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「西郷どん」妻を誉めよう/西郷や松陰に見る優しさ

大河ドラマ『西郷どん』
 第29回「三度目の結婚」原作:林真理子/脚本:中園ミホ
【志を分かってくれる相手と…】
 時は慶応元年(1865)西郷吉之助(隆盛/鈴木亮平)は数え年39歳。
前年の長州攻め(第一次)で幕府軍参謀役を務めた吉之助ですが、組織の硬直化、責任所在の曖昧さや行動の緊迫感の無さ・緩慢さ…、もはや幕府に未来はないと悟りました。親友の大久保一蔵(のちの利通/瑛太)に言いました。
「もう幕府に日本国を任せてはおけん。こんままじゃったら、日本国は異国ではなく幕府に滅ぼされてしまう」
 が、この時点の大久保には、吉之助は急進的過ぎてついていけません。
 
 そんな時、実妹の市来琴(いちき・こと/桜庭ななみ)が「お願いがありもす。兄さぁも嫁を取ってくいやんせ!」現代ドラマだったらもう避けて通るところですが当時を描くにはそうも言っていられません。ついには「鎌倉以来の武門、島津の恥じゃ、早う嫁を取れ、君命じゃ」とまで!
 
吉之助は顔なじみの岩山糸(黒木華)に声をかけました。
すると糸は…
「私は子が産めんで離縁されたとですよ」
「そいでもよか。そげなこつは天に任しもんそ。…おいは今、日本中が引っ繰り返るような…。おいはのう、民のための国っちゅうのを作りたか。…一蔵どんには分かってもらえんかった、じゃっどん、糸どんならおいの志を分かってくれそうな気がして…」
 
 



 ドラマがもっと楽しくなる!史実の妙味☆彡
大河ファンのために(=^^=)
【奥さんを誉めよう…!】
 このドラマの脚本家の中園ミホさんの真意は分かりませんが、岩山糸さんは吉之助よりも16歳下の22歳でした。つまり、ドラマ1回目あたりで描かれたような、幼い吉之助と糸さんがお祭りで競い合う…なんてのは不可解な年齢差なのです。実際のところは、藩家老の小松帯刀(たてわき)がしっかり紹介・媒酌してくれたようです。
 
糸さんは、吉之助がどんなに出世しても偉そうにしないで、よく立ち働いたとのことです。
吉之助は留守がちだったものの、大変優しい夫でした。糸の作った料理をよく誉めて、客の前でも「これはよくできましたね。おいしゅうございますよ」などと言ったそうです。当の糸さんは恥ずかしがりましたが、吉之助は心のままを表現できる人なのでした。
 
 
【主君の書物を勝手に売って島流しに…!】
 ドラマに汚いおっさんずラブ川口雪篷(せっぽう/石橋蓮司)が再登場しました。今回は余裕があるので書いときたいと思います。雪篷、おもしろい人です。1818年~1890(明治23)=享年73
雪篷は儒学の一種である陽明学を修(おさ)め、詩作や書道にも造詣が深い人でした。そのため、薩摩藩の写本係を務めていたのです。ところが、恐ろしいほどの酒好きで、島津久光から写本を命じられていた書物を勝手に売りさばいて酒代に換えてしまったのです。その罰が、沖永良部島(おきのえらぶじま)への島流しで、非常に高くついてしまいました()
 
吉之助が流されてくる前から、村の子供達に学問を教えていたようです。
吉之助が島流しで来てからは昼夜を問わずやって来て話し相手になり、吉之助の精神面を大いに支えたようです。もともと豪胆な上に、吉之助よりも8歳年長とあって、遠慮無しに付き合いをしたとのこと。そして、そんな雪篷どんの教えのお蔭で、西郷どんは書道では雄大で勢いのある字体に進化し、漢詩もうまくなったのでした。
 
