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映画愛と家族再生の超B級作「カメラを止めるな!」

 SNSなどで話題が広まり単館上映からついに200館上映を突破した映画『カメラを止めるな!』を見てきました。最近は、ある劇団の舞台上演作(クレジットでは原案とされている作品)を見て、この映画の監督が構成などを盗用したという疑惑が浮上しまたまた新たな話題を振りまいております。いずれにしても製作費300万円、無名の俳優ばかりの作品がなぜこうも話題になったかを考えてみたいです。
 

原案?:劇団PEACE『GHOST IN THE BOX!』
脚本・監督・編集:上田慎一郎(長編の劇場作は初)
プロデューサー:市橋浩治
製作:ENBUゼミナール(映画監督と俳優の養成学校)
音楽:鈴木信宏 伊藤翔磨 永井カイル(ZIPANG ENTART)
英文表記『ONE CUT OF THE DEAD』
   2017日本作品

【キャスト】
濱津隆之 真魚 しゅはまはるみ 長屋和彰 細井学 市原洋 山俊太郎
大沢真一郎 竹原芳子 吉田美紀 合田純奈 浅森咲希奈 秋山ゆずき
 
 
【劇中劇の面白さ…!】
 簡単に言うと、この映画の特長は、劇中劇の面白さと、メイキング番組の面白さを掛け合わせたところにあります。原案が演劇だからと言うべきか、大きな売りは37分間にわたる長回し。演劇的な内容だから充分可能なことなんだろうけども、途切れない演技はもちろん撮影もすごい。そのカメラ回しの手ブレ感や、前後左右への振り方、持ち直しのタイミング、地面に放置されてしまう時の画面角度なども含めて、絶妙! しかも階段の上下移動や室内~屋外の移動が多くて、ほんと撮影大変そう! まぁ、前半は特に純粋にゾンビ映画として楽しめるんだけど。
 
ふだん映画記事でネタバレはなるべく書かない方針なのですが、ある程度書いてしまいます。
何も知らずに見るのが一番面白いのですが、気になっている人もおられると思うので。
 
 
【B級ゾンビ映画の怖さに浸る!ところどころの変な間()に注目】
 さて、前半です。まずは、ゾンビ物語かと思いきや、ソンビ映画の撮影現場だということが分かってきます。そして、すごく怖い監督が若手女優に厳しく演技指導する。「涙は出すんじゃない、出るんだ、恐怖に染まった本物の顔が欲しいんだ、そのウソまみれの顔をはがせ!」とかなんとか、ガーガー怒鳴る。鬼気迫る現場です。監督はこの映画に賭けていて、借金までしているという。このロケ地も、日本中の廃墟を探し回って見つけた場所で「ある都市伝説」が秘められているという。。。
 
そして、撮影を進めるうちに、外で待機していた俳優の1人がいつの間にかゾンビに…! 体をガクガク震わせて、いかにもな感じです。そいつがスタッフの腕を噛みちぎり、ゾンビが感染して増えてしまいます。すると、メイクのおばさんが斧で逆襲したり、血まみれのそのおばさんのほうが強くてかえって怖かったりと、なんだか事態が紛糾するんだけど、監督は「これだよ、本物だよ、これ!」とか言って大興奮。撮影続行です。その間にも次々と襲い来るゾンビ。主演女優は混乱し涙を流しますが、監督は「その顔だ、できるじゃねぇか!」と大喜び。喜んでいるうちにとうとう監督まで殺されてしまう。。。
 
 
【実は優しかった監督!でもカメラが回ると別人に】
 ここから後半。メイキング物語です。1年前を振り返り、打って変わって、明るい雰囲気。さっきまで監督だった人は、実際の職業も監督で、ただふだんはバラエティー番組の再現映像やカラオケの映像を撮っているのでした。妻(斧を振り回していた人)は元女優ですがもう辞めていて、「ポンぬけ」とか言って変な護身術を趣味にしてます。年頃の娘は監督志望だけど、こだわりが強過ぎてトラブルを起こしてばかり。父である監督のことはバカにしています。
 
ある時、監督は、生中継でワン・カットのゾンビ映画をつくる…という無茶な仕事を引き受けてしまいます。妻からは「あんたにそんな度胸無い」と言われちゃいますが、次第にのめり込み燃える監督。妻も、女優として飛び入り参加、燃えてきて斧を振り回し、護身術を披露することに。ついでに、監督志望の娘も、父の背中越しに、混乱する現場を見てメラメラと闘争意欲が沸いてきて撮影に乱入してしまいます。
 
参加している俳優はクセ者ぞろい、アルコール依存症の俳優、軟水しか飲めなくて硬水を飲むと腹をくだしてしまう俳優。いろいろ。そんな人達と撮影しているうちに、本当にカメラを止められなくなってしまったのでした…! 前半に出てきた変な間()などは、すべて事情あってのことで、伏線が回収されていきます。これまた見事!
 
