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「西郷どん」老中を動かす/寝ていた天子様起きる!

大河ドラマ『西郷どん』
 第14回「慶喜の本気」原作:林真理子/脚本:中園ミホ
【初めての人殺し】
 時は安政4年(1857)西郷吉之助(隆盛/鈴木亮平)は数え年31歳。
1021日、アメリカ総領事のタウンゼント・ハリス(ブレイク・クロフォード)日米修好通商条約の締結に向けて、13代将軍・徳川家定(又吉直樹)への謁見を果たしました。
 
吉之助は薩摩藩主・島津斉彬(なりあきら/渡辺謙)の使者として、福井藩主・松平慶永(のちの春嶽/津田寛治)を訪ねました。斉彬と慶永は、将軍後継ぎに、英明な(というウワサの)一橋慶喜(松田翔太)を推しています。しかし、肝心の慶喜本人が将軍後継者となることに乗り気じゃありません。吉之助は慶永の側近・橋本左内(風間俊介)とともに、慶喜を説得することに。そのかたわら、左内があちこちで聞き書きしたという「一橋公言行記」を筆写。これがウワサに具体性を与えていったように描かれていました。
 
そんなある夜、吉之助が不審な仮面男と出会い、問い詰めていると、長野主膳(神保悟志)が現れて「当家の主が貴殿を呼んでおる」と。主とは、彦根35万石の藩主・井伊直弼(佐野史郎)でした! 茶を勧められ、毒殺を疑いましたが、飲んでみて「…うんまか!」
吉之助が勧誘を断わると、井伊直弼は「世間の泥水をたっぷりと呑むがよい。ここの茶の美味さが身に沁みて分かるであろう」
その頃、大奥では、島津斉彬が書いたという、慶喜を推す「建白書」が騒動を巻き起こしていました! 篤姫(あつひめ/北川景子)も困惑!
 
さらに、今度は慶喜を直に狙う刺客が現れましたが、吉之助が返り討ちに成功!「おいは人殺しじゃ!」と嘆いてました。でも、当時の武士が正当防衛でそんなにうろたえるとは思えませんね(°∀°;
 
 



 ドラマがもっと楽しくなる!史実の妙味☆彡
大河ファンのために(=^^=)
 アメリカ総領事タウンゼント・ハリスが将軍に謁見するわずか5日前、1016日のことです。ドラマでは出てきませんでしたが、越前福井藩主・松平慶永(よしなが/のちの春嶽)が従兄弟の徳島藩主・蜂須賀斉裕(はちすか・なりひろ)と連名で、「一橋慶喜を次期将軍に推挙」する意見書を幕府に出しました。そして、慶永は、老中首座・堀田正睦(ほった・まさよし)などを訪ね、協力を依頼していました。
 
堀田正睦は蘭癖家(らんぺきか=西洋かぶれ)だったので、自分の意見はハッキリ開国。攘夷の前水戸藩主・徳川斉昭(なりあき)とはまったく意見が合いません。しかも、実は堀田には頑強な面もあり、斉昭を登城禁止にしてしまいます。老中首座は総理大臣のようなもので、それほどの権力があったのです。開国派と攘夷派は、幕府内では、開国派がひとまず勝ち、ハリスの謁見もこれによって実現(ただし、世間は攘夷の嵐)
 
実にややこしくて恐縮なのですが、将軍後継者を決める「一橋派」か「紀州派(南紀派)」かという話は、開国派or攘夷派の話とはまた別なんです。そんで、ここで書いておきたいのは、堀田正睦は偉いということ。“水戸の斉昭が嫌いだから、その息子の一橋慶喜も嫌い”ってふうにはせず、好き嫌いで決めずにちゃんと一橋慶喜の推挙を検討していました。ただ、どっちつかずで答えが出ていませんでした。
ここで橋本左内がなんとかして、前回紹介した日本政治改革構想を詳しく解説し、堀田を一橋派に引き込んだのでした。
 
 
【寝ていた子(天子様)が起きる…!】
 ところが、堀田正睦(まさよし)の偉くないのは、通商条約の調印に当たって天皇の許可を得ようとしてわざわざ上洛してしまったことです。安政5年(1858)1月のことです。前例を見て、そんなことする必要は無かったんです。堀田の考えとしては、天皇の許可を得れば、世間の攘夷の嵐が治まるだろう…と。つまり、天皇の権威を利用しようとした。そしたら、異国嫌いの孝明天皇や公家が意外にも自己主張してきて、勅許を出してくれない()
堀田は、通商条約問題を幕府の独力で解決できないことを宣言しちゃったようなものなのでした。おそれ多い書き方ですが、寝ていた子(天皇)を起こしてしまった。
 
