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映画「人間失格」命削り家族破壊し書き続ける凄味

 映画『人間失格 太宰治と3人の女たち』を見てきました。
3人の女優それぞれ熱演で惹き込まれました。「R15+」なのでヌード出てきますよ~。特に二階堂ふみは潔い脱ぎっぷりです。

映画IMG_0945

脚本:早船歌江子
監督:蜷川実花(『ヘルタースケルター』)
音楽:三宅純
主題歌:東京スカパラダイスオーケストラ
   「カナリヤ鳴く空 feat. チバユウスケ」
   2019日本作品

【主な登場人物:キャスト】
太宰治:小栗旬
美知子(妻):宮沢りえ
静子(愛人):沢尻エリカ
富栄(最期の愛人):二階堂ふみ
佐倉(編集者):成田凌
坂口安吾:藤原竜也
三島由紀夫:高良健吾
伊馬春部(太宰の友達):瀬戸康史
薫(静子の弟):千葉雄大



【あぁ死ぬかと思った!】
 冒頭は、1930年(昭和5年)、21歳の時の心中未遂。月夜の海で熱烈なキスをしながら流されてゆくも、自分だけ助かって「あぁ、死ぬかと思った!」(笑) あとは敗戦1年後の1946年(昭和21年)から、太宰治(小栗旬)の情死する1948年(昭和23年)までが描かれています。

書くためなら何でもやる太宰治の、見かけは豪快で内面はカツカツの繊細で、背徳的な「恥の多い生涯」が赤裸々に。『ヴィヨンの妻』で妻の美知子(宮沢りえ)のいじらしさを書き、熱烈なファンの静子(沢尻エリカ)と愛人関係を結ぶと、彼女の日記をもとに『斜陽』を書きます。さらに今度は富栄(二階堂ふみ)という女性を口説いて…、とやり放題の太宰。そして、毎日飲んだくれ。
編集者(成田凌)から「心の底から軽蔑します。(でも)書いてください、人間失格(というテーマで)。どこまでも罪深い小説を!」などと、頼まれるのでした。

   お奨め度  3・5
   (5点が満点 5傑作 4見る価値充分 3興味深い 2いま一つ 1駄作)

【命削り家族破壊し書き続ける凄味】
 妻、愛人、最期の愛人と、三者三様それぞれの太宰に対する愛し方が見どころ。太宰の女性関係はあんまり愉快な話ではないけども、最期、彼が死ぬことによって3人みんな幸せになる…という展開は見事でした。

男性陣もいい演技していて、太宰治の小栗旬はもちろん、「地獄を見て書いてるか、もっと堕ちろよ」と発破を掛ける『堕落論』の坂口安吾を藤原竜也が、「太宰さんの文学が嫌いです。やたらと死を匂わせる弱々しい文学…。文学を見世物小屋の興行にしてしまった」などと息巻く若き日の三島由紀夫を高良健吾が好演。この作家対決を、もっと見たかったです。

命を削ってすべてを破壊し書く太宰治の姿が浮き彫りになっていました。個人的には、太宰治は、悲劇にさえユーモアを漂わせてしまえるその筆力に驚かされます。読む者の心情とシンクロさせる技術も、ものすごいですね。39歳の若さで亡くなってしまったのが惜しいようなよかったような、複雑な気持ちになります。


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#人間失格 #太宰治 #蜷川実花 #小栗旬
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コメント

No title

なんでそんな若くして死んじゃったのですか?
情死するって気になるんですけど^^;
ちび姉ちゃん国文学科だったから
太宰だの三島だのって詳しいんだけど
お母さんはお馬鹿なの^^;
お友達のマダムが「人間失格観たけど、なんだかな~だった」って。
脱ぎっぷりに惹き込まれる事ないもんな。
あ、脱ぎっぷりじゃなくて熱演か~(笑

☆ジュディままさん

どうもありがとうございます(^-^)
また助かるつもりで心中したのではないか
と思うんですが、
本人にしか分からない永遠の謎です。
小栗旬、けっこうハマッていたと思うけど
ダメッぷりがそうとう描かれているので、
これはいい映画だ!って感じではなかったです。
でも、それぞれ役にハマッていて、そこは
とてもよかったですよ(=^▽^=)
国文学科のちび姉ちゃんのご意見も
聴きたいところです(^ ^)

