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「西郷どん」西郷襲撃!新選組/薩摩で倒幕反対激化

大河ドラマ『西郷どん』
 第34回「将軍慶喜」原作:林真理子/脚本:中園ミホ
14代将軍と天子様が次々逝去】
 時は慶応2年(1866)西郷吉之助(隆盛/鈴木亮平)は数え年40歳。
今回は話が一気に進みました。ドラマの要点と、ハショられた点を補って書きます。
まずは6月に長州再征伐が始まりましたが、7月20日、14代将軍家茂(いえもち/勧修寺保都)21歳の若さで死去。死因は脚気衝心(かっけしょうしん)で、ビタミンB1欠乏だとか、糖尿病からの急性心臓障害だとか。当時は慶喜による毒殺がウワサされたそうです。
 
その一橋慶喜(松田翔太)は徳川家を相続しましたが、将軍就任は回避。ここから「将軍空位期」と呼ばれる異常事態が4カ月あまり続きます。慶喜は当初、自ら長州へ出陣する勢いを見せましたが、幕軍の劣勢を知らされると一転して出陣中止に。頭の回転が速かったからでしょうが、回りから見たら笑いものです。
 
その後、天子様(孝明帝/中村児太郎)の強い要望があり、12月5日、15代将軍・徳川慶喜が誕生しました。ところがそのわずか20日後、孝明帝が崩御。これについては長らく岩倉具視などによる毒殺説が幅をきかせていましたが、現実は出血性痘瘡(天然痘)による病死とのことです。
 
 
【四侯会議から大政奉還まで】
 年が開けて慶応3年(1867)、吉之助と大久保一蔵(のちの利通/瑛太)は、雄藩諸侯を抱き込むために奔走。慶喜独断で決めた兵庫開港に待ったをかけ(それと長州問題を解決して)、徳川はもう無力であることを示す…。
 
奔走の結果、島津久光(青木崇高)前土佐藩主の山内容堂(ようどう/大鷹明良)伊予・宇和島藩の前藩主・伊達宗城(むねなり/長谷川公彦)越前・福井藩の前藩主・松平春嶽(しゅんがく/津田寛治)四侯(しこう)が上洛。京の二条城にて、徳川慶喜も交えて会議が開かれました(5月14日~)
吉之助たちの思惑とは裏腹に、慶喜が会議を主導。それどころか慶喜は「御一同のフォトグラフを撮る」と言い出すなど、余裕を見せました(この時の写真は福井市立郷土歴史博物館に現存しています)。ひとまずは将軍慶喜の勝利です。
 
このドラマでは将軍慶喜が悪者で、吉之助は「慶喜公が異国に日本を切り売りしようちしちょっ。…武力をもって徳川を討つ!」
その頃、坂本龍馬(小栗旬)が。。。
土佐藩参政(古い門閥から出てくる「家老」とは別の、有能な政治顧問)後藤象二郎(瀬川亮)が「このままではまっこと土佐は時流に取り残されてしまうぜよ!」と焦っていると、龍馬は「妙案があるがです。戦をせんと、幕府を取り潰せる策が…」
 
こうして土佐藩の献策と、慶喜の英断によって1013日、大政奉還…!
 
 



 ドラマがもっと楽しくなる!史実の妙味☆彡
大河ファンのために(=^^=)
 ドラマではスルーされましたが、実は、この時期、吉之助は何度か死の危機に遭っています。1度目は慶応2年(1866)12月。場所は京都、犯行はあの新選組によって実行されました。吉之助を危険視していた新選組は、それらしき男を発見し、ためらいなく殺害…! しかし、それは吉之助の付き人のようなことをしていた琉仲祐(りゅう・なかゆう)という人で、いつもそばにいたのと大柄だったのとで間違って殺されてしまったのです。
 
この気の毒な琉仲祐は、吉之助が一時的に(75日間)徳之島に流された際に世話をしてくれた人で、島役人・琉仲為(なかため)の養子でした。琉仲祐は、吉之助をすっかり敬愛するようになり、島流しが終わったあとも付き人を続けていたのでした。ドラマには石橋蓮司が演じる居候(いそうろう)の川口雪篷(せっぽう)が出ていますが、あの人と同じような感じで、吉之助を慕う人々はたいへん多かったのです。
 
 
【薩摩で倒幕反対激化…! 西郷殺害の危機】
 実は、この時期に至っても、薩摩藩の国父(こくふ=藩主・島津忠義の父)である島津久光は倒幕(討幕)を決めかねていました。ドラマでは今まであっさり倒幕が語られてきましたが、久光はそこまで楽観視していませんでした。武力的にいくつかの藩と協力しなければならず、そして実は、いわゆる薩長同盟(薩長連合、薩長盟約)は今まで語られてきたほどの強固な同盟内容じゃなかったからです。
 
