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「西郷どん」猫の井伊/待たれぃ!その時袴が破れた

大河ドラマ『西郷どん』
 第15回「殿の死」原作:林真理子/脚本:中園ミホ
【井伊独裁に薩摩挙兵上洛で圧力か!?】
 時は安政5年(1858)西郷吉之助(隆盛/鈴木亮平)は数え年32歳。
吉之助と橋本左内(風間俊介)の熱意に負け、一橋慶喜(松田翔太)は将軍となる決断をしました。吉之助と左内は京都でも奔走し、「将軍慶喜を実現するための詔(みことのり)が下される」との確信を得ました。
 
このドラマでは、13代将軍・徳川家定(又吉直樹)正室・篤姫(あつひめ/北川景子)のどちらも慶喜を後継に望んでいるという設定で、事態は安泰かと思われました。が、家定がにわかに倒れ、死の床に。井伊直弼(佐野史郎)がうまいこと遺書を書かせたり言質(げんち)を取ったりしようとするのがちょっと笑えました。
 
まんまと大老に就任した井伊。まず、メリケンとの通商条約の受け容れ決定。そして、将軍後継者は紀州藩主の徳川慶福(よしとみ:まもなく家茂=いえもち)と宣言…! 慶福この時、13歳。詔は井伊のいいように書き換えられてしもたのでした。
 
至急、吉之助は藩主・島津斉彬(なりあきら/渡辺謙)に会うため薩摩へと帰国。失望する斉彬に、吉之助は直訴します。「兵を挙げてたもんせ!」江戸ではなく天子様のお膝元である京にて馬ぞろえをし、決意表明をする時だ、と…!
「幕府・朝廷ともに手をとり、異国に立ち向かえる国を作れと!」
 
将軍家定の病没がこの年7月6日(享年35)、斉彬の死はその10日後(享年50)です。
やはり当時は若死にが多いですね。
 
 



 ドラマがもっと楽しくなる!史実の妙味☆彡
大河ファンのために(=^^=)
【猫っぽい井伊の豪胆さ】
 大老になった井伊直弼は安政5年(1858)6月19日、全権委員を派遣してポーハタン号の艦上にて日米修好通商条約に調印しました。朝廷の許可を得ていない独断だったため、激怒した人々多数。
すると、まもなく井伊は老中の堀田正睦(ほった・まさよし)と松平忠固(ただかた)をクビにしてしまいます。堀田は一橋派を推していましたが、忠固に至っては井伊に大老就任をあっせんしてました。井伊の行動は、豪胆というか恩知らずでした。免職理由は、外交処置不行き届き。責任を恩人に押しつけ、紀州派(南紀派)で回りをかためた井伊。かなり大胆な男です。
 
司馬遼太郎の小説『最後の将軍 ―徳川慶喜―』によれば、6月23日、23歳の一橋慶喜が江戸登城します。「慶喜が、政治に対して最初の積極行動に出たのは、このときであった。」と書き記すほどです。慶喜が井伊直弼を詰問すると、「肥満した…巨顔と、それとまったくうらはらなほどにするどく吊りあがった両眼」の井伊が「恐れ入り奉りまする……」と言うそのありさまは、「その声も外貌に似合わず気味がわるいほどに優しげで、どこか仔猫の啼き声に似ていた。」と書かれています。
また、前回のドラマの最後と重なりますが、井伊は紀州徳川家の藩主の後継ぎを勧めてきて、その時には「老猫が媚(こび)を呈するかのような笑みをふくみ……」と書かれています。
司馬遼太郎が書いたことなのでこのあたりどの程度事実かどうか不明ですが、井伊直弼は猫じみていたらしいです(=^^=)
 
 
【不時登城事件】
 さて、6月24日になると、激怒筆頭人の越前福井藩主・松平慶永(よしなが/のちの春嶽)が江戸城に乗り込んできました。状況が状況ならば、代わりに大老になっていたかもしれない人物です。不時登城事件というものです。
 慶永が詰問し、井伊直弼が「ごもっともでござります、ごもっともでござります」と適当に受け流しながら立ち去ろうとしました。すると、慶永、「待たれ、待たれぃ!」と井伊の袴(はかま)を引っつかんで止めました。ここで井伊、無視して振り切ったところ、袴が破れたとの話…!
 
