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「いだてん」二・二六事件で柳家小さん一席演じる

大河ドラマ『いだてん 東京オリムピック噺』
 第33回「仁義なき戦い」脚本:宮藤官九郎

【「俺は嘉納治五郎にはなれん」】
 昭和9年(1934年)12月、脊椎損傷で倒れた嘉納治五郎(役所広司)74歳に代わって、伯爵の副島道正(そえじま・みちまさ/塚本晋也)IOC委員が、イタリア首相ベニト・ムッソリーニ(ディノ・スピネラ)に会いにローマへ。気分屋で「陽気な独裁者」と呼ばれるムッソリーニ。イタリア大使・杉村陽太郎(加藤雅也)の奔走で、会談の機会を得たのでした。田畑政治(たばた・まさじ/阿部サダヲ)は記者として同行です。

「陽気な独裁者」と呼ばれるムッソリーニ。
大河33IMG_0924

すぐ年が明けて昭和10年(1935年)1月、今度は会談寸前に副島伯爵が肺炎で昏倒。何とか持ち直してムッソリーニとの会談は成功して、日本が目指す昭和15年(1940年)東京オリンピック招致への協力を取りつけた……と思ったら、2月、ノルウェー・オスロIOC総会で波乱が! イタリア代表のIOC委員でローマへの招致に私財を投じるボナコッサ伯爵(フランチェスコ・ビショーネ)が、「スポーツに関しては政府でも口出しさせない」と。

3月1日の投票日、第3代IOC会長アンリ・ド・バイエ=ラトゥール(ヤッペ・クラース)は「政治的圧力をIOCは認めるわけにはいかない」と、投票延期を宣言。
大河33IMG_0926
杉村大使は「嘉納治五郎なら、こんな事にはならなかった」と言われてしまいました。言語堪能の杉村ですが、「俺は嘉納治五郎にはなれん」と自信喪失です。その嘉納治五郎が手紙を出してくれたお蔭で、ラトゥール伯爵が訪日することに!


 ドラマがもっと楽しくなる!史実の妙味☆彡
大河ファンのために(=^▽^=)/

【二・二六事件で柳家小さん一席演じる!】
 落語家と二・二六事件と言えば、人間国宝の五代目・柳家小さんです。本名を小林盛夫と言い、当時21歳、噺家としてはまだ前座で栗之助と言いました。

「弾薬受領に行け!」
 時は昭和11年(1936年)2月26日。陸軍麻布3連隊に所属したばかりの小林盛夫は上官から命令を受けました。未明の「非常起こし」で、盛夫は眠い目をこすりながら命令通りに行動しました。すると、驚くべきことに実砲を手渡されたのです。
――演習じゃねぇのか!?
 小隊長に質問したかったが、とてもそんな雰囲気ではありません。

50年振りの大雪が降り積もった帝都東京。その雪を踏み締めながら、陸軍の青年将校らがおよそ1400名の下士官・兵士達を率いて行動を開始していたのです。警視庁前に着いた盛夫は自分の担当である重機関銃の設置と弾丸装填を行なっていました。
――まさかこんな東京のド真ん中で実弾装填をするとは……
 盛夫らの作業が終わるのを待ち兼ねたように、兵を束ねる野中四郎大尉が声高く言いました。
「警視庁屋上を占領!」
 その声と同時に、銃剣付き小銃を構えた部隊が一斉に警視庁へと突っ込んでいったのです。

やがて、盛夫は自分が「昭和維新」を目指す決起部隊に参加していることを悟りました。昭和維新の首謀者達は、元老・重臣や独占資本的な財閥、腐敗した官僚・政党、そして軍閥までもが国民を苦しめていると断じ、天皇を惑わす要人をクーデターで実力排除し、軍部中心の新政府実現を謀ったのでした。世に言う二・二六事件です。

しかし、首相暗殺に失敗し、しかも天皇が激怒していると伝わります。「決起部隊」は「叛乱部隊」にされてしまったのです。
そんななか、班長が盛夫に言いました。
「小林、元気づけのために一席演(や)れ!」
 前座名・栗之助こと小林盛夫は、とうとう近代日本史上最大のクーデター事件の最中、落語を演じるハメになってしまったのでした。演目は「子ほめ」。命がかかったこんな時に、わずかな笑いも生じなかったと伝わります。小さん、人生最悪の高座だったと言えましょう。

  ~引用文献(どちらも拙著)~
柳家さん八・清水しゅーまい『八っつぁんの落語一代記 噺家の来た道、日本の来た道』(彩流社)p.157~
週刊「昭和タイムズ」24号・昭和11年(デアゴスティーニ・ジャパン) 二・二六事件の項など



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清水しゅーまい


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コメント

No title

自分が何してるかも分からずに
そんな重大な場面に巻き込まれて
しかもうける訳ないのに高座までさせられて
可哀想ね^^;
でもそんな経験があったからこその人間国宝かも。
しゃーまいさん、ヤフーで最後の記事に3ケタの数字の問題出したでしょ。
ファイナルアンサーで1つ選んでくださいませ^^

☆ジュディままさん

いつの時代も末端の兵士には
悲哀が漂いますが
落語させられたなんてのは
古今東西たった1人だと思います(笑)
笑いのまったく起きない人生最悪の高座でしたが、
度胸がついたと思うし
おっしゃる通り
きっと人間国宝になる貴重な「かて」に
なったと思えますね(=^▽^=)
数字選んで書き込みました~!

こんにちは^^

小さん師匠って“あさげ”の人ですか???
いや・・・ちょっと待って!
小さん師匠は最近の方だと思っていたのですが
まさかの二・二六事件!!!
確か若かりし日のしゅーまいさんのお母さまが
剣道の相手をされたんじゃなかったですか?
その方が二・二六事件・・・。
そうか!自分がオバサンなことを計算に入れてなかった~(笑)

☆つばきさん

いつもありがとうございます(^-^)
そうなんです、あさげの小さん師匠、
二・二六事件に参加してました(°∀°)
よく憶えていてくださいました、
わが母の剣道の相手もして戴きました♪
小さん師匠、87歳までご存命だったし
親近感あるから最近のかたのようにも
思えるのではないかという気がしますよ(=^▽^=)

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①大河ドラマや歴史の話題、②猫観察、③映画鑑賞、
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そして、友情・人情・心意気です!

猫愛好家のフリーなライターです

清水しゅーまい
【著書】
『車猫が出てきた! ~ノラ猫の秘密~』2018年(東京図書出版)
『八っつぁんの落語一代記 噺家の来た道、日本の来た道』2015年(彩流社)
このブログを含めてcopyrightは清水しゅーまいです。
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