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【裁判傍聴】通行人にビールぶっかけて裁判に!

 東京の、とあるささやかな事件の裁判傍聴記です。
起訴状や冒頭陳述などによると、被告人は50歳、茨城に住み、派遣の仕事をしています。彼は足立区千住(せんじゅ)の路上で某日午後9時頃、1人で缶ビールを呑んでました。そこへ25歳男性が通りがかり、被告人はこの人に向かって缶ビールを投げつけ右手首に命中させた…という、「暴行」の事件です。実にささやかな事件であります。
 
 
【冤罪か? しかし漂うB級裁判の匂い】
 罪状認否の際、被告人は一部否認しました。缶を投げたのは確かだが、酔っていて、人がいることに気づいてなかった。それに、缶は人に命中せず、ビールがかかっただけだ…と主張したのです。B級裁判の匂いプンプンしますね()
ビールをぶっかけられた被害者は、被告人が逃走したので110番通報。まもなく被告人は逮捕されたのでした。
 
この裁判の興味深い点は、被告人が「略式手続き」罰金を払えば即終了するのに、あえて正式裁判に持ち込んだことです。「略式手続き」は、被告人が有罪を認める代わりに、公開の裁判無しで罰金だけでいちおう丸く収まる…という仕組みです。公開裁判をするほどではない軽めの犯罪の際によく行なわれています。
で、今回の被告人は、その略式に抵抗して、あえて面倒な裁判に挑んだ()のです。
 
なぜかと言うと、「供述調書の内容が違うから」という話でした。被告人は言いました。
「やっちゃったものはしょうがないからと言われて、調書に署名しました。でも、供述調書の内容が違う。“しょうがない”って意味が分からない。正直言ってヌレギヌ的でちょっと違うんで、裁判にしました」
 
 
【作文の調書、その内容違いに怒る!】
 よく、「調書は作文」なんてことが言われ、非難する人もいますね。
見元引き受け人や参考人の立場で調書を書いてもらった経験がぼくにはありますが、調書は内容を分かりやすくするために、定型文を使ったり、詳細を省略したり、だいたいこんなものだろう…という感じでまとめた内容になっています。警察のかたが親切にぼくに教えてくれました。
「例えば事実そのままに登場人物がぜんぶ出てきたり発言を一つ一つ再現していたら、読みづらくて大変な量の調書になってしまうから、いわゆる作文になるんです」
 まぁ、捜査機関もいそがしいし、特によくある小さい事件は、定型文で済ませたくなるのが人情かもしれません。文学作品じゃないし。
 
で、今回の被告人は、そういう「作文」の内容が事実と違うということで、裁判にした。
でも、そもそも、なぜそんな調書に署名してしまったのかと問われると…
自分の弱さです。警察独特の雰囲気に圧されて、手錠かけられてるしそういう雰囲気になってしまった」という話でした。
 
テーマとしては意外とおもしろく、冤罪の可能性ありか…?…と思ったんですが、大きな問題が!
この被告人は、前科7犯なのです。暴行罪4犯・器物損壊罪2犯、最後の前科が3年前の傷害罪1犯で略式命令「罰金30万円」が確定していました。
それでもとにかく被告人は、今までの調書全体に対して、不満をもっていて…
「いつも同じ感じで、認識してない事実が書かれていても、威圧感があるから署名してしまった。7回ともそんな感じです。今回は過去のアレも含めて事情を訴えていきたいな、と。今までは被害者の感情的なアレとか分からなかったんですよ。裁判になったから今回、被害者の供述書も見たんですけど、ぜんぜん違うこと書いてある。あ、じゃ今までもそうだったのかな、って」
 
捜査機関の作文には実際に問題あるのかもしれないから、被告人にも一理ある…と思ったのもつかのま、前科7犯は、さすがに信用を落としますね。発言も、ここでは分かりやすくまとめて書きましたが、話が行ったり来たり語尾を濁したりで何を言ってるのかよく分からない()
この日は、事実関係が不明瞭なまんま終わってしまい、次回の証人尋問に3時間もかけることが決まりました。被害者や警察官とかが証人に立つようです。せっかく裁判になったけども、これじゃ結局のところまた警察・検察の勝ちになりそうです。また罰金かなぁ…?
 
 
【場外傍聴 ~たまたま聴いちゃいました~】
 閉廷したあと、エレベーターを待ちながら被告人と弁護士がお喋りしていました。
被告人「今までも裁判すればよかったです! みんな被害者のアレで、ずいぶんひどく書かれていた」
弁護士「だから抗議したいんであれば、黙ってないで、争わなきゃダメなんですよ」
 
 一応ごもっとも。この被告人はあんまり冤罪とは言えなそうなので勝ち目は少なそうですけど、
あなたが本当の冤罪に巻き込まれることがあるかもしれません。
そのような時は、落ち着いて、屈せずに闘いましょう…!
 