この日は他の一橋派有力諸侯である尾張藩主・徳川義勝前水戸藩主・徳川斉昭水戸藩主・徳川義篤(よしあつ:慶喜の兄)も続々と井伊を責め立てました。が、井伊はノラリクラリ。
翌日になって、紀州藩主・徳川慶福(家茂)が将軍後継者であると、公表したのです。
不時登城した者たちは、大名ごとに定められた日以外に登城したとして、蟄居・謹慎・隠居・登城停止の処分をくらってしまうのでした! 一橋派は敗北するも、早くも井伊を斬れ!との声が沸き起こっていました…!
 
  ~主な参考文献~
『日本全史(ジャパン・クロニック)(講談社)p.879880
半藤一利『幕末史』(新潮文庫)p.8590
家近良樹『西郷隆盛』(ミネルヴァ書房)p.5356
編:小林和幸『明治史講義【テーマ篇】』(ちくま新書)p.14
司馬遼太郎『最後の将軍 ―徳川慶喜―』(文春文庫)p.64
 

 
 

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     清水しゅーまい


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コメント

No title

一度は畳んだ井伊家であったが直虎様のご子孫が大老までに登り詰め、赤鬼!赤備え!の井伊直弼を井伊谷の皆さんはどんなに思いでみているのやら…。

等と思いながら(笑)

なんか嫌な奴で困りますね~。直弼(笑)
猫みたいで嫌な奴ってもっと困りますね~。

本当はもうちょっといい奴なんじゃないかって期待してたけど、しゅーまいさんの記事読んだら本当はもっと嫌な奴だったんだってわかったので諦めます(笑)

オールポチです~(^^)

No title

又見そびれちやいました。井伊家に関わる事が出で来たのですね。ナイス

No title

☆Parlさん
オールポチどうもありがとうございます♪
直弼が赤鬼のお面を壁にかけてましたね~!
井伊谷の小勢力だった頃には夢にも思わない
地位ですよね(^ ^)

直弼、かなりのクセ者という感じです…!
老猫のふてぶてしさを
身につけていたのかもしれないですね(=^ェ^=)
ふつうの日本人離れした大胆さをもっていて
いちおう彼なりの倫理観があったようだし
井伊直弼びいきの歴史好きっていくらかいるので
これからのドラマでいい面を見せてくれるかも(=^▽^=)!

No title

☆ぎいさん
見そびれちゃいましたか!
残念~
井伊直弼が登場しているので
井伊家の存在感大きいです!

No title

井伊家の「招き猫」の話に乗っかった司馬遼太郎の創作でしょうね。
井伊直弼が猫っぽかったなんて話聞いたことがありません ^^;

No title

☆越前屋平太さん
どうもありがとうございます(^-^)
あぁ…なるほど、招き猫の話ありましたね。
それにことよせて猫らしく書いたもののようですね。
司馬遼太郎にだまされました(笑)
司馬遼太郎はさすがウソが上手だと思います。
よくだまされます(笑)
もう遼太郎にだまされないようにしたいです!

No title

こんにちは。

井伊直弼が悪役一手に引き受けてますね。
そして安政の大獄への流れで
「井伊も逝ってよし!」と視聴者に思わせる手段でしょうか。
斉彬の死に方が唐突過ぎてあっけらかんとなりました。
オール☆チェスト♪

No title

☆風森湛さん
オールチェストどうもありがとうございます♪
井伊直弼、
ちょっと善人な雰囲気を醸すよりは
ハッキリ悪人のほうが清々しいという
考えなのかもしれませんね(^ ^)
たしかに斉彬はもう少し前兆あったほうが
納得できたと思います^ ^

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ご訪問ありがとうございます(^-^)
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①大河ドラマや歴史の話題、②猫観察、③映画鑑賞、
④裁判傍聴、⑤日本酒など……という感じになっております。
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そして、友情・人情・心意気です!

猫愛好家のフリーなライターです

清水しゅーまい
【著書】
『車猫が出てきた! ~ノラ猫の秘密~』2018年(東京図書出版)
『八っつぁんの落語一代記 噺家の来た道、日本の来た道』2015年(彩流社)
このブログを含めてcopyrightは清水しゅーまいです。
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