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「西郷どん」福沢諭吉が西郷評価/遣韓で朝鮮開国へ

大河ドラマ『西郷どん』
 第42回「両雄激突」原作:林真理子/脚本:中園ミホ
【仲間割れ征韓論政変】
 時は明治5年(1872)から6年(1873)かけて、
西郷隆盛(鈴木亮平)は数え年4647歳。
 
岩倉使節団が欧米視察に出ている間、西郷は「留守政府」を率いていました。留守中、人事・政策変更は行なわない約束でしたが、疑獄事件を起こした長州出身の山県有朋(やまがた・ありとも/村上新悟)井上馨(かおる/忍成修吾)を更迭。代わりに、土佐の後藤象二郎(瀬川亮)と肥前・佐賀の江藤新平(迫田孝也)同じく大木喬任(たかとう/濱田嘉幸)を参議に迎えました。そして、徴兵制度、学校教育制度、地租改正、鉄道・製糸場の開業、太陽暦採用、裁判所設置などなど矢継ぎ早に改革を実施したのです。
 
岩倉使節団から一足先に帰国した大久保利通(瑛太)ですが、このドラマではいつも江藤新平がトンがっている感じで「大久保卿の(土産)話ばじっくりと聞かせて戴く時がなかとです。莫大な税ば費やした挙げ句、何の成果も上げられんやったあなたの席は、もうここにはなか!」
 
大久保は、急病で床に就いている西郷を訪れ、新参議の人事無効を訴えます。
「船頭が多過ぎる、政にならん! 議論など無用じゃ! ドイツのビスマルクは話し合いなどいらんち力業で300もの小国を一つにまとめあげた…」
 
その頃、朝鮮国との対立がおおごとになってきていました。「朝鮮国は我が国を、西洋のマネゴトばかりしている夷狄(いてき)じゃ禽獣(きんじゅう)じゃとまで罵り…」
 命懸けの全権大使派遣が検討され、西郷派遣が内定されたのですが…。
 
 



 ドラマがもっと楽しくなる!史実の妙味☆彡
大河ファンのために(=^^=)
【岩倉使節団の挫折】
 岩倉使節団は長い目で見れば、団員達に衝撃・刺激を与え、そこから多くの人材を育てた国家事業として評価できます。が、短期的視点では、失敗でした。そこで、こんな狂歌が詠まれています。
「条約は 結びそこない 金は捨て
     世間へ大使 何と岩倉」
 なんとも手厳しい歌ですね。
 
ところで、西郷隆盛は、岩倉使節団の乗った船が横浜港を出航したあと、あの船が沈めば「誠に愉快」だと板垣退助に向かって言ったそうです。もちろん冗談なのですが、今なら炎上ものかも()
 
 
【福沢諭吉から評価された西郷留守政府】
 西郷の留守政府は、急速に改革を推し進めて反発を招きながらも、同時代人からは比較的評判がよかったようです。福沢諭吉が死の間際、のちの大久保政権時と比べて留守政府時にはずっと言論の自由があった、と評しているのです。これは西郷の指導力や大らかな資質あってこそ、と言えそうです。
ただし、ドラマではほぼ消えた島津久光が、実は留守政府時もかなり西郷批判をし続けており、鹿児島は独立国のようなありさまでした。西郷はそれをなだめるのに必死で、ほとんど力を発揮できなかった…と評する研究者もいて、見解が分かれています。
 
 
【征韓によって朝鮮国の目を覚まさせる!】
 征韓論と言うと、ずっと後の侵略的傾向のある軍事大国日本と結びつけて考えてしまいがちですが、ちょっと違います。まず、当時は現実問題として、むしろ日本のほうが侵略の脅威にさらされていたことを忘れてはなりません(特に大国ロシアからの脅威)
征韓論というより、西郷大使を派遣して朝鮮国を鎖国から揺さ振り起こす「遣韓論」とでも言うべき行動だったと考えることもできます。
 
征韓論そのものには、吉田松陰や橋本左内などの憂国の志士達も関心をもっていました。日本だけでなく隣国朝鮮もなんとかしなくてはならないという意見が大勢を占めていたのです。朝鮮国からすれば余計なお世話かも知れませんが、例えばロシアの勢力下に入られでもしたら、日本は危機的状況を迎えます。そこで西郷は、ロシアの脅威に備え、北海道に桐野利秋(中村半次郎)を派遣したりもしています。
 
木戸孝允(たかよし)あたりは明治維新直後からすでに政府高官の腐敗を嘆き、綱紀粛正を図り国家針路を明らかにするために、または士族の活躍場所をつくるために征韓が必要だと考えていました。
西郷も基本的には同じ意識でしたが、実は当初そんなに征韓に関心あったわけじゃありません
 
西郷を刺激したのは、明治6年(1873)3月、肥前・佐賀出身の外務卿の副島種臣(そえじま・たねおみ)が特命全権大使として清国に渡り、外交成果を上げたことです。副島はその勢いをもって朝鮮問題を解決したいと言いました。
しかし、西郷どん、この副島の成功を見て、自分がその命懸けの仕事をやりたくなってしまったらしいのです!
ロマンと危険に満ちた男、西郷どんでした…!
 