   お奨め度  4・9
   (5点が満点 5傑作 4見る価値充分 3興味深い 2いま一つ 1駄作)
 
【B級の傑作を著作権騒動で潰しちゃいけない…!】
 B級ゾンビ映画ながら、俳優陣や撮影隊の気合いのほか、監督家族の再生などという暖かいテーマまで織り込まれた作品なのでした!
「世にも奇妙な物語」なんかでやりそうな内容じゃん、と一言で片づいてしまいそうですが、それにしても面白かった!
著作権騒動でしばらくもめるんだろうけど、もとの劇団の方々、映画版の方々、それぞれに活躍を続けてもらいたいですね。
 
 

 
 

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     清水しゅーまい


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コメント

No title

ふふふ、しゅーまいさんのレビュー読んだら
もう一回観たくなって来ました~
さすが
しゅーまいさんの映画愛も熱いですね

でもこれ舞台でやるってどうやるんでしょうね?

先週世にも奇妙な物語やっててそのなかに
監督の3人家族が家族として出演してたんですよ

No title

☆ジュディままさん
どうもありがとうございます(^-^)
想像以上に映画愛を感じる作品でした~!
面白かったですよね(=^▽^=)

舞台でどうやるのかあんまりうまく想像できませんけども
舞台って幕があったり客席から見えない部分が多いので
意外とアクロバティックなことできるので
ノン・ストップのゾンビものというのは
舞台ならではの高度な演劇技術の見れる
いい題材なのかもしれません(^ ^)

おぉ、まさに「世にも奇妙な物語」に監督家族が出てましたか(笑)!
それは見たかったです
これからの活躍も期待される人々なので
著作権騒動で潰れないよう
見守りたいですね~!

No title

話題の映画ですねまだ見てないのですp

No title

あれ?
この「カメラをとめるな」杏莉さんもよかったと言っていたような。
私は、見ていませんが、、、。
怖そう。

No title

おはようございます。
ゾンビ映画を撮っていたら本物のゾンビが出てきてしまったのですか(o_o)迫力が凄そう。
濃い登場人物の活躍に最後まで目が離せなそうですね。

No title

こんにちは。
良い舞台演目って映画とかになると面白くなるものが多い気がします。
原案としてのインスパイアはあったとしても、映画はまた別物だと思うんですよね。
なんとか穏便に収まると良いです。

No title

☆ぎいさん
pどうもありがとうございます(^-^)
この映画話題になってますよね~!
面白いと確認してきましたので
もし機会ありましたら ぜひどうぞ!

No title

☆いくにゃんさん
どうもありがとうございます(^-^)
この映画、
今年最大の番狂わせ的な映画ですので
大勢の人が話題にしていますよ(=^▽^=)
ちょっと怖いですが
後半大笑いの楽しい映画です~!

No title

☆アキスズさん
どうもありがとうございます♪
そうなんです、ゾンビ映画の撮影中に
本物のゾンビが出てきてしまう…という映画を制作している人々の、
ちょっとヘンなお話です(笑)
前半はB級的な迫力ありますが
後半は大笑いの内容になってましたよ(=^▽^=)

No title

(エセ関西弁で)

こんちは~♪

先ほど、この映画を観て来たで。
「ゾンビ映画専門チャンネル」開局の記念番組撮影という
設定もおもろいん火傷、登場人物がいちいちオーバーアク
ションで、頭からケツまで、爆笑してもうたで。

冒頭で、ヒロインがゾンビ化した彼氏に襲われるシーンで、
Thee Michelle Gun Elephant『キラービーチ』の
「ナイフで貫いた オイラの心臓喰らえよベイビー
はらわた斬り開いて あたしのお肉を食べてよダーリン」
を思い出したで。

https://www.youtube.com/watch?v=iQkT7lX38es

あと、ヒロイン役の秋山ゆずき はんが可愛くて、
パイオツをワシワシしたくなったで。

Spiritualやね~~~♪♪♪♪♪♪♪♪♪

No title

☆ハニー先輩さん
そうですね、舞台作品を映画にするには、
撮り方や見え方をかなり工夫しなければならなそうですよね。
原案の人にまったく話がいってなかったというわけではなさそうで、
どうも話し合いや伝え方の、
コミュニケーションの問題で
話がこじれてしまっているらしいです。
どちらにも、いい作品を自分が作ったという自負があるのでしょうが
なんとか丸くおさまるといいですよね。

No title

☆Ozz☆にゃんさん
ニャイス!どうもありがとうございます♪
おぉ…、見てきましたか~!
面白いですよね~(=^▽^=)
B級映画の傑作として
記憶にも記録にも残りそうです…!

ナイフで貫いたおいらの心臓食らえよですか
熱いですね…!
ヒロイン、秋山ゆずきという女優さんでしたか~!
人気出そうですね(^ ^)
エンド・クレジットを見たのに速くて
誰が誰だか分からないで見終わってしまいました(^ ^ゞ

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清水しゅーまい

Author:清水しゅーまい
ご訪問ありがとうございます(^-^)
 このブログは、
①大河ドラマや歴史の話題、②猫観察、③映画鑑賞、
④裁判傍聴、⑤日本酒など……という感じになっております。
その他、本やテレビ、お気楽な話題に時事問題、
そして、友情・人情・心意気です!

猫愛好家のフリーなライターです

清水しゅーまい
【著書】
『車猫が出てきた! ~ノラ猫の秘密~』2018年(東京図書出版)
『八っつぁんの落語一代記 噺家の来た道、日本の来た道』2015年(彩流社)
このブログを含めてcopyrightは清水しゅーまいです。
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