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「西郷どん」密勅、安政大獄/西郷最初の討幕計画!

大河ドラマ『西郷どん』
 第16回「斉彬の遺言」原作:林真理子/脚本:中園ミホ
【密勅そして安政の大獄へ!】
 時は安政5年(1858)西郷吉之助(隆盛/鈴木亮平)は数え年32歳。
吉之助は、藩主・島津斉彬(なりあきら/渡辺謙)が挙兵・上洛するのを待っていました。しかし、なんと斉彬が急死!
 
吉之助はあきらめず、代わりに水戸の御隠居様こと徳川斉昭(伊武雅刀)が挙兵することを望みました。懇意にしている公家・近衛忠煕(ただひろ/国広富之)僧侶・月照(尾上菊之助)に頼み込み、天子様(孝明天皇)の「みことのり」が水戸にくだるように、策を巡らしたのでした…!
吉之助は天下国家を動かす人物になっていました!
こうして「戊午(ぼご)の密勅」が出されることになります!
 
が、誠に残念ながら、斉昭は福井藩主・松平慶永(のちの春嶽/津田寛治)とともに押しかけの江戸登城(不時登城事件)をして大老・井伊直弼(佐野史郎)を詰問した結果、後日これをとがめられ、蟄居(ちっきょ)処分されてしまったのです。一橋慶喜(松田翔太)も隠居・謹慎に。自邸内に蟄居の身となり、それが3年続いたのでした。
 
密勅を察知した大老井伊。彼にとっては、これは公儀への謀叛に他なりません。
「天子様をたぶらかし参らせた者達を、召し捕る」と!
ついに「安政の大獄」の始まりです! 吉之助は亡き主君を思い、切腹しかけましたが、なんとか思いとどまり月照を連れて逃亡。一方、同志の橋本左内(風間俊介)は捕まってしまいました…!
 
 



 ドラマがもっと楽しくなる!史実の妙味☆彡
大河ファンのために(=^^=)
【密勅が出された! 4000人が挙兵…!?】
 天子様(孝明天皇)は異国を恐れ、嫌っていました。攘夷(異国の打ち払い)を望んでいたのです。そのため、大老・井伊直弼勅許無しに日米修好通商条約を調印したことに怒りました。また、尊王の傾向が強い「一橋派」を、大老井伊が「不時登城事件」を理由に処分したことにも不満でした。
 
そこで、天子様は、攘夷を推進するための幕政改革を迫る「御趣意書」を、水戸徳川家と幕府に出したのです。安政5年(1858)8月8日のことでした。この「御趣意書」が、のちに「戊午(ぼご)の密勅」と呼ばれることになります。さらにこの写しが、薩摩藩や長州藩など諸藩にも送られました。徳川幕府にとって、そんなものが出回るのは許しがたいことでした。幕府の許可も無く、頭越しに水戸や諸藩に書状が行くなんてのは、あってはならないことです。そもそも、有名な「禁中並びに公家諸法度」によって、天子様の政治への口出しは禁止されているのです。
 
この頃、ウワサが広まりました。島津家が3000人の兵を率いて上洛し、越前福井藩主の松平慶永(よしなが/のちの春嶽)が呼応して1000人の兵とともに上洛する…という内容です…! 真偽が分からず、大老井伊としては見過ごすことができませんでした。こうして、井伊直弼は同年9月から、密勅に関係した者たちを逮捕・処分する「安政の大獄」を始めたのです!
 