堀田はもう疲れ切りグタグタになってしまって、家定に泣きついて「今はまさに非常時で、大老が必要です。(一橋派の)松平慶永がよろしいのでは…」などと言った。すると、家定は「分かった。よし、井伊直弼を大老にせよ!」()
井伊直弼(なおすけ)は、開国派という点では堀田と同じですが、紀州派の重鎮です。堀田とは路線が違う。家定がなぜ井伊の名を出したのかは分かりませんが、水戸嫌いの大奥が関係してたのかも。
 
大老というのは、独裁ができます。老中の場合、何かを決める時にたとえトップの老中首座であっても、老中会議の合議が必要です。それが、大老は将軍の代わりとして、自分一人で決められるのです。一橋派に、粛清の時が迫っています…!
 
  ~主な参考文献~
『日本全史(ジャパン・クロニック)(講談社)p.878
半藤一利『幕末史』(新潮文庫)p.678085
家近良樹『西郷隆盛』(ミネルヴァ書房)p.44
編:小林和幸『明治史講義【テーマ篇】』(ちくま新書)p.1214
 

 
 

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コメント

No title

あー先週又みそびれました、ぽち
地元のなお虎は
欠かさず見てたのですが

No title

☆ぎいさん
やっぱり地元の人物だと盛り上がりが違いますよね(^∇^)
西郷どん、
鹿児島県や上野の人々の視聴に期待をかけたいです…!

No title

今度の西郷どんの方が何かローカル色が豊かで面白いです。この辺も学校の授業では習いましたが通り一遍なのでこのほうがずっとずっと面白いです
ちょっと物語が作りすぎている部分もない事は無いけどまぁそれも面白く見る要素かしらね
どうなるのか次が楽しみです
ナイス

No title

☆みっちゃんさん
ありがとうございます(^-^)
西郷どん、
薩摩弁もますます磨きがかかった感じで
面白いですよね。なじみの薄い方言に
拒否反応が多いようなのでちょっと残念です。
物語がどう回ってゆくか読めないところあって
続き楽しみですね(=^▽^=)

No title

こんにちは。
長い平和な時代が続いていたので、初めての殺人は西郷どんもうろたえた感じでした。

No title

☆ハニー先輩さん
さすがの西郷どんも、
自分自身が人を殺すとなると動揺しますかね(^ ^ゞ

No title

こんばんは。

『西郷どん』ようやく観始めましたよ。
10年前の大河ドラマ『篤姫』で、同じ薩摩藩の家老:小松帯刀を
演じた瑛太が、今度は大久保利通役にゃんですね。瑛太の奥さん:
木村カエラのアルバム“Scratch”は名盤ですよ。

『篤姫』では、高橋英樹が島津斉彬を演じていましたが、
今回、斉彬を演じるのは、渡辺謙ニャンですね。
渡辺謙も出演した西南戦争をモチーフにした映画“The Last Samurai”
は面白かったですね。昨年書いたSabaton“Shiroyama”記事を思い出します。

https://blogs.yahoo.co.jp/dfbcr152/15004210.html

No title

☆甲斐☆反戦(元祖天才Ozzボーン)さん
見始めましたか~!
『篤姫』は見逃してしまいました。
せっかく人気あったのに残念です。
今年の大久保利通は誠実な感じですよ。
木村カエラの夫でしたか…!
それは知りませんでした。

渡辺謙さん、もうそろそろ
島津斉彬のシメの段階に入りそうです!
『ラスト サムライ』もよかったですね!
記事再見しましたが
そう言えばここしばらく中村半次郎が出ていないです~。

No title

この回をやっと見ました(;^_^A
昨日のはまだ・・・・・・。

西郷どんの狼狽は誇張が過ぎて見えましたね。
そんなことでオロオロしてたら新選組には入れないぞ♪(こら!)
大河のお約束ですが、主人公は著名人と面会しますね。
井伊と会ったことあるのかな?
オール☆チェスト!

No title

☆風森湛さん
オール☆チェストどうもありがとうございます♪
そうですね、襲って来た相手を倒して
うろたえるなんて、武士としてなってないと思います。
確かにそんなんじゃ新選組には入れてもらえなさそうですね(笑)
井伊直弼との直接面会まではなかったかもしれません。
著名人サービス・カットでしょうね(^-^)

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ご訪問ありがとうございます(^-^)
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①大河ドラマや歴史の話題、②猫観察、③映画鑑賞、
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そして、友情・人情・心意気です!

猫愛好家のフリーなライターです

清水しゅーまい
【著書】
『車猫が出てきた! ~ノラ猫の秘密~』2018年(東京図書出版)
『八っつぁんの落語一代記 噺家の来た道、日本の来た道』2015年(彩流社)
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