米水上選手権大会に挑んだ古橋廣之進。なんと、400m自由形、800m自由形、1500m自由形、800mリレーのすべてで世界新記録を打ち立て優勝…! 現地の新聞が「ザ・フライイング・フィッシュ・オブ・フジヤマ(フジヤマのトビウオ)」というタイトルで賞讃し、日本人に誇りを、日米に和解をもたらしたのでした。

昭和27年(1952年)、第15回オリンピック、フィンランドのヘルシンキ大会で日本は待望の五輪復帰。古橋は期待されていましたが、その前の南米訪問の際に生水を飲んでアメーバ性赤痢にかかって体調を崩してしまい、400m自由形決勝で8位。実況をしたNHKアナウンサー飯田次男は「日本のみなさん、どうか古橋を責めないでください。古橋の活躍なくして戦後の日本の発展はありえなかったのであります」と、語りかけたのです。

  ~主な参考文献~
『日本全史(ジャパン・クロニック)』(講談社)p.1097
週刊「昭和タイムズ」28号・昭和24年(デアゴスティーニ・ジャパン)
●ホームページ:笹川スポーツ財団
佐野慎輔「「古橋を責めないでください」―時代の不幸を思う」
 http://www.ssf.or.jp/history/Olympic_legacy/tabid/1767/Default.aspx



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コメント

こんにちは^^♪

フジヤマのトビウオ、古橋広之進(広の旧字体が変換できません^^;)さんがお亡くなりになって10年ですね。
古橋さんの役を北島康介が演じると聞いて
『大丈夫なのか?』と思ってしまいました。
たぶん演技の経験はないですよね???
いだてんはちょっと不運に見舞われてますね。
阿部サダヲも星野源も大好きなのに~!

☆つばきさん

どうもありがとうございます(^-^)
古橋広之進、10年前まで存命でしたか…!
思ったほど台詞や演技は無くて
泳いでいる場面がほとんどだったし
北島康介しっかりやり遂げましたよ(^∇^)
いだてん、傷まみれですが
明治から昭和までの流れがずっと分かって
見てきてお得感を感じています♪

No title

古橋さんの役を北島康介が演じると聞いて
『大丈夫なのか?』と思ってしまいました。

私も思った~!
元水泳選手だからって水泳選手の役できるのか?って。
泳いでる場面がほとんどなら、心配無かったですね^^

☆ジュディままさん

どうもありがとうございます♪
北島康介、もっと攻めてくるかと思ってたら
本職の泳ぎがほとんどでした~
せっかくなので
本格的な俳優転向を目指してほしいです(^∇^)

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①大河ドラマや歴史の話題、②猫観察、③映画鑑賞、
④裁判傍聴、⑤日本酒など……という感じになっております。
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そして、友情・人情・心意気です!

猫愛好家のフリーなライターです

清水しゅーまい
【著書】
『車猫が出てきた! ~ノラ猫の秘密~』2018年(東京図書出版)
『八っつぁんの落語一代記 噺家の来た道、日本の来た道』2015年(彩流社)
このブログを含めてcopyrightは清水しゅーまいです。
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