 
【西郷どんのたぶん最初の討幕計画…!】
 西郷吉之助は、公家・近衛忠煕(このえ・ただひろ)から密勅を水戸藩・尾張藩に届けるという大役を任されました。しかし、大老・井伊直弼による一橋派への処分がすみやかで厳しかったため、残念ながら、西郷どんが密勅を届ける頃には両藩は変化。大老井伊に迎合的な人々が主導権を握っていたのです。
 
それでも西郷どんは、幕府に対抗し、状況によっては武力蜂起する計画を立てていました。
「安政の大獄」がすでに動き始めていた9月17日、西郷どんは京都から江戸滞在中の同志にあてて、挙兵計画を書き記した書状を出しています。
老中で京都所司代に就任予定の間部詮勝(まなべ・あきかつ)が、「もしや暴発」に及んだら、すぐさま挙兵するというのです。
 
西郷どんの見通しでは、その場合、尾張藩大坂城代・土屋寅直(つちや・ともなお)の兵が呼応するだろう…とのことでした。土屋寅直という大名は、常陸(ひたち)の土浦(つちうら)藩主で、水戸徳川家の親類であり、このたびの密勅にも関係した尊王攘夷派の人です。西郷どんはそれらの勢力に大いに期待していたのです。が、あくまで希望的観測に過ぎなかったらしく、実現の可能性は怪しかったようです。
これはあえて言えば「討幕計画」ですが、より厳密に言えば「大老井伊との対決」、せいぜい「彦根藩35万石との合戦」を想定していたもののようです。
いずれにしても、この当時、西郷さぁはすでに大規模な実力行使の計画を立案できるほどの豪の者になっていたのでした…!
 
ちなみに、前出の老中・間部詮勝については、吉田松陰がその命を狙って暗殺計画を立てています。幕末維新の偉人はやはり少々血の気が多いようです(°∀°;
 
  ~主な参考文献~
半藤一利『幕末史』(新潮文庫)p.89
北康利『命もいらず名もいらず 西郷隆盛』(WAC文庫)p.7982
家近良樹『西郷隆盛』(ミネルヴァ書房)p.55
編:小林和幸『明治史講義【テーマ篇】』(ちくま新書)p.15
 

 
 

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     清水しゅーまい


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コメント

No title

個人的には密勅が帝の直筆か気になる。

口宣案形式か、
年月日がはっきりしてるなら奉書形式?
勅みことのりだから御教書形式?

映像の書状に欠字があるから
時代考証の人は仕事してるみたいですね。゚(゚^∀^゚)゚。

No title

せごどん又見忘れてしまいました

ナイス

No title

だんだんと大きく変貌していく西郷どん
移りゆく世相と合わせてたのしみですね
ここらは詳しく知らないので解説もしっかり読ませていただいて参考になります
ナイス

No title

こんばんは。
『西郷どん』はHDに撮ったきり、なかなか観る機会が無かったのですが、
ここ2週間ほどで1話~15話まで一気観しました。

佐野史郎は、前作『おんな城主直虎』に引き続き2年連続の大河ですね。
前作では、井伊家にとって驚異である今川の軍師:太原雪斎を演じていた
のに、今回は井伊直弼を演じているのが面白いですね。

“ニャ”イス!!!

No title

☆栞さん
どうもありがとうございます(^-^)
密勅、あとで近衛家に返納していることを
考えると、ちゃんとした直筆だったのではないかなぁ…と思います。
形式は栞さんの専門なので、教えてください(笑)
さすが、映像の書状を確認していましたか(^ ^)

No title

☆ぎいさん
西郷どん、今回視聴率11・1%でした~!
いちおうランキングにぎりぎり載るレベルだけど、
瀬戸際です~!

No title

☆みっちゃんさん
ナイスどうもありがとうございます(^-^)
西郷どん、家族や主君の死を乗り超えて
だんだん大きくなっていきますね~!
読んで戴きましてとても嬉しいです(=^▽^=)

No title

☆甲斐☆反戦(元祖天才Ozzボーン)さん
ニャイスどうもありがとうございます♪
おぉ、すごい、
最初から15話までを一気に見たのですね~!

そうですね、言われてみれば佐野史郎、
2年連続出演ですね~!
太原雪斎は初めのほうちょっとだけでしたが
井伊直弼はさすが中盤の見所で目立っていますね(=^▽^=)

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清水しゅーまい
【著書】
『車猫が出てきた! ~ノラ猫の秘密~』2018年(東京図書出版)
『八っつぁんの落語一代記 噺家の来た道、日本の来た道』2015年(彩流社)
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