No title

地元では太宰よりも長兄で、政治家だった津島文治の方が超有名でした。
うちの父親なんかは、作品がどんなに良くても、玉川上水に身を投げるなんてとんでもない、と言っていました。
私は、その頃は、すごく好きだったですけど。
今は地元でも、作家太宰、素晴らしい!!です

☆いくにゃんさん

どうもありがとうございます♪
太宰治のお兄さん、
有力者だとは聞いてましたが
そんなに有名人なのですね…!
太宰治当人のほうは、
自殺でしかも心中ですから
センセーショナルですよね。
まだぼくは青森未踏ですが、行く時は
ぜひ斜陽館に立ち寄ってみたいと思っています(=^▽^=)

おはようございます^^♪

そういえば・・・
↑のいくにゃんさんのブログにお邪魔したとき
ちょうど桜桃忌の時期で太宰の話をしていたんですよ。
いくにゃんさんの地域は太宰のお膝元だし
いくにゃんさんは文学に詳しいんですよ。
『醜聞が多くて地元では嫌われていた』とおっしゃってました^^;
いくにゃんさんが幼い頃、新聞にそう載ってたみたいです。

☆つばきさん

いつもありがとうございます(^-^)
太宰治についてお話したんですか、
仲間に入りたかったです(^ ^)
そっかぁ、
ホーム・グラウンドでは評判悪いんだ(笑)
その評判の悪さも武器にしてしまった
太宰治はやっぱりすごい気しますね(=^▽^=)

No title

こんばんは。

映画の予告編で、東京スカパラダイスオーケストラの
『カナリア泣く空』が流れて、気になっていました。
1st. dayに観に行きたいです。

二階堂ふみは、映画『日々ロック』でRC Succession
『雨上がりの夜空に』を歌ってたけど、女性にあの歌
を歌わせるなんて、セクハラですよね(笑)

https://www.youtube.com/watch?v=NUNAx4c08Lg

蜷川実花の監督作は『さくらん』を映画館で観ました。
土屋アンナ演じる花魁と、椎名林檎の音楽が良かったです。

太宰の情死未遂を描いた『晩年』を読んだけど、
あまり共感できませんでした。
時代は違いますが、彼女のナンシー=スパンゲン
殺害容疑で逮捕され、数日後にクスリで死んだ
シド=ヴィシャス(Sex Pistols)も、好きではありません。

☆戦艦長門(有希)ちゃんの消失 in ビキニ環礁さん

どうもありがとうございます♪
見てみました。
選曲もヘンだけど映像もヘンですね(笑)

『晩年』はまだ若い頃の、初作品集ですし
いくらかつたない部分あるのかもしれません。
センセーショナルな死には共感できるかどうか
難しいところですね。

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このコメントは管理人のみ閲覧できます

☆2019/09/23(19:32)さん

本当ですか~!
未来の楽しみ増えました(^-^)

No title

高校のころ人間失格を読み、とてもショクを受けました。もともと順風満帆な学生生活を送っていて努力すれば報われる社会に生きてましたから・・・
何でこんな自堕落な生活をおくれるのかと・・
今でもそういう世界は耐えられません
好きな人は好きなんだなあと思う次第です。
小栗しゅんさんは好きなんですけれど・・

☆みっちゃんさん

どうもありがとうございます(^-^)
太宰治のように
自堕落な方向に努力するというのは
まっとうな生活を送っているかたからは
なかなか理解できませんよね。
いろいろ読むと、
書く方向でもそうとう努力と葛藤を
重ねていた人なんだなぁってのは
分かってきますが、
それでも人間失格は読んだり見たりして
腹立たしい場面も少なからずありますね(笑)

No title

おひさしぶりです。

中一で人間失格を読んでもんのすごいブルーになったのを思い出します。。。

文学を後世にのこしたとはいえ、もったいない生き方かな・・・と

☆えっぴさん

書き込みどうもありがとうございます(^-^)
フェイス・ブックちょくちょく拝見してますよ♪
人間失格、大人になって読むと
意外とユーモアがそこかしこにある…
と感じるのではないかって思いますよ(^∇^)
短い一生を走り切ったとは思いますが
たしかにちょっともったいないですよね。。

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