  ~主な参考文献~
家近良樹『西郷隆盛』(ミネルヴァ書房)p.376~、379~、381~、388~、392~、398~、407~、412~、417~、419
北康利『命もいらず名もいらず 西郷隆盛』(WAC文庫)p.291
半藤一利『幕末史』(新潮文庫)p.432~、437~、441~、444
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コメント

No title

岩倉使節団が戻らなかったら、維新はもっと違った形になったかもしれませんね。でも結局は先の大戦を経て今の日本につながった大きな流れは変わらなかったんじゃないでしょうか

No title

☆千葉っ子 しんちゃんさん
そうですね
大きな流れは変わらなかったかもしれないですね。
このあとの日本で
大正時代の原敬暗殺だとか
あまりにも
不幸な事件が多発したのが残念でなりません。

No title

だんだん分からなくなって来た(--;)

今は目を閉じてラジオがわりに聞いてます(*≧∀≦)ノポチ

No title

だんだん分からなくなって来た(--;)

今は目を閉じてラジオがわりに聞いてます(*≧∀≦)ノポチ

No title

☆栞さん
ポチどうもありがとうございます(^-^)
幕末から明治へと
一気に時代が大転換して
話が分からなくなってきますね(^ ^ゞ
寝つけない時などに
ラジオ代わりにどうぞ~(笑)

No title

☆2018/11/14(水)午後5:57さん
とてもいい選択をして戴きまして
どうもありがとうございます(^ ^)

そうなんです
鈴木亮平、
役者魂を感じさせてくれます…!

No title

いつも感心してしまうのですが鈴木さんはすごい役作りですね
いつの間にか見惚れます
物語も大きく展開してきますね
そして今がある考えますね
いつも素敵な解説になる程と頷きます
ナイス

No title

こんばんはでごわす。

今宵は「Ozzにゃん」に薩摩隼人が憑依しているでごわす。

9月頃より、『西郷どん』はご無沙汰しているでごわす。
そんな俺(おい)でごわすが、ビスマルクについて解説するで
ごわす。

オットー=フォン=ビスマルクは、「鉄血宰相」の二つ名で
有名な、プロイセン王国→ドイツ帝国の宰相でごわす。
彼は、卓越した政治手腕で、「30年戦争(1618~48)」以来、
黒歴史に埋もれつつあったドイツ(プロイセン)を、再び欧州
列強の一角に返り咲かせた立役者でごわす。

富国強兵と社会保険制度による「鉄血政策」でプロイセンを
強国にし、オーストリアとの普墺戦争、ナポレオンⅢ世率いる
フランスとの普仏戦争で欧州に覇を唱えたでごわす。
駄菓子菓子、皇帝:ヴィルヘルムⅡ世と対立して失脚するでごわす。

No title

見てました、今回は
ナイス

No title

☆みっちゃんさん
ナイスどうもありがとうございます(^-^)
鈴木亮平さんの役作りは
とても気合い入っていて
西郷さんも喜んでいると思います(^ ^)
物語が明治に入って大展開です、
日本はたくさん国難を乗り超えてきたので
活躍してきた人達を忘れたくないですね(=^▽^=)

No title

☆Ozz☆にゃんさん
おぉ、Ozz☆にゃんさんには
薩摩隼人も憑依するんですか(笑)!
どうもありがとうございます(=^▽^=)
ビスマルク、
偉大なドイツ宰相ですね…!

No title

☆ぎいさん
見てましたか!
いつもありがとうございます(=^▽^=)

No title

いつの時代も政治家の海外視察は物見遊山と言われがちかも?
明治の政治家はそれぞれ必死だったと思いますけれど。
だがしかし、仮にも盟友の乗った船が「沈めばいい」などと
西郷どんは結構キツイっすね~(;^_^A
オール☆チェスト!

No title

☆風森湛さん
オール☆チェスト!いっぱいありがとうございます(^-^)
当時は本当に命のやり取りをする時代ですし
廃藩直後の激しい情勢もあって
冗談もキツくなったのでしょうね(笑)

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ご訪問ありがとうございます(^-^)
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①大河ドラマや歴史の話題、②猫観察、③映画鑑賞、
④裁判傍聴、⑤日本酒など……という感じになっております。
その他、本やテレビ、お気楽な話題に時事問題、
そして、友情・人情・心意気です!

猫愛好家のフリーなライターです

清水しゅーまい
【著書】
『車猫が出てきた! ~ノラ猫の秘密~』2018年(東京図書出版)
『八っつぁんの落語一代記 噺家の来た道、日本の来た道』2015年(彩流社)
このブログを含めてcopyrightは清水しゅーまいです。
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