冗談のような感じで、「先にお赦しを得たほうが残ったもんを養う」と約束していたのですが、その約束通りに雪篷は西郷家に現れて養ってもらうことになった…というわけなのです。でもまぁ、その後は、それなりに西郷家の教育に心を砕いてくれたらしいです。
雪篷は、今に遺る大仕事を成しています。西郷どんの、墓石。。。南洲(吉之助の雅号)墓地の墓石に刻まれた「西郷隆盛墓」の文字は、雪篷どんが執筆したものなのです。
 
 
【西郷どんや松陰先生に見る優しさと多様性】
 雪篷どんは、現代的に言うと社会不適応に近いかと思います。しかし、西郷どんはそんな者とも心の交流を持ち、居場所を与える。それどころか、得意分野の指導を任せる。非常におおらかで寛大です。
考えてみると、松下村塾の吉田松陰先生も、富永有隣(とみなが・ゆうりん)という、非常に心がネジレて反抗的で雰囲気を悪くするという、やはり不適応の人に教育者として居場所を与えていました。
善とも悪ともつかない、懐の深さ、寛容さが、志の高さ・維新の原動力につながったように思います。西郷どんや松陰先生の優しさが多様性を育み、それまでの息詰まっていた封建社会に人間的な奥行きや豊かさをもたらしたのではないでしょうか?
心にゆとりの乏しい現在、深く考える意味のあることだと思います。
 
  ~主な参考文献~
家近良樹『西郷隆盛』(ミネルヴァ書房)p.94~、141142
北康利『命もいらず名もいらず 西郷隆盛』(WAC文庫)p.143~、199
半藤一利『幕末史』(新潮文庫)p.137
 

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     清水しゅーまい


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コメント

No title

見ましたよだんだん面白くなってきましたねp

No title

☆ぎいさん
pどうもありがとうございます(^-^)
おもしろくなってきましたね~!
だんだん倒幕一直線で話が分かりやすくなるので
もっとおもしろくなると思います♪

No title

こんにちは。
録画をこなすのが追い付かないので
先に予習的に拝読します(^^♪

西郷どんは当時の男性にしては
愛情表現がおおらかだったのですね。
夫婦円満の秘訣かも知れません。

一見して社会不適合者に
活躍の場を設ける・・・
西郷どんや松陰センセの器を感じます。
オール☆チェスト♪

No title

☆風森湛さん
オール☆チェストどうもありがとうございます♪
さきに読んで戴けて恐縮です(^ ^ゞ

西郷どんはいつもおおらかで堂々としている感じで
愛加那とは人前でもアツアツ振りを
恥ずかし気もなく披露したそうですし
糸さんの料理も本当に誉めたくて誉めたんでしょうね^ ^
いい夫の見本のようです。

いい先生は、
人の活躍の場をうまく作ってくれますね。
松陰先生は勝ち組長州を送り出しているので
なんとなく余裕を感じさせますが
西郷どんの場合は
社会に居場所が無くなった武士のために
最期を迎えるので、悲愴な感じも漂います。。

No title

西郷どんは九州男児で良いですか?

うちのでか婿ちゃんも九州男児で優しいです

九州男児のイメージと違った

しかもその時代に奥さんを誉める人なんて、なかなか居ないですよね?

No title

☆ジュディままさん
どうもありがとうございます(^-^)
西郷どんは九州の薩摩隼人、鹿児島男児です(^∇^)
頼もしくて優しい、いい男だったんですよ~!
当時としては珍しくおおらかな愛情表現をしてくれる
とてもいい男でした、たまりませんよ~!
でか婿ちゃん、
西郷どんに興味持つかもしれませんね(=^▽^=)
のちほど拝見にうかがいますね♪

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Author:清水しゅーまい
ご訪問ありがとうございます(^-^)
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①大河ドラマや歴史の話題、②猫観察、③映画鑑賞、
④裁判傍聴、⑤日本酒など……という感じになっております。
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そして、友情・人情・心意気です!

猫愛好家のフリーなライターです

清水しゅーまい
【著書】
『車猫が出てきた! ~ノラ猫の秘密~』2018年(東京図書出版)
『八っつぁんの落語一代記 噺家の来た道、日本の来た道』2015年(彩流社)
このブログを含めてcopyrightは清水しゅーまいです。
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