 

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     清水しゅーまい


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コメント

No title

裁判傍聴したのですか難しそうNICE

No title

身内に警察がいたのでよくわかります
キャツらはキマリを守ることでなく
その日が終わることが目的なので
その性質を逆手にとって
よく見逃してもらいました(笑)

No title

☆ぎいさん
NICEどうもありがとうございます(^-^)
裁判傍聴は最初は途惑いますけど
2、3度見ているうちに
だんだんハマッてきますよ(^∇^)

No title

☆不思議な泡さん
ナイス!どうもありがとうございます(^-^)
警察の人も平穏に1日が終わってくれるのを
祈っているんでしょうね(笑)

No title

☆2017/5/5(金)午後9:47さん
なるほど、
闘う姿勢と、知恵が大切なようですね(笑)
何も知らない善良でおマヌケな市民にはなりたくないので
このようなお話は大変貴重です。
どうもありがとうございます(=^▽^=)

No title

私も被害者になり調書取られたことがありますけど、
簡略するのはいいけど、真意は伝わらないなあ、おまわりさんの面倒臭くならないように作文してるなあと思った事はありますねえ。

まあただいきなり通りすがりの人にビールの缶なげるなんて、さすが傷害の前科持ち。
調書以前にそういう事するこの人の根底に犯罪絡みのアレがあるんでしょうね(笑)

そもそも調書を取られるような事をしない事です。

でもいつもエレベーター前で被告人の本音を大きな耳で聞いてるしゅーまいさんに大笑いです。

オールポチ~☆彡

でもいつも

No title

☆Parlさん
オールポチいつもありがとうございます(^-^)
被害者になったことが!
それは大変でしたね。。
おまわりさんも 結局は一公務員なので
効率も求められるし面倒なのはイヤなのでしょうね(^ ^;)

立て前としては前科で判断しないってことになっていても
どうしても「またか」って なりますね(笑)
被告人にはどうも何かアレがあるんですよ、アレが(笑)

エレベーター前…、
保釈中の被告人とか、証言した人とかの貴重な本音が聴けるので
意外と重要なエリアなんです(^ ^)

No title

けっこう冤罪で泣き寝入りって多そうな気がします。
昔 ストーカー犯罪で殺された女子大生のノンフィクション読みましたが
警察の対応はひどいものでした。。

No title

☆ばねぱんさん
ナイス!どうもありがとうございます(^-^)
真面目過ぎる人や気が優しい人など、
冤罪で問い詰められると
ショックでダウンしちゃうかもしれませんね…!
埼玉県桶川のストーカー殺人事件でしょうか
あれはひどかったですね~!

No title

夜遅く 仕事から帰ったら、自宅の駐車場のバリカーを、何者かに壊されました。

とりあえず、ご近所の交番に被害届を出しに行きました。
警官の作文、日本語としてちょいとヘッタクソでした。
何度言っても、私の名字を間違えまくってました。

でもオットコマエだったので、気にしないことにします。

No title

☆Sophianさん
器物損壊の被害に遭われましたか!
それはお気の毒です。。
そのおまわりさんは男前を武器にし、
書類作りをあなどってますね、出世は難しそうです。
でも、そのぶんいつまでもご近所の交番にて
会えることでしょう(笑)

No title

ビールぶっかけて裁判とか、「ナニソレ?イミワカンナイ!」by西木野真姫

でも、この裁判は、冤罪の可能性はなさそうですね。

The Yellow Monkey(伊右衛門)も、“Four Seasons”で、
「人様に迷惑とコーヒーはかけちゃいけない」と歌って
いるので、妥当な判決だと思いますよ。

https://www.youtube.com/watch?v=QZWQKF9kGx0

『猫六法全書』で“ニャ”イス!!!

No title

☆Ozz☆にゃんさん
猫・六法全書ニャイス!どうもありがとうございます(^-^)
西木野真姫はツンデレでいいですね!

そうなんです、ずいぶんおバカな経過をたどった事件で
冤罪のような事件ではなさそうでした。
ひとさまに迷惑とコーヒーはかけちゃいけない…、
かけたことある人にしか言えなそうな発言ですね(笑)

No title

大変遅いコメ失礼します

面白そうな事案ですが、おっしゃるとおり被告人の前科が

「被告人」清水しゅーまいさんさすがにプロですね

削除されたブログに書きましたが、新聞もTVも刑事訴訟も「被告」新聞は1文字省略できますがTVは声に出しても大して長くない

民事や行政訴訟では「被告」はただ訴えられた方-でも一般人は訴訟起こして被告にするぞといわれると言うとおりにお金払ちゃたりしますよね(何件かそれを見聞きしました)

たかが1文字でも「人」がつくのとつかないのでは大違い。そろそろマスコミも考えてほしいものです

No title

☆薫少将さん
こちらにもどうもありがとうございます(^-^)

前科が豊富過ぎるとさすがに信用落としますね(笑)

被告と被告人、
ぜんぜん違うのでマスコミ気をつけて欲しいですよね。
マスコミの用語統一って、どういう根拠でそうなっているのか、よく分からないものもありますね。
「被告」と新聞社の用語集で決まっているから「被告」にすべきなんだと、何も考えないで書いてる人も少なくないと思います。
編集や校正の仕事でも、ただひたすらに用語のチェックをしているだけの人もいますが、
そういう人は
AIの普及で不要になっていきそうです(笑)

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Author:清水しゅーまい
ご訪問ありがとうございます(^-^)
 このブログは、
①大河ドラマや歴史の話題、②猫観察、③映画鑑賞、
④裁判傍聴、⑤日本酒など……という感じになっております。
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そして、友情・人情・心意気です!

猫愛好家のフリーなライターです

清水しゅーまい
【著書】
『車猫が出てきた! ~ノラ猫の秘密~』2018年(東京図書出版)
『八っつぁんの落語一代記 噺家の来た道、日本の来た道』2015年(彩流社)
このブログを含めてcopyrightは清水しゅーまいです。
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