なによりも、特に地元・薩摩で、倒幕出兵に反対の藩士がかなりの勢力を誇っていました。その理由は主に、「長州藩の二の舞(朝敵)になる、兵は強くともすぐに兵糧切れになる、暴挙である」というものでした。まず、久光の次男で主席家老の島津図書久治(ずしょ・ひさはる)が強硬に反対(ちなみに、久治はこの件があとを引き、明治5年に拳銃自害に至りました)
恐ろしいのは、文久2年(1862)寺田屋事件で鎮撫使として流血の活躍を見せた奈良原繁(喜八郎)が、「西郷など万一聞き入れこれ無くば、刺し殺し申すべき考えなり」とまで発言しており、かなりの迫力を感じさせていたことです。また、禁門の変(蛤御門の変)で刀を振りかざし活躍した、当時の薩摩の有名人・川上助八郎という勇猛な藩士も大反対。
 
大政奉還直前の段階では、とうとう京の薩摩藩邸で吉之助は孤立気味となり、反対派が西郷宅に押しかけて「倒幕挙兵には大義が無い…!」と詰め寄って吉之助は危うく殺されかけたほどです。
 
もう一つ倒幕反対派の大きな理由に、経済的なものがありました。出兵には莫大な費用がかかり、藩も各藩士達も負担を感じていたのです。軍艦購入などで藩財政の大悪化が進んでいて、藩士個人が自らの負担で小銃を購入させられたりしていました。いざ出兵となると借金までしなければならず、実際に薩摩藩士はあとあと返済に苦しむことに。。。病気理由の従軍辞退者が続出したそうです。
倒幕(討幕)は実にスレスレの状況で行なわれていたのでした…!
 
  ~主な参考文献~
家近良樹『西郷隆盛』(ミネルヴァ書房)p.205~、217~、253~、264
北康利『命もいらず名もいらず 西郷隆盛』(WAC文庫)p.220~、229~、138231~、128
半藤一利『幕末史』(新潮文庫)p.242

福田智弘『日本史が「時系列」だからわかりやすい!読む年表 幕末暦』(じっぴコンパクト新書)p.195

 

 
 

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     清水しゅーまい


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コメント

No title

激動の時代信念をもとにいろいろ切磋磨するんですね。いつも時代をも切り抜けて生き延びるって事は大変なことだったんですね
西郷さんは切り抜けたのに…その人柄ゆえになんですね
ですよね
ナイス

No title

☆みっちゃんさん
ナイスどうもありがとうございます(^-^)
そうですね~
西郷さんも徳川慶喜も
それぞれの信念があって
どちらが正しいかは難しいところですが
人柄は西郷さんが断然よかったと思います(=^▽^=)

No title

見てました。だんだんだん面白く

成りましたね。ナイスです、

No title

☆ぎいさん
見てましたか!
ついに大政奉還になって
これから戦が始まりそうですね~!

No title

あら!私はずっとトモミの天皇暗殺を信じておりましたよ(笑)。
新選組、出してくれないかな~と思ってましたが
そんな枠は有りませんでしたね(* ´艸`)

No title

☆風森湛さん
ナイス!どうもありがとうございます(^-^)
岩倉具視、
怖い顔だし怪しい人物ですが
無実のようです(^ ^)
新選組、少しくらい暴れさせてほしいですね(笑)

No title

『錦』 幕X Japan

https://www.youtube.com/watch?v=cyqt5BLjSFM

薩摩は公武合体 幕政改革
長州は攘夷 攘夷 攘夷 to the World
引き裂かれる Heart 交わらないFate
あの日が来るまでは…

御旗は錦だー!!

黒船に乱された 国論の叫び
安政の大獄が吹き荒れる

血に飢えた 列強が手ぐすねを引く
地に堕ちた幕府には任せられない

腹の中探り 会津はもうやめだ
西郷のドタキャンに 蛤御門
呪われた過去さえも 水に流して

錦の御旗 纏った俺達
終わらない同盟 幕府倒すまで
日本の未来 背負った俺達
道なき道 進む 東へ 東へ

倒幕にかける 想いは一橋
大政は還しても そのては桑名
朝敵の幕府など ぶっ鳥羽伏見

No title

☆Ozz☆にゃんさん
ニャイス!ありがとうございます♪
混迷の幕末を分かりやすく解きほぐす
熱い歌ですね~(=^▽^=)

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清水しゅーまい

Author:清水しゅーまい
ご訪問ありがとうございます(^-^)
 このブログは、
①大河ドラマや歴史の話題、②猫観察、③映画鑑賞、
④裁判傍聴、⑤日本酒など……という感じになっております。
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そして、友情・人情・心意気です!

猫愛好家のフリーなライターです

清水しゅーまい
【著書】
『車猫が出てきた! ~ノラ猫の秘密~』2018年(東京図書出版)
『八っつぁんの落語一代記 噺家の来た道、日本の来た道』2015年(彩流社)
このブログを含めてcopyrightは清水しゅーまいです。
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